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あなたは何代目リカちゃんで遊んだ? 誕生50周年を迎えるリカちゃん人形の魅力【 第2回 昔の子ども、今の子ども。】

  • 2016.12.15
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明るくてちょっぴりあわてんぼうな小学5年生の女の子「リカちゃん」。2017年には誕生50周年を迎えます。“子どものころリカちゃんで遊んだ”というのは、日本の女の子の多くが持つ共通の思い出。タカラトミーのみなさんに、リカちゃんの歴史や開発への想いを聞きに行ってきました。

■背は1cm伸び、瞳のキラキラ感がアップ!リカちゃんの変遷

“日本の女の子のための日本の着せ替え人形”として、リカちゃんが誕生したのは1967年のこと。少女漫画の世界観を取りいれたかわいらしい顔立ち、小学5年生の女の子というプロフィールや家族構成をつけたことは、当時の人形としては画期的でした。

「当初の商品ターゲットはリカちゃんと同じ小学5年生くらい。お友だちのような存在になれたらと開発された、手の平サイズのお人形です」

そう話すのは、ご自身も子どものころリカちゃんで遊んだという広報課課長の村山麻衣子さんです。

村山麻衣子さん。ご自身が遊んだ4代目リカちゃんと一緒に。「実家できれいに残っていたのを、娘が生まれたタイミングで見つけて、手元に戻ってきてもらいました」

その後、1947年に2代目、1952年に3代目が登場し、現在のリカちゃんは1987年デビューの4代目。並べてみると、やっぱり少しずつ印象が違います。

左から初代、2代目、3代目、4代目。2代目はマグネットシューズに白いヘアピンが特徴。3代目からイヤリングなどをするように

瞳のなかのハイライトの数は、初代は1つですが、2代目以降は3つ。まつげの位置や本数も変わっています。さらに、鼻の向きや目の位置も時代とともに変化。3代目になるとやや丸顔になって、カールヘアがストレートヘアに。4代目では背が1cm伸びました。

■リカちゃんを振り返ればニッポンの歴史がわかる

リカちゃんは発売当初から、常にその時代の流行を取り入れてきました。そのため、リカちゃんを振り返ると、流行ファッションから文化まで、当時の日本の様子がよくわかります。

当時の流行ファッションから文化までがわかる歴代リカちゃん。左写写真からは1960年代後半のミニスカートブームが見えてきます

「ファッションには1960年代後半にブームだったパンタロンやミニスカートが登場したこともあります。また、ボーリングがブームだったときはボーリング場を作ったり、当時の最先端だったマンションをおうちとして販売したりもしました」(村山さん)

制服からもその時代のブームが分かるリカちゃんのファッション

ドレスやハウスだけでなく、家族像にも時代の価値観を反映。2014年にはリカちゃんのパパである香山ピエールさんが「イクメンオブ ザ イヤー 2014」(イクメンキャラクター部門)を受賞しました。なにより家族との時間を大切にして、子どもをお風呂に入れたり、料理、掃除をしたりと、子育てや家事にも積極的にかかわる姿をカタログや動画でみせてきたイクメンぶりが評価されたのです。

■リカちゃんのTwitterやInstagramも登場

電話をするとリカちゃんと話ができる「リカちゃんでんわ」は1968年に登場し、今もなお愛されています。これに加えて、2014年以降は公式Twitter(@bonjour_licca)やInstagram(@bonjour_licca)もスタート。相互コミュニケーションもできるようになりました。オシャレをして人気のスポットへ行ったり、いろいろな人との交流を楽しんだりしている様子が話題に。先日はなんとアメリカの人気シンガー、アリアナ・グランデさんのシングル「フォーカス」ミュージックビデオにも登場していました!

