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育児書にはない事実がココにある! はるな檸檬の「おもてたんとちがう」出来事に共感&涙する人続出!

  • 2016.9.29
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「明日からあなたはママです!」。そう言われて突然ママになれる人なんて、きっと誰一人居ないのかもしれません。これは、母業にかぎったことではありません。仕事で役職がついたり、経験したことのない業務を担当することになったり…。とにかく初めての仕事が自分に降りかかってくるのですから、不安になるのはごく自然なことです。

多くの女性たちから支持を得ている妊娠・出産エッセイマンガ「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」の作者・はるな檸檬さんも、妊娠が発覚したとき、喜びよりよりも

「やばい! お金はいくら必要? ついに始まるぞ…! ってかあたし、ちゃんと母親になれるの…?」

そんな不安が一気に訪れたとか。そして、何もかもが妊娠前に想像していたものとは違い「おもてたんとちがう」の連続だったのです。

■おもてたんとちがう1 笑顔でお腹を撫でるはずが、常に気持ち悪いってどういうこと!?

「妊婦さんって、微笑ましく大きなお腹をさすって買い物をしている幸せいっぱいのイメージを持っていたんですけど、私は何かしら食べていないと気持ち悪くなってしまう“食べづわり”がひどくって。自宅で作業している時は、しょっ中気持ち悪くなっちゃって『うおぉぉぉえっ』と大きな声を上げていましたね(笑)」。

とリアルに再現してくださったはるな檸檬さん。

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P16

妊婦にとって、気持ち悪くなるタイミングは予測不可能。しかし、はるなさんは周りに気を遣わせるのが申し訳なく、周囲に心配されても「まあ大丈夫です!」と答えてしまっていたと話します。

「妊婦になるって、“動物にかえる”ようなことだと感じました。普段の生活だったら、ちょっと頭が痛くなったら頭痛薬を飲む、寒気がしたら風邪薬を飲む…とある程度対処方法が決まっていて、そうすればほとんどの場合問題が解決できる。だけど妊婦は、一瞬先も分からない上に、対処方法もよく分からない。自分の状態が他の誰とも違うから、世の中にあるデータが役に立たない。とにかく目の前の事態に、瞬間瞬間で対応していかなければならない。それは、人間社会の常識を飛び出して、動物として振る舞うような感じでした。感覚で生きる、みたいな」。

確かに、妊婦さんの体調を定義することは難しい。安定期に入ればつわりがなくなる人は確率的には多いけれど、そうでない人も大勢いる。データはあくまでデータでしかなく、妊婦も胎児も一人ひとりが違う状況を迎えるのです。

■おもてたんとちがう2 大人なのにスケジュールが立てられない

朝になったら起きて、時間通りに出社して、夜は暗くなったら寝るなんて、大人には当たり前の毎日。

しかし、妊娠すると状況はガラリと変わってしまう。突然訪れるつわりやだるさに、猛烈な眠気…やろうと思っていた仕事も思った通りに出来ず、あらゆることが計画通りには進みません。

「寝たい時に寝て、お腹が空いたらおっぱいを飲んで…。子どもと一緒に過ごしていると、これが生き物としての本来の姿なんだなとは思いますが、私は毎日のスケジュールをしっかりと立てたい性格上、締め切りに追われながら仕事をしているのに、突然つわりが来るのはなかなか憂鬱な日々でした」。

■おもてたんとちがう3 本当にお腹切るの?

まだまだ「おもてたんとちがう」出来事が訪れます。それは逆子問題。これまでの人生で、ほとんど病気にかからず生きてきたからこそ「逆子もいつか治るだろう」。そう思っていたはるなさん。

