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私たちに最も似合うファッションって……?(Saori Masuda)

  • 2017.1.18

Photo: Maxim Sapozhnikov
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2016年12月2日、ザ・ペニンシュラ香港で行われたドルチェ&ガッバーナ アルタモーダ(高級仕立服)コレクション。ショー前日、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナが語った香港でショーを行った理由や日本を含む東洋の女性たちの魅力から、私たちに最も似合うファッションとは何かについて聞きました。

トレンドは、オリエンタルな美学。

「次にくるのは、オリエンタルな美学だと思う」と語るドメニコ・ドルチェに続き、ステファノ・ガッバーナは言った。「上手く説明はできないのだけれども、中国(東洋)人が持って生まれた線の細い体型だからなのか。とにかく着ただけでその服が生き、スタイルが完成するんだ」。

2016年12月2日、香港で行われたドルチェ&ガッバーナ アルタモーダの香港スペシャルコレクションの出発点は、1928年のオープン当時のザ・ペニンシュラ香港の雰囲気とその時代背景だった。ショー会場に選ばれたのは、ザ・ペニンシュラ香港のロビーホール。さらに男女計105ルックが発表されたショーで起用されたモデルは、すべて中国人だった。

彼らは言う。「中国(東洋)人モデルがドルチェ&ガッバーナの服を着ると、イタリア人が着たときとは全く別のものになる。でも、不思議と完璧に着こなすんだ。これはミラノでは実現できないことだったよ」。

イタリア人と中国(東洋)人の共通点。

コレクションには、ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナにとって中国を象徴するもので、かつ彼らが好きなもの、すなわちクリスタル、羽根(例外的にクジャクも!)、王冠、中国の宮廷文化の影響が見られる色彩豊かな刺繍、赤、ゴールドなど、すべてを入れ込んだのだと言う。最もこれらの要素は、現在の中国人が好まない"レガシー"であることも知っているが、彼らが魅了されて止まないものであるので仕方がない。ただし、仕上がった服はどこからどう見ても、中国風スタイルではなくドルチェ&ガッバーナスタイルであるので、アジアの顧客にとっては全く問題ではないと彼らは断言した。

ところで、ドメニコとステファノにとって、今回の香港ツアーでは面白い収穫があったと言う。それは、一見共通項がないように見えるイタリア人と中国(東洋)人との間に、実は結び付けるものがあったということ。彼らが実際訪れた香港のマーケット(屋台市場)で感じ取った人々が発するエネルギー、つまり、生きることへの情熱(Passion of Life)が、ナポリの屋台市場に通じるものがあるという発見だった。

服が似合う本当の理由。

服は人が着て初めて完成するというドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナ。ドルチェ&ガッバーナの服を中国(東洋)人が着るとなぜか説明はつかないがしっくりくるという理由の1つに、洋服の歴史が長いイタリア人が持つ既成概念(セレモニーにはグレーを着るなど)に捉われない自由な発想(タキシードにスリッパを合わせるなど。イギリス人も持っている感性だと彼らは言う)があるからだと彼らは言う。

また、現在の中国人には好まれない”レガシー”(中国の宮廷文化で愛でられた色彩豊かな刺繍や羽根が施された服)が、実は中国(東洋)人の血流に脈々と受け継がれていて、それこそが、説明はつかないが、なぜか彼らに艶やかなドルチェ&ガッバーナの服がフィットする理由ではないかと分析した。

来日予定は?

ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの二人は、自らが世界各地に出向くスタイルのイベントを積極的に開催している。その理由を、彼らはドルチェ&ガッバーナのライフスタイル(世界観)を顧客に体験してもらいたいからだと語る。が、一方でまた、世界を旅することで、今回の香港のように常に新しい発見をしヴィジョンを広げているとも言う。貪欲なまでに新しいことを探し求めるこのパワーこそが、彼らのクリエイションの原動力となっているのかもしれない。

ただし、確固たるブランドイメージを築き上げた彼らは断言する、「私たちは、自分たちのクリエイションを熟知しており、この世界観に全くブレは生じない」。その上で、「私たちはトレンディでもクールなブランドにもなりたくない。私たちはドルチェ&ガッバーナでありたいんだ」と語ってくれた。

そして最後に、2017年は20数年ぶりの日本への来日が予定に入っていることも明かしてくれた。日本のリサーチはすでに始まっているのだろうか。イベントの日が待ち遠しい。
参照元:VOGUE JAPAN

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