Twitter @bonjour_licca

Instagram @bonjour_licca

■企画担当に聞く! リカちゃん開発の裏側

着せ替え人形であるリカちゃん。ドレスの新作は、なんと年間100着前後にものぼるそうです…! 数々のシリーズを手がけてきたリカちゃん企画部企画開発課主任の深尾千緒子さんは、次のように話します。

「ドレスは流行を先取りしすぎていない手の届くおしゃれさがポイント。ヒラヒラしたスカートやレースの服など、特別なときにしか着られない服が多いのもリカちゃんの魅力ですよね。女の子の憧れをドレスのデザインで表現しています」

デザインする時は、ファッション雑誌などをチェックし、イメージボードを作成。打ち合わせを重ね、イメージがかたまってきたら、実際にデザイン画を描き、ドレスの材質などを決めていくとか。

イメージボードを手にする深尾千緒子さん。深尾さんは「すてきなリカちゃん ギフトセット」や「だいすきなおばあちゃん」など多数の人気商品の生みの親

「品質基準に照らし合わせて、使える素材金属が限られていたり、おもちゃならではの制約もいろいろ。安心安全を考慮しつつデザイン画を描いています」(深尾さん)

新しいギミックの開発となると数年かかることもあるそうです。

「リカちゃんはその時代にあったリアルなごっこ遊びです。リカちゃんハウスの小物もいまや家電は斜めドラム洗濯機にサイクロン式掃除機。ショッピングモールにはセルフレジもあるなど、社会に合わせてハイテクになっていますが、根本的にお母さんの真似をしているのは変わらないんですよね」(深尾さん)

新しい技術やアイテムを取り入れながら、時代にあった商品作りがされているからこそ、リカちゃんは長く愛されているのがよくわかります。

■大人も楽しめるリカちゃんが登場

「発売当時にリカちゃんで遊んでいた女の子が11歳だとすると、今はもう60代。そこで近年は、すべての世代が楽しめるリカちゃんを目指して、商品開発を進めています」(深尾さん)

今年は、子どもだけでなく大人も楽しめるリアルクローズをコンセプトにした新シリーズ「リカビジューシリーズ」が登場。ビジュー(宝石)という名前のとおり、宝石のように特別なおしゃれがコンセプト。素材や色味にもこだわっています。

「リカビジューシリーズ」。左から、「シャイニータイム」「スノードロップ」「ルミナスピンク」「スパークルアイズ」

また、「リカ スタイリッシュドールコレクション」は2015年6月に発売以降、人気を集めています。対象年齢は15歳以上で、価格は1万円からという大人向けのハイブランドです。

大人も楽しめる「リカ スタイリッシュドールコレクション」

■ごっこ遊びで、協調性や社会性、将来像を獲得

子どもたちは“ごっこ遊び”を通して、シチュエーションに応じたやりとりを自然に学んだり、コーディネートを考えながら女の子としての身だしなみを知ったりします。

東京学芸大こども未来研究所とタカラトミーの共同研究プロジェクトでは、リカちゃんをはじめとした人形による「ごっこ遊び」は、協調性や社会性、将来像の獲得に効果があるという調査結果も出ているそうです。

「「リカちゃん」は昔も今も、日々変化する子どもたちのすぐそばを歩いてきました。これからも日本の女の子の文化を作っているという位の気持ちでリカちゃんシリーズを展開していけたらいいなと思っています」(村山さん)

時代とともに変化しつつも、普遍的なかわいらしさを持ち続けるリカちゃん。親子2世代、3世代で一緒に遊んだり、受け継いでいったりするのも素敵ですね。

■大人も楽しめる「リカビジューシリーズ」が登場

「リカちゃん」の新シリーズとして登場した「Licca Bijou Series(リカビジューシリーズ)」の最新作がデビュー。フランス語で宝石を意味するビジューが名前に付けられたのは、“宝石のように特別なおしゃれ”と、その“質の高さ、本物感、おしゃれへのこだわり”がコンセプト。リカちゃんとともに時代を歩み成長した大人も楽しめる雑貨、服飾にも注目が集まっています。

>>リカビジューシリーズ

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