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出産時に母から子へ受け継がれる“腸内細菌”のタイプ3つ

  • 2014.12.1
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【ママからのご相談】

普通分娩の際、お母さんから子どもに腸内の細菌が受け継がれるということを聞いたことがあります。それはどのようなしくみや効果があるのでしょうか? また、細菌とは悪いものではないのですか?

●A. 腸内細菌はとても大切なものです。

こんにちは。理学療法士のOHSAWAです。

ヒトの腸内には1,000種類を超える腸内細菌が存在しています。これらの腸内細菌は消化吸収や免疫にも関与し、健康や感染防御に大きく影響を与えていると考えられています。

お腹にいる胎児の腸内には、細菌はおらず無菌状態です。しかし、出産する際に産道に定着している細菌と接触することで、新生児の腸内細菌叢が形成されていきます。そのため研究者の間では、「腸内細菌は母から子への贈り物」と言われているそうです。

●腸内細菌3つのタイプ

腸内細菌には大きく分けて3つあります。

●(1)善玉菌

ビフィズス菌に代表される乳酸菌群です。腸の中を酸性にし、それにより外から有害な菌が入ってきても腸内が酸性であれば生きられません。外からやってくる菌から腸を守ります。

●(2)悪玉菌

大腸菌、ウェルシュ菌が代表です。タンパク質やアミノ酸を分解して有害物質を生成し、これらが腸から吸収されて体内に送り出されると、様々な臓器が障害を受けます。しかし、悪玉菌も身体のためにビタミンの合成などすることもあります。

●(3)日和見菌

上記2つに当てはまらない菌です。善玉菌と悪玉菌の多い方になびきます。

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それぞれ役割があるため、腸内細菌は善玉菌が多く、悪玉菌、日和見菌は少しがベストです。

●ビフィズス菌が新生児の免疫力を高める

ヤクルトによると、善玉菌の代表であるビフィズス菌は、新生児の腸内管では出生後の早い段階で最も多くを占める細菌として知られており、免疫が発達していない新生児の感染防御や乳幼児の粘膜免疫系の発達において、重要な役割を果たすことが報告されています。

このことから、母親から受け継がれたビフィズス菌は腸管内において優勢に増殖することから、新生児を病原菌から守ってくれることがわかります。そのため出産前の母親は、自らの腸内環境を整えることも大切ですね。

また、帝王切開で生まれた子も、出産後に近親者や医療従事者との接触や環境を介して細菌と接触する機会に巡り合うため、多少の違いはあるものの腸内細菌は形成されていくそうですよ。

(ライタープロフィール)

OHSAWA(理学療法士)/22歳で理学療法の資格を取得後、急性期病院や老人保健施設を経て、現在は都内の訪問リハビリで勤務している。従来の理学療法の治療観点を重要視しつつ、東洋医学や内臓へのアプローチにも興味をもち取り入れている。また、体軸理論により施術する自身のコンディションにも気を付けて日々研鑚している。

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