しかし、何度エコーを見ても逆子、逆子、逆子…。最後の検診の日、あっさりと帝王切開で出産することが決まってしまうのです。

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P46

そして、ついに出産日当日。病室を出て手術台に上がるところから描かれた出産シーンは緊張感がリアルに描かれ、読んでいるこちらまでドキドキしてしまいます。

手術は無事終わり、ボロボロと涙を流しながら、わが子と対面。女の子だと思っていた赤ちゃんは、まさかの男の子だったのです。

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P55

おもてたんとちがう4 産後の自分はまるで別人

はるなさんは手術後の自分をこう振り返っています。

「体力の消耗がハンパじゃなくて放心状態でした。横にあるリップクリームを取るのも辛くて、まるで自分の体じゃないみたい。その事実にショックで『こんなに動けないんだ』と驚き、精神的に凹んでしまいました。とにかく悲しくて、手術後の体と出産後の胸の張りが痛くて、でもやらなければいけないこと、分からないことも膨大。そんな状況に恐怖を感じたんです」。

母になったのだから、あれも、これも、ちゃんとやらなきゃ…。そんな思いはあるものの、産後は心も体もその思いについていけないもの。初めての出産を経験した人の誰もが直面する悩みです。

「出産をした女の人が最終的に強くなる理由が良くわかりました。いちいち悲しんでいる暇がないからなんですよね。まるで修行だと思いました。しばらくすると痛みも悲しみも忘れちゃう人が多いらしいですが、私は絶対に忘れてなんかやりません…!」

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P85

おもてたんとちがう5 実の母は「並走者」ではなく「応援者」だった…!

そして、一番読者からの反響があったシーン、それは、娘を助けるべく宮崎から東京へ飛行機でやってきてくれた実のお母さんを、なんと3日でとんぼがえりさせてしまうというエピソード。

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P101

「手伝ってくれるのにどうして?」と思ってしまうけれど、実はこのシーンに共感する人はとにかく多いのです。

「例えば私がマラソン選手だとしたら、私は母に横で併走してくれることを期待していたんですね。必要となればすぐに『ハイ、水!』『ハイ、タオル!』と差し出してくれるようなイメージ。しかし、母の認識は全く違って、応援席からメガホン持って応援するつもりで来ていた、というか。もちろんご飯を作ってくれたし、助けてくれようとしていたのですが、私の期待とは違う、どこか第三者的な対応で。そこの認識のズレが喧嘩の原因だったと今は冷静に思いますが…当時は私もヒステリックになっちゃって」。

助けて欲しいのに、思うように助けてくれない。産後でホルモンバランスが崩れている中、言いたいことが言えてしまう身内だからこそ、苛立ちを隠せない人は意外と多いもの。

その結果、はるなさんは夫婦2人で育児をスタートすることになりました。しかし、眠れない日々は辛いものの、旦那さんと2人だけで必死に子どもに向き合っていくうちに、「模範的な母でいなければ」という気持ちは自然と消えていったのでした。

おもてたんとちがう6 わが子の可愛さにエクソシスト走り!

激動の妊娠・出産を経て息子さんも大きくなった今。

「子育ては楽しいですか?」と伺ってみると…

「もぉーーーー、かわいくてやばいんですよ。四六時中かわいくって!」

とさっきまでの話とは打って変わって顔がほころんだはるなさん。

そのかわいさは、ついついエクソシスト走りしてしまいそうなほどだそう(笑)

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」(新潮社) P115

「日に日にかわいくなっていって、最高の両思いだと思っています。それにしても、ボロボロ泣いていた時期を経て、こんなに幸せになっちゃうんだ、と自分でも驚きます」と話してくれました。

あんなに苦しかった日々も、子どものかわいさがここまで人を変えてしまうのだから、「子育てはとっても楽しい!」そう思わずにはいられません。そして、幸せな日々がやってきたからこそ、はるなさんは辛かった時期の気持ちを忘れず、これから妊娠・出産する女性へこんな想いを届けたかったと、「まえがき」に綴っています。

出産について描くのであれば、願わくば

泣いているお母さんの横で、肩を抱いて一緒に泣くような

そういうものを描きたい、と思いました。

出典:「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」

母になる道のりは、消して平坦なものではありません。それもそのはず、こんなにも「おもてたんとちがう」出来事が次々と訪れるのだから。「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」に描かれている、育児書にはないリアルな妊娠・出産記がそのことを教えてくれました。

(取材/ウーマンエキサイト編集部 石上有理)

「れもん、うむもん!――そして、ママになる――」

著/はるな檸檬(新潮社)

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