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お宅のだし巻き卵は京巻き? 大阪巻き?

  • 2016.9.13
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だし汁がじゅわ~っと口いっぱいに広がるあの卵料理。そう、日本人なら誰もが一度は食したことのあるだし巻き卵です。外国人にもよろこばれる日本食なのだそう。

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ところで、だし巻き卵と卵焼きのちがいはご存じですか? 調理法も味つけも、まったくちがいます。人に教えたくなる、ちょっとした日本の食文化を紹介します。

■だし巻き卵と卵焼きのちがい

だし巻き卵と卵焼き、どちらも卵を巻いた料理です。見た目は同じような形状をしていますが、ひと口食べると食感も風味も味もまったくちがいます。

だし巻き卵は、溶いた卵にだし汁をたっぷり入れて、銅製の四角い卵焼きの鍋で薄く焼きながら巻いたもの。口に入れるとだし汁があふれだし、卵と同じくらいだし汁も主導権を握っているような料理です。大根おろしを添えて食すことも多いです。

一方、卵焼きは、溶いた卵にしょう油や砂糖、塩などで調味し、卵焼き器で薄く焼きながら巻いたもの。だし巻き卵とちがって、こちらは純粋に卵がメイン。各家庭で味つけは異なり、しらすやネギ、チーズなどを入れて、いろいろなバリエーションが楽しめます。お弁当の定番おかずですね。

■京巻き・大阪巻きがあるってホント?

テレビドラマで板前さんが、だし巻きをつくっているシーンがあるとつい、手元を見てしまいます。

だし巻き卵の巻き方には二通りあって、鍋の向こうから手前へ巻くのが「大阪巻き」。逆に鍋の手前から向こうへ巻くのが「京巻き」といいます。大阪巻きが一般的といわれることが多いようですね。

京料理の板前さんに、京巻きのメリットを聞いてみたところ、「巻いていくときに巻いた卵自身の重さで巻きがしっかりしていて、しまった形の良いだし巻きになりますよ」とのこと。

二通りの巻き方のだし巻きを食べくらべてみたいものですね。

■だし汁は卵の倍量

だし巻きのだし汁の分量は、人、お店それぞれです。私が知る京料理の板前さんのレシピでは、卵3個に対して、だし汁は75cc。卵1個50gとして、だし汁は卵の重量の半量でつくるそうです。

素人がこの分量で巻こうとすると、味や見た目以前に、すぐに崩れてまったく巻けません。だし汁が多ければ多いほど、巻き方には熟練した腕がいります。プロでも至難の業、らしいですよ。

■関東は甘くて、関西はからい!?

関西では、調味料は薄口しょう油を少々、お好みで塩が入る程度。関東は、卵焼きに砂糖が入った甘い味が主流になっているせいか、だし巻き卵にも甘味を入れるお店もあるそうです。

ちなみに私は京巻き派。味もしょう油派です。

ふわっとした卵で出し汁を包んだ、あのおいしいだし巻きをぜひ、家庭でもチャレンジしてみてください。ただただ、ひたすら練習を繰りかえすのみです!

(今日子)

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