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悲劇は突然起こる! 流産・死産を経験した“天使ママ”たちの体験談3つ

  • 2016.10.4
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“天使ママ”とは、残念ながらこの世に生を受けることができなかったお子さんや、生まれることができても短い一生だったお子さんを授かったママたちのことを指します。

起きるトラブルの多くは流産や死産であるため、天使ママたちは大きな喪失感や無力感、深い悲しみを味わうことになります。

今回は、3人の“天使ママ”さんたちから、貴重な体験談をうかがうことができました。彼女らがどのようにお子さんと別れ、その悲しみをどうやって乗り越えてきたのか。そっと耳を傾けてみましょう。

●(1)初めての妊娠で初期流産。看護師さんは「泣いていいよ」と言ってくれた

『結婚してすぐ妊娠しました。6週目にはエコーでピコピコ動いている心拍も確認でき、喜びと感動でいっぱいになっていたのですが……その後、次の検診では心拍が確認できず、赤ちゃんが亡くなっていると告げられました。

まるで一気に奈落の底へ叩き落されたような感覚でした 。稽留流産だったので、赤ちゃんをお腹から掻き出す手術をしなければならないと告げられました。呆然としているうちに、看護師さんや事務の方がたくさんやってきて、あっという間に手術日が決まってしまいました。

手術までの1週間がとてもつらかったです。おなかの赤ちゃんは亡くなっているのに、体つきはどんどん妊婦さんらしく変わってくる 。つわりのような症状や、胸の張りを感じるたびに、どうして……と身を裂かれるような思いになりました』

初めての妊娠での初期流産。とてもツラい思いをされたでしょうが、どのようにして乗り越えることができたのでしょうか。

『とにかくたくさん泣きました。看護師さんたちも「泣いていいよ、遠慮しなくていいんだよ、悲しいことなんだから泣いて当たり前なんだよ」って言ってくれたので、入院中もずっと泣いていましたね。手術後も喪失感がひどく、抜け殻のようになっては涙する毎日でした 。

気持ちが変わったのは、手術の1か月後くらいですね。術後検診で先生が「とってもキレイな子宮だね。もう大丈夫だよ」って言ってくれたこと、そして次の生理が無事に来たこと。その2つにとても救われました。流産は悲しかったけど、体がちゃんと回復しようとしてる。そのことがとても心強くて、うれしかったです』(30代女性/妊娠8週で流産)

●(2)妊娠中期での死産。病院の温かい対応に救われた

続いて紹介するのはこちらのエピソード。妊娠中期で死産を経験された天使ママさんです。

『死産は本当につらいです。おなかの中ですでに亡くなっている子を、通常の分娩と同じように出産しなければならない のですから。

ほかの妊婦さんは大きなお腹で幸せそうにしているのに、私だけ死んだ赤ちゃんを生むんだという絶望感。入院後は痛い処置をたくさんされて、体も心もボロボロ。

赤ちゃんは出てきても当然産声を上げないし、誰 もおめでとうって言ってくれない 。上の子の時と全く違い、あまりにも静かな出産でした……立ち直れませんでした』

死産とは、妊娠12週以降に亡くなった赤ちゃんを出産することです。分娩室に入り、陣痛を経て出産しなければならないため、ママたちのダメージは計り知れません。

『心残りがないように、赤ちゃんの姿をこの目でしっかり見ました。信じられないくらい小さかったけれど、ちゃんと私や夫に似た顔立ちをしていた。かわいくてたまらなかった です。

病院の対応も、いま思えばとても温かでした。きれいな肌着を着せてくれたし、可能な限り私たち夫婦と赤ちゃんの時間を作ってくれました。普通に生まれた赤ちゃんと同じように手形や足型のスタンプ を取ってくれ、退院するときにプレゼントしてくれました。今でも大切な宝物として取ってあります』(40代女性/妊娠26週で死産)

●(3)突然の出血から完全流産。“天使ママ”たちのSNSに想いを書き連ねた

最後にお話を聞かせてくれたのは、長い不妊治療を経て妊娠した女性でした。

『治療のすえ、やっと授かった赤ちゃんでした。妊娠を継続するために毎週病院に通い、注射や点滴を受けたりしていましたが、ある日突然、強烈な腹痛とともに異常な出血 。あれよあれよという間に何もかもが出てしまいました。完全流産でした。

ちょうど私の母と一緒に家にいたときのことでした。私はトイレで半狂乱のようになり、泣きながら「病院に電話して! タクシー呼んで!」と叫んでいたそうです。

結局、タクシーがつくころにはもう手遅れ。病院に電話がつながっても、「そうなってしまったら、もうできることは何もない。 出た塊を可能な限り取って、明日持ってきてください」としか言われませんでした。

涙と鼻水でグジャグジャになりながらすくい取って、翌朝一番で病院へ。検査の結果、やはり流産であると診断されました』

この方の悲しみを救ってくれたのは、“天使ママ”たちが集うSNSで出会った仲間たちでした。

『“天使ママ”という言葉を知ったのは流産のあと。天使ママたち専用のSNSをみつけたので、そこに登録しました。そこには同じような経験をした仲間たちの体験談がたくさんあった ので、それを読みあさりました。

また、私自身もそのSNS上で自分の経験や想いを綴りました。自分のアカウントでは語れないことも、ここなら遠慮なく語れる。生まれることはできなかったけれど、私の大切な子どもです。そこに記録を書き残すことで、この子が生きていたという証をこの世に少しでも残すことができる…… そんな思いでした。

また、書いていくうちに少しずつ、気持ちを整理できました。元気が出てくると、ほかの天使ママさんたちとも交流できるようになりました。みんな同じ経験をして傷ついているのでとてもやさしく、本当に救われたのをよく覚えています』(40代女性/妊娠11週で流産)

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グリーフケアという言葉があります。これは、身近な人を亡くした悲しみを表現することで、その喪失を徐々に受け入れていくプロセスのことです。

悲しみは隠さず、思う存分泣いて表現することが大事。さみしくなったら空を見上げてみましょう。天使はいつだって、大好きなママのことをじっと見守ってくれているはずです。

●文/パピマミ編集部

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