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これって違法? 「豆まき」でご近所トラブル【教えて!弁護士先生】

  • 2017.1.31

節分の豆まきは、日本の伝統文化。「鬼は外」と家の外に豆をまくことは、多くの日本人が当たり前のようにやっていることです。このような伝統文化が違法になるかについては、とても微妙な問題のため、これまであまり語られてきませんでした。

しかし、時代が進むにつれて伝統文化の捉え方も変化してきていますし、外国人の方も大勢日本で暮らすようになってきていますので、これからトラブルが起きることも考えられます。そこで、あえてこの微妙な問題を考えてみたいと思います。

(c) aines - Fotolia.com

■マンションの共有スペースに豆をまいたら?
分譲マンションであっても、賃貸マンションであっても、廊下などの共用スペースは「用法(用方)」に従って使用しなければなりません。例えば、廊下は通路のために存在しますので、そこに荷物やゴミを放置することは用法違反になるでしょう。

しかし、節分の豆まきは、先ほど説明したように伝統文化(これを法律用語的には「慣習」といいます)として認められています。そのため、自室のドアを開け、廊下などの共用スペースに「鬼は外」と豆をまいても、ほとんどの場合「用法違反」にならないと考えられます。

ただし、マンションの管理規約等で豆まきが禁止されているときは、規約等が優先しますので、「用法違反」になります。不安な方は、大屋さんや管理会社に問い合わせてみてもいいかもしれませんね。

また、まいた豆を放置するのは、ゴミを放置することと一緒だとも考えられますので、まいたあとはきちんと掃除をしましょう。

■家の前の道路に豆をまいたら?
まいた豆をそのまま放置すると、結局はゴミになってしまいます。そのため、道路に豆をまいた場合には、廃棄物処理法や各市町村のポイ捨て禁止条例、軽犯罪法の違反(いわゆる不法投棄)にならないかが問題となりそうです。

ただ、これらの法律違反になるには、それが正当な理由なく行われた場合となります。節分に家の外に豆をまくことは、伝統文化・慣習として認められており、正当な理由があると考えられますので、法律違反になる可能性はとても低いといえるでしょう。

ただ、常識の範囲を超える量の豆をまいたり、鳥などをおびき寄せて嫌がらせしようなどの悪意をもって他人の家の前にまいたりすれば、正当な理由はないとして、法律違反になる可能性もあります。

■豆まきで気をつけるべきこと
豆をまくとき故意に人の顔にぶつければ、当然「暴行罪」になりますし、目などに入ってけがをさせれば「傷害罪」や「過失傷害罪」にもなります。

よく考えずに高層階の窓の外にまいて、下にいた人に当たってけがをさせれば「過失傷害罪」になる可能性もあるでしょう。常識やマナーをもって楽しんでください。

節分の豆まきは、歴史ある日本の伝統文化です。悪用することなく、お互いに常識を守りながらこの文化を絶やさないようにしたいですね。
(岩沙好幸)

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