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眠気の重力にまぶたが完敗。意外と知らない“居眠り病”の怖い話

  • 2016.11.3
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夜はちゃんと寝たはずなのに、お昼前後になると強烈な眠気に襲われる……。運転中や打ち合わせ中で気を張っているつもりなのに、どうしようもない眠気を感じる……。もしそんな症状が長期間続いているのなら、それは“ナルコレプシー”かもしれません。ナルコレプシーは、世界的に見ると日本人の罹患率は高い病気です。割合でいうと世界平均は2,000人に1人なのに対して日本人では600人に1人という世界で最も高い割合になっています。

今回は、予防医療推進協会の理事長を務める筆者が睡眠障害の1つ、ナルコレプシーについてご紹介します。

 

■1:金縛りも!?ナルコレプシーの代表的な症状3つ

(1)お昼前後の強い眠気

ナルコレプシーの人は、朝は比較的普通に起きることができます。しかし、お昼前後になると、突然強烈な眠気に襲われて寝てはいけない運転中や大事な打ち合わせ中でも突然、眠りに落ちてしまうことがあります。5分から15分程度の仮眠をとることで、その後はスッキリしますが、このようなことが1時間から数時間ごとに繰り返されます。

(2)金縛り、幻聴

ナルコレプシーの特徴として、いわゆる“金縛り”や幻聴が寝入りばなや目覚める直前のレム睡眠状態の時に起こることが多く見られます。以前、筆者のクライアント様でも金縛りと同時に誰かの声が聞こえることが続き、霊的なものだと思ってお祓いなどを何度も受けたことがあるという人がいましたが、ナルコレプシーは脳の病気なので何度お祓いを受けても当然、改善されることはありません。

(3)カタプレキシー

泣いたり怒ったり、大笑いするなど大きな感情の揺れのあと、突然の脱力感に襲われるのがカタプレキシーという症状です。ナルコレプシーでもカタプレキシーの症状が起こる人と起こらない人があると言われています。

 

■2:ナルコレプシーのカギを握るオレキシン

ナルコレプシーに罹ると、脳の視床下部で働く睡眠や食欲、代謝に関わるオレキシンというホルモンが極端に減少し、測定不可能になる場合もあります。オレキシンは、何を食べたら増えるというものではなく、規則正しく食事をする、楽しく美味しく食べる、良く噛んで食べるという生活リズムによって分泌が促進されることが分かっているので、何を食べるか? ではなく“どのように食べるか”を気を付けることが大切です。

 

■3:ナルコレプシーに似た症状の出る病気

最も代表的な突然の強い眠気の出る病気は、ナルコレプシーだけでなく、うつ病や適応障害、統合失調症、睡眠不足症候群や睡眠時無呼吸症候群などがあります。いずれにしても自分では抑制できない突然の強い眠気に襲われることがあるので、運転中などに起こると非常に危険です。

 

いかがでしたか? 自分の生活を振り返ってみて、ひょっとしたら……と思った人もいるのではないでしょうか。そう思った方はぜひ、 早めに受診し生活習慣も見直すことをオススメします。

【参考】

ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン―日本睡眠学会
【筆者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ Antonio Guillem / shutterstock

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