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そのメイク、今まで通りでいいの?赤リップにみる攻めと守りの顔面事情|おおしまりえのキレイな悪口

  • 2017.2.7
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そのメイク、今まで通りでいいの?赤リップにみる攻めと守りの顔面事情|おおしまりえのキレイな悪口

「こんなブス顔じゃ愛されない!幸せになれない!」なんて、オンナと人生を格闘している女子に送る、キレイと幸せが手に入る(?)痛快エッセイを毎週お届け。オンナの旬を過ぎつつある三十路の恋愛ジャーナリストおおしまりえが、向き合いたくないけど向き合わなくてはいけないオンナの性と美、そして恋愛に対して、毎週真っ向勝負を挑みます!
文・おおしまりえ【おおしまりえのキレイな悪口】vol.4

最近、インスタに流れるメイク動画鑑賞にハマっている。
出演者はみんな女子高生や女子大生。数分の動画の中で、目を二重にしたりチークやリップを塗ったり、裏技テクを披露したりしている。
これがなるほどと思うものばかりで勉強にもなるし、こんなブスがあんな可愛く……と仰天することも多々ある。
やっぱり女の化粧する姿というのは、“化けて粧う”と書くだけあって、世代が違かろうが見てはいけないモノを見ているという後ろめたさもあり、面白いものだ。

■ふいのキスに赤リップはどう対処する?

そんな彼女たちのメイクを見ていると、思わず「ヤバイヨー」と出川哲朗ばりに叫んでしまうことがある。
どぎつい赤リップとか、目の真下に入れられるチークとか、複雑な囲みシャドーとか、基本的にめちゃ濃いのである。濃い上に、崩れることが全く想定されていないのだ。
流行りとはいえ、「彼とのデートに~」といったテーマのメイクですら、チェリーピンクのリップをガンガン塗りたくっている。“彼がふいにキス”みたいなシチュエーションがきたら、彼女たちはどうするつもりなのだろう。
まあ接吻くらいなら「ごめん、リップついちゃった。テヘッ☆」とドジっ子なワタシで押し通せるけど、これが“壁ドンからのハグ”とかだった場合、彼の服にチークやリップがベトーっとついてしまうこともあるだろう。
これでは100年の恋も冷めるやつだし、後日クリーニング代を請求されかねない。結果的に「金銭的にちっちゃい男だったことが分かって、別れてよかった☆」なんてことになればいいけど、人生はそううまくはいかないので注意が必要だ。

■思い出せばギャルメイク…

自分の人生を振り返ってみると、私も学生の頃は動画の彼女たちとそう変わらない濃さのメイクや行動をしていたと思う。いや、ギャル文化の名残がまだあった当時の方が、濃い=正義、みたいな風潮があり、わかりやすく顔面キャンバスに色を塗ったくっていたような。
当時は白囲みラインとかハイライトとか、「とりあえずビール!」の勢いで、とりあえず白という結論を出し、クレージュの白ペンシルとかガンガン使っていた。ああ、若さって怖い。
怖いけど……、ふいのキスもハグもあったような気がするものの、苦い記憶が出てこないということは、それで大惨事にはならなかったってことか。
つまり今の私の抱く “万が一があったらどうするの?”という不安感は、おばちゃん化による取り越し苦労なのかもしれない。

■大人になるとは取り越し苦労を抱くこと

考え方を変えると、年を取るというのは、取り越し苦労をし、それに対処することなのかもしれない。
その最たるものは、恋人選びだろう。
小学生の頃は男は黙って走っとけ!というくらい足が速けれりゃ好きになっていたのに、高校生くらいになると一緒にいて楽しいかとか、連絡をマメにくれるかとか、尽くしの要素が足され始める。
社会人になると相性とか将来性とか、お金とか現実的なものが絡んできて、40代以降は墓場までを想定し、老後の相手としてふさわしいかという1点で選ぶらしい。
これらはすべて、経験による備えの心が加わり、それに対応した結果浮かんできた理想像ではなかろうか。
しかしこのエッセイを読む女子に聞いてもらいたいのだが、私はこの備えあれば精神で行動した結果、大失敗したことがある。
それは20代の頃の結婚と離婚だ。
当時は安定とか将来性とか、保険の売り文句のような不安ばかりを抱え、行動し、ちょっと古いが“三高男子”的な人と結婚した。
そしてあっけなく失敗した。
敗因は物理的な自由と引き換えに精神的な自由がなくなった。つまり性格の不一致って奴なのであるが、その結果得られた答えは“人には向き不向きがある”という、引っ張ってそれか!? と怒られそうな大事な真実である。
確かな安心も万が一への対策も、自分に合っていなくては仕方がない。そんなことを戸籍を傷つけながら学んだのである。
人は、物理的な安心感よりも精神的な安心感を求め、不幸そうな道にも進んでしまう。これが人間の面白さであり、愚かさなのかもしれない。
動画の中の彼女たちのメイクも、彼へのモテよりも自己満足度の高いメイクができた方が精神的に安心できるからこそ、赤リップを塗りたくるのかもしれない。
そういう意味では最近流行りのメイクというのは、どれもいわゆる男ウケから外れているものが多く、“恋愛しない世の中”というのは、女性のメイク事情にも大いに反映されているといえよう。
おおしま りえ/恋愛ジャーナリスト
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。本音を見抜く観察眼と、男女のコミュニケーション術を研究し、恋愛ジャーナリストとして活動を開始。私生活では20代で結婚離婚を経験した後、現在「女性自身」「週刊SPA!」「ananWEB」など大手メディアを中心にコラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com Twitter:https://twitter.com/@utena0518

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