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ワガママになる? 祖父母による育児が子どもの性格形成に与える影響

  • 2016.10.13
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こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。

世の中では、「祖父母に育てられると、甘やかされてわがままになる」などと言うようですが、祖父母に育てられたからといって、子どもの性格形成に問題が生じるということはあまりありません。

そもそも、祖父母と親では愛情のかけ方だけでなく、愛情に違いがあります。

それが、子どもにとって良い方向に向かうきっかけになることが多いのです。

●愛情の違いに目を向けましょう

対象の子どもに、同居している親がいて祖父母がいる(同居の有無は関係ない)という場合、祖父母が孫に対して向ける愛情と、親が子どもに向ける愛情には違いがあります。

・祖父母……無償の愛、無条件の愛(責任は伴っていない)

・親……無償の愛ではあるが、責任が伴っている

同居して子どものそばにいる親には、“子どもをちゃんと育てなくてはならない”という責任があります。

ただし、親が何らかの事情で子どもの養育をそばで行えない場合は、祖父母も親のように“無償の愛ではあるが、責任が伴っている ”という状態になります。

親が側にいないのですから、親と同様の責任を感じて育てることは当然です。しかし、無償の愛情が強い傾向にあることは変えられません。

●過保護にされるから子どもがわがままになる?

子どもが祖父母からたっぷりの愛情を受け取っていたからといって、わがままになるわけではありません。親にわがままを言うのには、理由があります。

それは、“親からの愛情が不足している と感じているとき”です。

子どもは、自分の口から思いを言うことができないことがあります。

親が家事・育児・仕事で忙しそうにしていたら、親に迷惑をかけないように、嫌われないようにと我慢をしてしまうことがあるからです。

子どもがわがままを言うのは、「自分に目を向けて欲しい」という愛情不足のサインでもあると考えていいでしょう。

どんなに祖父母から愛情を受けていても、やっぱり祖父母は祖父母、親の代わりにはなりません。親の愛情を欲しているということを忘れないで欲しいです。

「抱っこして」や「一緒にいて」とは素直に言えないことがほとんどです。

親に叱られてばかりだったら、「嫌われたらどうしよう」などと考え込んでしまって、言いたいこととは反対の行動を取ってしまう子どもが出てきます。

「抱っこして」や「一緒にいて」などと自分の欲求を強く言ってくれる子どもはわがままではなく、愛情欲求を素直に表現しているということです。

言葉にできず、我慢してしまう子もいますが、こういう子どもは『いい子症候群』になってしまうこともあります。

わがままの一部は、愛情を自分にかけて欲しくて言っている場合もあります。大事なのは、親が子どもをいっぱい愛してあげることです。

言葉やコミュニケーションを通して愛情を表してあげることを大切にしてください。

●祖父母による育児が子どもの性格形成に与える影響

子どもに対して責任を伴っている親は、愛情と厳しさを両方見せます。しかし、祖父母の場合は無償の愛です。

親から叱られたときに子どもは逃げ道がないと不安になります。それが何度も続く場合、心が不安定な状態になってしまいます。

でも、祖父母という逃げ場があると、子どもの心は安定して、自分の居場所を確保できるのです。

居場所があれば、親に叱られたことについて反省をすることもできますし、自分を見つめることもできます。

過保護に育てられれば、わがままで子どもにとって良くないと考えるかもしれませんが、立場の違う身内がいるからこそ、人格形成においては幅が出てくる ようになるのです。

・優しさを身につけられる

・あいさつの大切さを感じる

・ほめられることの心地よさを知る

・逃げ場があるので安心できる

・自分を見つめ直すことができる

こういった大切なことを子どもは覚え、性格形成に役立てていきます。

「人格に問題が出てくるのでは?」と過剰に心配する必要はありません。

●おわりに

子育てに祖父母が関わると、子どもの感情が豊かになり、たくさんの知識を身につけ、賢くなる と昔から言われています。

現代は、子どもの遊び方がゲーム中心になったり、欲しいものは何でも買い与える祖父母がいたりという生活環境になり、昔とは大きく変わってきています。

祖父母の子育てにメリットがあると思えない、と感じている人もいることでしょう。祖父母との育児への考えの違いから仲違いしてしまう話もよく耳にします。

でも、無償の愛をくれる身内がいるからこそ、子どもは自由に感情豊かに成長することができることを知っておいてほしいと思います。

【参考文献】

・『子育てハッピーアドバイス2』明橋大二・著

●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)

●モデル/神山みき(れんくん)

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