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【決別の誕生日会】私は生きるために “彼女” から離れる

  • 2016.12.7

【決別の誕生日会】私は生きるために “彼女” から離れる

文・小阪有花

【グラドルから保育園へ】

vol. 34

誕生会当日がやってきた

彼女の誕生日会、私は彼女が楽しんでいる姿を見ることもなかった。

会には60人ほどの人が来ていた。彼女のやることなすことが気にくわない私は、「バカは群れを好む」と心の中で何度もつぶやいていた。そんな風に考えていることにも気づかず、彼女は上機嫌に私の方に寄ってきては、「誕生日会の準備をありがとう」なんて言葉をかけてくる。心にもないことと間に受けることなく、この日だけは笑顔でいようとするも、これまでのストレスは頂点をとうに越えていたらしい。

最後まで、性悪女

全身が痺れてくる。もう顔も見たくないので下をむいていると、嬉しそうに彼女は嫌味を放つ。「あんたの元彼も呼んでいたのに気づいてた? あの子人気だね。女の子が寄って来ているし、彼も嬉しそうに番号交換してたよ!」。何もかもが低レベル。もうこんな太った姿になったんだ。今さら、恋だの嫉妬だの、そんなのできる身分じゃないことくらいわかってるし、と。

「早くどこかにいって欲しい」。笑って追い返そうとするが、顔半分に痙攣が起きて、顔が歪んでいることが自分でもわかった。「最後の最後まで性悪女だな」。私は、「この時間が最後だ」と何度も唱えながら自分に言い聞かせた。自分に必要なもの。それはまだ見つかっていないけど、そんなのは関係ない。私は生きるためにこの女から離れる。そして、誕生日会が終わった後、私は決めた通り彼女の前から姿を消した。

こさか ゆか/保育園プロデューサー

リバイバルミーティング代表。チャイルドカウンセラー、家族療法カウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター資格習得。 2004年ミスマガジングランプリを獲得し芸能界デビュー。グラビアアイドルとして活躍後、2009年に引退。現在は子どもの心スペシャリストとして活動中。

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