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身体ナビゲーションVol.105「血糖値と気持ちの関係」

  • 2016.10.13

こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

身体ナビゲーションシリーズは前回から膵臓の働きについてご紹介しています。膵臓の『ランゲルハンス島』から分泌されるインスリンは、肥満や糖尿病、老化と大きく関係していますが、それだけではありません。

そこで今回はインスリンの働きによって起こる血糖値と気持ちの変化についてご紹介したいと思います。

●満腹時と空腹時の気持ちの変化

食事を取ると食物に含まれる糖質によって血糖値が上がります。

血糖値が上がると脳の報酬系と呼ばれる部分が刺激され、そこからドーパミンやエンドルフィンという脳内ホルモンが分泌されます。これが満腹時の幸福感やホッとした気持ち を起こします。

また時折、空腹時にイライラを感じる人もいますが、これは血糖値が下がったせいで、副腎からアドレナリンというホルモンが分泌され、イライラを引き起こしているのです。

ただしアドレナリンはイライラを引き起こすだけでなく、集中力を向上させる働きもあり、気持ちの変化は人によって変わってきます。

●甘いものを習慣的に欲しくなるメカニズム

甘いものを食べるとホッとするという人も少なくないでしょう。

これは先に述べたように血糖値の上昇により、脳の報酬系が刺激され幸福感をもたらすドーパミンやエンドルフィンといった脳内ホルモンが分泌されるためです。

しかし、空腹時にいきなり甘いものを取ると、急激に血糖値が上昇しホッとする反面、急激に上がった血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されます。

するとインスリンの作用によって血糖値は急激に下がってしまい、今度は血糖値を正常に戻そうとアドレナリンや抗ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが副腎から分泌され、また膵臓からはグルカゴンが分泌されます。

けれど、これらのホルモンによる作用よりも、甘いものを食べて再度血糖値を上げた方が早く気持ちが落ち着くため、習慣的に甘いものを欲するようになる場合もあります。

このように血糖値の急上昇、急降下を繰り返すうちに自律神経に乱れが起こり、アドレナリンが過剰に分泌されてイライラしたり、攻撃的になったり、また副腎に疲労が蓄積されて慢性的な疲労感に悩まされることもあります。

血糖値のコントロールは肥満や糖尿病、うつ病にも大きな影響を与えている ことが分かっています。食事をする際には食べる順番やバランスに気を付けたいものですね。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

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