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子どものお年玉、勝手に使い込んだらアウト?【教えて!弁護士先生】

  • 2017.1.5
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お正月といえば、いろいろと楽しみなことはありますが、小さな子どもたちにとってもっとも楽しみなのは「お年玉」ではないでしょうか。子供のころは、一体いくらもらえるのかとそわそわしたものです。

さて、そんなお年玉ですが、親に預けたらいつの間にかなくなっていた…という話もちらほらと聞かれます。法的に考えたとき、その行為に問題はないのでしょうか?

(c) varts - Fotolia.com

■お年玉は誰のもの?
お年玉は、当然子どものものです。子どもが直接もらった場合だけでなく、「○○ちゃんのお年玉」といわれて親が代わりに受け取った場合でも、同様に子どものものとなります。

■子どものお年玉に、親は一切触れられない?
もらったお年玉は子どものものですが、親が子どものお金に一切触れることができないかというと、そうではありません。

民法824条で、親には子の財産を管理することができる権利が認められており、例えば無駄使いを防止するために使わせないようにするといったことが法律上認められています。

もっとも、あくまでも「管理」する権限なので、基本的には勝手に使うことは許されません。勝手に使った場合、民法835条により、家庭裁判所から財産管理権を喪失させられてしまう可能性もないとはいえません。

しかしながら、お年玉を使い込んだことで財産管理権を喪失させられたという例は、今のところ見当たらないように思われます。

■お年玉を勝手に使ったら返さないといけない?
他人のお金を勝手に使った場合と同様に、子どものお金を勝手に使った場合も、そのお金は返さなければなりません。

用途がギャンブル等であった場合に返還義務を負うのは当然ですが、用途が教育費や食費であったとしても、本来そのような支出は扶養義務・監護義務を負っている親が負担すべきものであり、原則として返還義務を負います。

ただし、お年玉を使わなければ教育費や食費の支出が困難であるといった事情があれば、子どものお金を管理権の範囲内で使用したものと認められる可能性があり、その場合には返還義務を負いません。

■まとめ
お年玉は子どものものですし、子どももそう思っているでしょうから、生活のためにやむを得ない場合等を除き、勝手に使っていいものではありません。将来のために、適切に管理してあげてくださいね。


(吉岡一誠)

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