1. トップ
  2. 恋愛
  3. ぼくとわたしの「ランドセルストーリー」 我が家の場合 :石野祐子

ぼくとわたしの「ランドセルストーリー」 我が家の場合 :石野祐子

  • 2016.9.13
  • 4887 views

聞くところによると、最近のランドセル予約のピークは夏頃なんだそうですね。早い段階で完売予約受付終了となるブランドもあるのだとか。

のんびり秋の終わり頃に選んでいた数年前とは何が違ってきているの? と驚いている時点で、すでにひと昔前感が否めない我が家のランドセル話になりますが、なにかしらのご参考になればと思い、お伝えします。

入学式の帰り道。初めてのランドセルが嬉しくて、はしゃぐ長男。

■子どもの好きな色のランドセルに

初めてランドセルを選んだのは8年ほど前の秋。長女の小学校入学を前に「そろそろ机とランドセルを買わないとね」と、たまたま家に届いていた『ベネッセ』のカタログを主人と見ながら相談。

長女:一年生のとき。 お気に入りのライトブラウンのランドセルで登校。

当時はブランド情報がまだそれほど流れていなかったことや、夫婦とも「軽くて丈夫なランドセルがいい」程度しかこだわりもなかったことから、あっさり長女にカタログから好きな色を選んでもらい注文しました。価格は5~6万円くらいだったと記憶しています。

そして、2度目のランドセル選びは4年後、約4年前の秋でした。相変わらずこだわりはないものの、なんとなく『土屋鞄』のカタログを取り寄せ、いちばんベーシックなタイプから本人の希望で色は黒に。こちらも価格は6万円くらいだったと思います。

長男:1年生のとき。 「本当にいいの?」と何度も念押しして選んだ、定番の黒のランドセルを背負って。

長女の時も長男の時も、いざランドセルを背負って学校に通い始めると、新生活に慣れることに親も子も必死で、ランドセルの使いやすさなどを気にかける余裕はなかったように思います。

そして学年が上がるにつれ、ランドセルのことはほとんど意識外に……。それでも長女のランドセルの色は少し珍しかったので、下校時に姿を見つけやすくて便利だなぁと思ったことはありました(その程度でした)。

■子どもたちにきいた「ランドセルの感想」は?

現在、中学2年生の長女にランドセルの感想を聞いてみたところ、小学1、2年のころの記憶にランドセルのことはあまり残っていないことから、「おそらく満足していたはず」とのこと。

3、4年になると好みが変わってきたため、「どうしてこの色を選んだんだろう?」と何度も思い、他のお友だちのランドセルの色を羨ましく感じたこともあったとか。5、6年になるとその気分も収まり、諦めも加わり、「ま、あと数年だし。愛着もあるし」と落ち着いた、ということでした。

これまでランドセルについて話したこともなかったので、今ごろになって思っていたことを初めて知りました(汗)。

右 長女:3年生のとき。「自分のランドセルの色が嫌だった」という。

仲良しのお友だちも同じようなことを言っていたそうなので、おおむね女子はこのような変遷を辿るのかもしれませんね。それに女子は選べる色のバリエーションが豊富なため、あれこれ思うことも多くなるような気もします。

ちなみに現在小学4年生の長男は、とくになんとも思っていない様子。ランドセルの色にこだわったところでと思っているのか、黒は多数派だしと思っているのか、女子とは意識が違うように感じます。

重さについては、長女も長男も「比べたこともないし、何も感じたことはない」と言っています。ま、当然のような気も。ただ、勉強道具をギッシリ入れたランドセルを持ってみて、「こんなに重いのか!」と私が驚いたことは何度もあります。

右 長男:3年生のとき。 男子は色の種類が少ないこともあってか、なにも気にしていないような……。

ランドセルについて、子どもから不満を言われたことは一度もありません。お恥ずかしながら長女においては、気づくともう小学生時代が終わっていたー!! というのが正直な感想です。6年間は長いようで、振り返るとやはりアッという間でした。

今でも長女と同じ色のランドセルを背負った小学生の姿を見ると、当時を思い出して懐かしく、ほんわかした気分になります。そういう意味でもランドセルは、やはり親にとっても特別なアイテムなんだと感じます。

■セカンドストーリーは、アフガニスタンで

卒業後、ランドセルをどうしようかと長女に相談したところ、予想通り「残しておいて!」との返事が。ただ、狭い我が家でランドセルを保存しておくのは厳しいものがあり、また、思い出の品をなんでもとっておくことが私は好きではないため、どうしようか思い悩んでネットで検索。

そこで目に留まったのが、国際協力NGO「ジョイセフ」の『想い出のランドセルギフト』というプロジェクトでした。

これはアフガニスタンの子どもたち、とくに女の子の就学に役立てるために、役割を終えたランドセルを寄贈するというもの。HPにはアフガニスタンの貧困の現状とともに、ランドセルを受け取った女の子たちが嬉しそうに勉強をしている写真などがアップされており、深く心を動かされました。

同じくらいの歳の子をもつ母親として、少しでも現地のお友だちが学校に通えるようになればいいなと思い、すぐに長女に相談。HPを一緒に見ながら説明したところ、自分のランドセルがどう役に立つのかが理解できたようで、「送ってあげる!」ということになりました。

未使用のノートや鉛筆、消しゴムなどの文房具をランドセルに詰めて寄贈。

6年間使ってきたランドセルと「さよなら」するときは、小学時代の長女とお別れするようで寂しく切なくなりましたが、このランドセルを背負ったお友だちが楽しく学校に通う姿を想像すると、しんみりした気分は一気に晴れました。

もちろん長男のランドセルも、同じようにアフガニスタンに送る予定です。だから長男には「大切に使ってね」と伝えています。

長女4年生、長男1年生のとき。 ランドセルがすっかり馴染んだ長女と、まだまだ重そうに見える長男。

今でもときどき、長女のランドセルはどんな子が使っているのかな? と考えることがあります。もう手元になく、思い出となったランドセルですが、遠い国で新たなランドセルストーリーが生まれているのかと思うと、ちょっとワクワクします。

これからランドセルが届くみなさんには、どんなストーリーが待っているのでしょう。6~12歳という、素直で可愛い時期をともに過ごすランドセル。楽しいことがいっぱいありますように! と願いを込めて、子どもに贈りたいですね。

・ジョイセフ https://www.joicfp.or.jp/jpn/

(石野祐子)

の記事をもっとみる