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これからが旬。つくり手に聞く自然豊かな高知の食文化

  • 2016.12.4
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日本最後の清流と呼ばれる四万十川が流れる自然豊かな高知県。 そんな高知県は、同じ四国内からも高知の食を求めて人が押し寄せるほど、食文化が豊かなエリア。 今回は、高知県の安芸(あき)市を訪ね、柚子をはじめとした高知名産のつくり手からおすすめの食べ方を聞いてきました。

18年かけてつくる、てまひまかけた柚子

高知県は全国シェア50%を誇る柚子生産県。さらにその1/4が高知県東部の北川村で生産されています。

案内してくれたのは庭園「北川村モネの庭 マルモッタン」の運営に携わる西山さん。

「ここ北川村の柚子は“実生(みしょう)”柚子が多く残っているエリアなんですよ」

柚子には、種から育て、実がなるまでに15年以上かかる実生(実生)と、枝を接ぎ木にして5年程度で実をつける接木の柚子のふたつの栽培方法があります。

北川村ではずっと以前から柚子が自生していて、現在も「実生柚子」が多く残っているそうです。

実生の柚子は、継木の柚子に比べ香りが高く酸味が強いのが特徴。

柚子の収穫時期は11月。北川村では11月になると村全体が柚子の香りに包まれます。

収穫した柚子は「柚子酢」にし、各家庭で一升瓶に入れて常備するほど高知の生活に根付いています。

「柚子酢」とは、100%の柚子果汁のことで、柚子を搾った柚子果汁を「酢」として使用します。

柚子酢は刺身や豆腐に使ったり、田舎寿司の酢飯にも利用されたりと様々な料理のアクセントとして利用されます。

“のどごし”が違う。安芸漁港でいただく「おじゃこ」

「おじゃこ」とはしらすのこと。

高知県は全国でもトップクラスの水揚げ量をほこる県です。

安芸沖は稚魚が産まれる場所で、特にしらす漁が盛んな漁場です。

高知県で「おじゃこ」を味わうなら「安芸しらす食堂」がおすすめ。

中村さんにお話を伺いました。

「百聞は“一食”にしかずですよ(笑)」と促されるままに一口。

一口食してすぐわかりました。今まで食べてきたしらすと違うのは「のどごし」。

本来釜揚げしたしらすはパラパラとした食感がしますが、こちらのしらすはモチモチと水分が多く、するっと喉に落ちていきます。

そう伝えると

「そう。まさにのどごしなんですよ。安芸のおじゃこはのどごしが違うんです」とのこと。

そののどごしの秘密は、水揚げと加工がセットになっているから。

こちらで水揚げされたしらすは、同じ敷地内にある加工場で時間をおかずに、「釜あげちりめん」に加工。

生しらすを釜入れしてから出来上がりまで約10分という短さが、こののどごしを実現させているのだそう。

ゆがいたものをご飯にのせて柚子入りのポン酢をかけて食べるのが地元の方の食べ方。

10月後半から水揚げ量が増え、12月が1年の中でも特に美味しい季節になりますよ。

高知県伝統の味「なすのたたき」

「なすのたたき」とは、素揚げしたなすに焼きサバのほぐし身と大葉、にんにく、みょうが、ねぎなどの薬味をちらしてから、柚子の入ったポン酢をかけたもの。

高知では昔から日常の食卓で供されている料理のひとつです。

なす料理と言えばおひたしやお味噌汁の具材が頭に浮かびますが、薬味とポン酢がかかったなすのたたきはさっぱりとした味付けで箸が進みます。

高知県はなすの生産量が多く、現地の方もこよなく愛す食材。

高知県安芸市の農家さんを訪ね、高知のなすについて聞いてきました。

おいしいなすは自然に近い環境をつくることから

「生でかじってみてください。」

高知県安芸市のビニールハウスで声をかけてくれたのは、こちらで働く仙頭さん。

思い切ってかじってみて感じるのはなすの“甘さ”でした。

高知県は、温暖な気候で雨量も多く、さらには日照時間が全国トップクラスという、野菜がおいしく育つ環境が揃っています。

また、こちらのビニールハウスで育ったなすは、エコシステム栽培という方法で育てられたもの。

エコシステム栽培とは、自然に近い環境で育てる極力農薬の使用をおさえた栽培法です。

そんな取組もあって、病気になるなすも減り、おいしく実るようになったのだとか。

高知県内の食事処では定番の「なすのたたき」。高知に行ったら味わいたい一品です。 **********

今回ご紹介したのは数ある高知県の食の魅力のごく一部。

まだまだ高知県には“おいしい”食文化があります。

食旅にぴったりの高知県。

新しい食の感動に出会いに高知県に行ってみませんか。

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