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モーと夢見とロビンと私について【新米ママ歴14年 紫原明子の家族日記 第2話】

  • 2016.11.22
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2回目の今日は、この連載の登場人物について、もう少し詳しく説明しようと思う。

まず、この日記には息子が登場する。息子は小さい頃から一部で“モーくん”と呼ばれていたので、ここでもモーと呼ぶことにしようと思う。実際、本人にそう呼びかけたところで「俺そんなあだ名で呼ばれたことないけど」と混乱すると思うのだが、この名前は私が大昔に書いていたブログの記事に由来している。

今や中学3年となり、立派にオッサンへのフォルムチェジを果たした息子だが、まだ2、3歳の、オムツを履いていたころ。ウンチ後にお尻を拭くときに、“牛さんみたいに四つん這いになって”というのを、わが家では“モー、して”と言っていたのだ。(いらぬ説明かもしれないけれど念のために、牛がモーと鳴くからだ)。

寝返りができるようになるのを皮切りに、オムツ替えって途端に格闘技になるが、歩き出すとなおさら大変で、じっとしている一瞬の隙に、手際よく済まさねばならない。そうじゃないと、下半身丸出しのまま伸びやかに走り出してしまうからだ。息子もご多分にもれず、一度“モー”をしても、数秒と待たずに四つ這いのまま走り出してしまう暴れ牛だったので、その様子を当時のブログにおもしろおかしく書いた。それがきっかけとなり、彼はネット上の一部の読者の方々に、モーくんと呼ばれるようになったのだった。……アメリカだったら訴訟されかねない。

で、同じブログの中で娘の方はというと、夢見、と呼ばれていた。

これは、まだ娘がお腹の中にいる頃、長男モーが決めた名前だ。「生まれてくる赤ちゃんはどんな名前がいいと思う?」と、当時3歳だった彼に何気なく聞くと「いい夢をたくさん見られるように、夢見がいい」とモー。

3歳ってそんなこと言ったかな、と今となってはちょっと驚くのだけど、確かにあのとき彼はそう言って、当時妊婦で、センチメンタル過剰だった私は、そんな兄の優しさにちょっと泣いて、それを早速ブログに書いて、それで娘は“夢見”になったのだ。

たまに勘違いされることもあるのだが、夢見は本名ではない。なぜ本名にならなかったかというと、父親が22歳、母親が18歳という年齢で勢いで結婚。その後も色々と無計画に生きてきた親から、さらに夢ばかり見る子供が生まれてきては命に危険があるのではないかという懸念が、名付けのときにどうしても払拭できなかったためだ。だが幸いにもここはインターネットの世界なので、何を気にすることもなく堂々と“夢見”と呼んでいきたい。

それから、わが家にはもう一人、というかもう一匹、ロビンという犬がいる。ロビンは、私とモーには文字通り尻尾を振ってすり寄ってくる愛くるしい犬だが、夢見については少し様子が違う。

「ママとモーくんが帰ってきたときには飛び着いて行くのに、私が帰ってきたときには、ちらっと目を向けるだけで一歩も動こうともしない」と、よく夢見が不満をもらしている。どうやらロビンは夢見を完全に自分より下位の存在、犬か何かであると考えているようだ。

ということで、この家族日記は、モーと、夢見と、夢見がちな娘にシビアな現実を見せつける犬のロビンと、そして私綾瀬はるか、じゃなかった紫原明子の4人の生活を綴っていくものである。

最後に、タイトルと文末のイラストについても少し説明をしたい。まず、タイトルの方のイラストを描いてくれたのは、中学3年生の天才イラストレーター、らく君だ。実は彼、息子の幼稚園時代の友人なのだが、最近になってすごい才能の持ち主だということがわかり、この連載のタイトル画像をお願いした。インスタグラムで毎日1枚更新されるイラストからは、日々溢れんばかりの才能を見せつけてくれているので気になる人はぜひフォローしてみてください。

らく君Instagram:rakufutty

また、毎回内容に添って描き下ろされる文末のイラストは、30歳のイラストレーター、ハイジによるもので、何を隠そうハイジは私の妹、且つ現在4ヶ月の赤ちゃんを絶賛子育て中の母でもある。子育ての合間にiPadでイラストを描いてくれるのだが、この原稿を描いている段階で、当初隔週だった更新予定が毎週に変更になったことを未だ伝えていないので、これを読んだらあの子どんな顔するだろう、ワクワクが止まらない!

イラスト:ハイジ

(紫原明子)

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