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詰め込みは意味ナシ!? 子どもが心から勉強したくなる動機づけ3つ

  • 2014.11.27
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【ママからのご相談】

中学1年生の男の子がいます。小学生のころはそれなりに勉強していたのに最近は何回言っても勉強しようとしません。受験のためと言っても身が入らないようです。どうしたら自分から勉強をするようになるでしょうか。

●A. 「受験のため」は禁句! 勉強したくなるような話題を心掛けて。

ご相談ありがとうございます。「宿題だけはやれ」以外のことをほとんど言ったことがないフリーライターの川中利恵です。

自分もそうでしたが、勉強しろと言われてやる気になるものではありません。たいていが必要に迫られたり、興味のある分野でなければ勉強したりすることはほとんどないのではないでしょうか。

勉強とはそもそも新たな知識を得るために行うものです。小さな子どもが言葉を覚え、遊びのやり方を学習するのは、知りたいという欲があり、身に付けたことを生かす世界があるからです。現状で満足していれば、わざわざ勉強したいと思うことはないだろうと私個人は思っています。

●“勉強はできるのに嫌い”な日本の子どもたち

最近、子どもの学力が下がっているとよく言われていますが、実際は異なります。先進国を含めた世界42か国の小学4年生と中学2年生を対象にした学力調査『TIMSS 2011』によると、日本の子どもの数学の理解度は世界で5位、そして理科は世界4位と決して低くはなく、むしろ世界のトップレベルを保っていると言っても過言ではありません。

しかしその一方で、数学や理科の学習が、「楽しくない」「好きではない」と答えた子どもの数が、世界一だったのです。さらに数学や理科の知識を使う職業に、「つきたくない」と答えた子どもがおよそ8割いるという現状が浮き彫りになりました。

●嫌いなのに詰め込んだ勉強の結果はどうなる?

私たち親の世代もすでに受験戦争は始まっていました。「勉強をしなければいい学校に入れないよ」とある意味脅されて勉強してきた方も多いのではないでしょうか。しかし、その結果はどうでしょう。

2001年に科学技術政策研究所で行なわれた調査によると、「光と音はどちらが早いか」など、義務教育中に確実に習った自然科学分野の問題を34か国の成人に出題したところ、日本の成人の正答率はわずか51%であったという衝撃的な結果があります。私たちもまた、興味なく詰め込んだ知識はすべて抜け落ちていると思っていいでしょう。

つまり、受験のため仕方なくやった勉強は身につかず、将来に生かされることはないのです。

●親子の会話で子どもの知識欲を刺激する

ベネッセでは、自らの興味や関心による学習を『内発的動機づけ』、義務や強制、学習しない場合のデメリットなどをもとにした学習を『外発的動機づけ』と位置づけ、学習の質に着目した学習のあり方と保護者による働きかけの影響について調査しています。その結果、成績上位層の内発的動機づけが高く、さらには、保護者が内発的動機づけを高めるような支援をしているケースほど子どもの成績は相対的に高くなることがわかりました。

内発的動機づけが高い傾向のある子どもの過程で行っていた支援は以下の3ポイントです。

・社会の仕組みや歴史の出来事の背景を伝える

・算数/数学の考え方や解き方の面白さを伝える

・生き物や自然の素晴らしさ、不思議さを伝える

きっかけはドラマでもマンガでもニュースでもいいと思います。「勉強しなさい」と言う前に、日常から現在の学習内容と身近なことへの関連や、その背後に広がる広い世界を伝える努力をしてもいいかもしれません。いずれも道を歩きながら、テレビを見ながら、夕食時など、簡単にできることだと思いませんか?

それぞれの分野をもっと知りたいという興味を持たせることは、日常から始まるのです。

もちろんすぐに結果が出るわけではないでしょう。でも、子どもは興味を持ったとたん、スポンジが水を吸うように吸収してゆきます。好きなファンタジー作品を原文で読みたい。宇宙に基地を作りたい。そんな些細なことから、子どもの学習意欲は高まるのではないかと思います。

(ライタープロフィール)

川中利恵(在宅ワーカー)/IT系からインタビュー、コラムなど雑多なジャンルの執筆を手がける在宅ワーカー。21歳のときにデキ婚し、2児に恵まれるも26歳で離婚。以降、女手一つで子どもたちを育てつつ、現在に至る。都内開催の一人親家庭支援や在宅ワーク系セミナーで壇上に立つことも。子どもたちとは少し遠くから見守るスタンスで、それが結構面白い。ポリシーは、「やりたいことがあるなら時間を作ればいいじゃない!」

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