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ダイエットの大敵!?脂肪を蓄える「白色脂肪細胞」

  • 2016.9.18
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私たちのカラダの中にある脂肪細胞には、脂肪を燃焼させてくれる「褐色脂肪細胞」と、脂肪を溜め込んで肥満の原因となる「白色脂肪細胞」があります。ダイエットの敵ともいえる白色脂肪細胞に焦点を当て、性質や働きについて解説します。

カラダの脂肪の大半は白色脂肪細胞

細胞のなかには、脂肪滴と呼ばれる脂肪のかたまりをもつ脂肪細胞があります。白色脂肪細胞には大きな脂肪滴がひとつ、褐色脂肪細胞には中小の脂肪滴が多数あります。 実は、カラダの中の脂肪細胞はほとんどが白色脂肪細胞です。ダイエットに役立つ褐色脂肪細胞は首や肩甲骨などの周りにしか存在せず、加齢とともにその数は減少していきます。

肥大化した白色脂肪細胞の怖い影響

白色脂肪細胞には、内臓の位置を正常に保ち、体温を維持する働きがあります。また、食欲やエネルギー代謝の調整に関わるレプチン(※1)も分泌しています。 そして、白色脂肪細胞の中には、アディポサイトカインとアディポネクチンという生理活性物質が存在しています。

アディポサイトカインは糖や脂質の代謝を助け、アディポネクチンは糖尿病や動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。しかし、内臓脂肪が増加するとアディポサイトカインの分泌異常が起こり、悪い働きをするアディポサイトカインが多く分泌されるようになります。 なかでも、肥大化した脂肪細胞から多く分泌されるTNF-α・MCP-1・PAI-1は悪玉アディポサイトカインとされ、以下のようなリスクとなります。

PAI-1・・インスリンの働きを悪くし、糖尿病の発症リスクを高める

MCP-1・・動脈硬化の発症や悪化に関係が示されている

PAI-1・・血液を固まりやすくし、血栓ができやすくなる

これらの影響は、皮下脂肪よりも内臓脂肪で特に大きくなります。つまり、内臓脂肪型の肥満は、生活習慣病につながりやすいので注意が必要です。(※2)

白色脂肪細胞を程よくキープするコツ3つ

太り過ぎると、白色脂肪細胞が肥大化し、生活習慣病の原因となる悪玉アディポサイトカインを分泌してしまいます。ダイエットや健康を維持するために重要なカギは白色脂肪細胞を程よくキープすること。そのための3つのコツは以下のとおりです。

1.体脂肪率を適正に保つ

体脂肪率は、白色脂肪細胞の増えすぎや減り過ぎを知るバロメーターになります。年齢によっても異なりますが、男性は15~20%、女性は20~25%くらいが目安です。

2.褐色脂肪細胞を活性化させる

脂肪燃焼に役立つ褐色脂肪細胞を刺激し、活性化させるのも有効です。凍らせたペットボトルで肩回りをマッサージしたり、冷シャワーと温シャワーを交互に浴びたりしてみましょう。

3.有酸素運動を行う

酸素を取り入れながら行う有酸素運動は、脂肪燃焼に効果があります。ウォーキングやサイクリングなどを20~30分以上継続して行うのがおすすめですが、10分くらいずつの運動でも効果が出なわけではありません。時間が空いたらカラダを動かす習慣をつけるのがベストです。

白色脂肪細胞は減らしすぎても増えすぎてもカラダに悪影響をもたらします。白色脂肪細胞の良い部分をいかせるよう、適切な体脂肪率を保ち、運動を心がけてくださいね。

【参考】 (※1)e-ヘルスネット レプチン 〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-059.html〉(最終閲覧日2016/09/06) (※2)e-ヘルスネット 肥満と健康 〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-001.html〉(最終閲覧日2016/09/06) e-ヘルスネット 脂肪細胞 〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-034.html〉(最終閲覧日2016/09/06)

【執筆者】衞藤 敬子/管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。

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