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秋の夜長にいかが?文豪たちが愛する人に読んだ「ラブレター」に胸キュン

  • 2016.11.12
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日が短くなり、なんとなく人恋しく感じる今の季節。いつもより長くなった気のする夜に、なかなか寝付けなくなってしまっている女性も多いのではないでしょうか?こんな夜は、大切な人に手紙をしたためたくなりますね。

今でこそLINEやFacebookなどのSNSが普及し、好きなときに手軽に人と連絡がとれますが、昔はそういったツールがありませんでした。そのぶん、今より「人を想う時間」が長く、手紙にして送る人が多かったのかもしれません。そこで今回は、言葉を巧みに操る文豪たちが大切な人へどのようなラブレターを書いていたのかを調べてみました!

■■芥川龍之介→婚約者の文ちゃんへ

文ちゃんを貰いたいということを、僕が兄さんに話してから何年になるでしょう。貰いたい理由はたった1つあるきりです。そうしてその理由は僕は、文ちゃんが好きだということです。もちろん昔から好きでした。今でも好きです。そのほかに何も理由はありません。

『羅生門』や『藪の中』などで知られ、芥川賞でも有名な芥川龍之介が、後の妻となる文へ宛てた手紙の一部。飾らない言葉でストレートに伝えている手紙ですね。本当に好きなんだなぁ・・・ということが読んでいて伝わってきます。

ちなみにこの手紙には「とにかく僕が文ちゃんを貰うか貰わないかということは、まったく文ちゃん次第で決まることなのです。(中略)ですから文ちゃんは、まったく自由に、自分でどっちもきめなければいけません。」という続きがあります。あの時代に、自分が好きだからというだけで嫁にくる・こないを押し付けるのではなく、文の気持ちを考えて選択させているというのが素晴らしいですね。

■■太宰治→心中する前に妻へ

美知様お前を誰よりも愛してゐました

こちらは、『人間失格』や『女生徒』でおなじみの太宰治が、愛人の富栄と心中する前に、妻である美知子に宛てた手紙です。愛人と死ぬくせに「誰よりも愛していた」なんて・・・と思ってしまいますが、それでも胸に迫るものがありますね。改行の仕方もなんともいえず、絶妙です。ちなみにこの遺書は9枚あり、心中をしなかったもう1人の愛人、静子へ宛てた手紙もあります。そこには「1番いいひととして、ひっそり命がけて生きてゐてください。コヒシイ」との言葉が。愛人と心中し、残った愛人と妻にはしっかりとラブレターを残す。なんだか、太宰治が多くの女たちを振り回す力をもっていたことが、わかってしまうような手紙です。

■■武者小路実篤→癌になった妻へ

僕は君を本当に愛している。このことは、ますます事実になる。本当に君を愛していたことを前からも知っていたが、今度ますます知った。本当にわかれて住むことはさびしい。

『友情』で知られる武者小路実篤が、晩年に癌に冒された妻へと宛てた手紙です。最後の1行がグッと胸に突き刺さりますね。男性が口にする「さびしい」のせつなさ・・・。ちなみに、武者小路実篤は妻が亡くなってから2ヶ月後に病気でこの世を去りました。ほんとうに、寂しかったんだろうなぁと想像させられます。

■おわりに

文豪たちが愛する人へ贈った、ラブレター。いかがでしょうか?言葉はその人の心に届き、生涯残り続ける最高のプレゼントです。なかなか眠れない夜にこそ、素直な気持ちを書き連ねてみてはいかがでしょうか?大切な人に想いを馳せる秋の夜長も、なかなか素敵ですよ。(小林リズム/ライター)

(ハウコレ編集部)

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