1. トップ
  2. 恋愛
  3. インター校がお手本!? “小学校への苦情”の申し入れを行うときの注意点

インター校がお手本!? “小学校への苦情”の申し入れを行うときの注意点

  • 2016.9.10
  • 59885 views

こんにちは、海外在住プロママライターのさとうあきこです。

夏休みも終わり、日本を離れてインターナショナル校や現地校に通わせている日本人家庭のお子さんが、日本国内の公立小学校での体験入学を終えて戻ってきました。

この時期、ママたちのあいだで盛り上がるのが「学校」の話題です。

特に、インター校では当たり前にできる“学校への苦情 ”の申し入れについて、日本の学校を経験して新たに知ったり感じたりすることが多く、毎年ちょっとした議論になるほどです。

学校の子どもへの対応について、親から教師側に対して意見や感想を抱くのは、日本在住で普段から日本の小学校へ通わせていようが、年に1度数週間の体験入学であろうが、変わりないはず。

ただ、その苦情を申し入れていいのかどうかで判断が違ってきます。

海外在住だからこそ、インター校と比べてしまうからこそ、気になり、驚くことも多いのも確かですが、その違いを知った上で、“日本の小学校に対する苦情のあり・なし ”についてまとめてみました。

●できるだけ我慢の日本式

「あれ?」と疑問に思っても、「え?」と戸惑いを覚えても、その場では飲みこんでおき、できれば我慢するのが多くの日本の学校スタイルのようです。

どうにも我慢ができないときだけ、それでもできるだけ角が立たないように注意を払って学校側に伝えていきます。

●些細なことでもすぐ一言のインター校

インターナショナル校にも個性があり、多少の違いはありますが、一般的に親たちはかなり自由に教師や校長、経営者などと意見交換を行います。

アポを取っていなくても、勉強や子どもに関することであれば、いつでも校長に声をかけることができる という気楽さから、疑問や苦情を抱え続けることはあまりありません。

●親の口出しがプラスになる場合

親が学校側に意見をするとき、それは子どものためにも学校のためにも「良かれ」と思っての行動であるはずです。

ただ、学校には学校の方針があり、子どもと一言でまとめるには多すぎる数十人から数百人単位の子どもたちがそこで学習しています。

そのため、親が意見をするにあたっては、それが自分の子どもを含めた子どもたちに大きく関係することであり、それが子ども(たち)に深刻な害を及ぼす可能性がある 、または大きなプラスになる 場合であれば、積極的に話し合いの場を作っていく価値があるでしょう。

具体的には、子ども周辺にあるイジメの兆候、不良行為の兆候、教師による体罰ややりすぎ行動、言い過ぎ発言などは見過ごすべきではありません。

これらは学校側が受け入れやすい“苦情”であり、対応も比較的しやすいため結果がプラスとして現れやすいようです。

●親の口出しがマイナスになってしまう場合

残念なことに、口出しをしたことで事態が悪化したり、真剣に取り上げてもらえない、無視されるなどで気分を害したり、学校や教師と親や子の関係にマイナスの影響を与えることもあります。

特に、学校の教育方針などへの口出しは学校側が嫌う傾向にあるので、よほどの問題がある場合を除いて個人で意見や苦情を上げるのは避けた方が無難です。

話し合いを持つ場合にも、単独ではなくグループやPTAなどを動かす とスムーズでしょう。

また、ほかの児童を名指しした苦情も慎重に行動する必要があります。

学校側は当事者ほどに事態を把握していない場合が多く、「そんなはずがない」といった軽い認識から相手方やクラス担任、同級生などに情報を流してしまうこともあります。

その結果、逆恨みを買うことも起こりえます。

十分な証拠を揃え、同じ考えの親や証人となる親とともに訴える方法を考えましょう。

●子どもが嫌がる場合も

子どものためにと考えてとった行動が、子ども本人の反発を引きだしてしまう例もあります。

特に友だちや教師といった人と人の関わりにおける問題は難しく、親に相談するのは“聞き役”や“味方”が欲しいからであって、必ずしも代わりに解決してくれることを求めているとは限りません。

学校側も必ずしも上手に対応できるとは限らず、かえって子どもの立場を危うくしてしまう こともあります。

また、親が子どもから聞きとった話でカーっと頭に血を上らせ学校へ駆けつけても、話し合いは成り立ちません。

親はまず冷静に状況を観察して把握すること、学校側に十分な対応力があるかどうかを見極めることが大切です。

場合によっては学校を超えた外部機関(相談機関)に持ち込むのも一つの手です。

●まとめとして

親から小学校へと苦情を申し入れるときには、“子どものため ”であることが大前提です。

結果として子どもにプラスにならなければなりません。

そのためには、親側が苦情の内容を冷静に受け止めて、学校側がその苦情を受け入れて、対策をとりやすい形で申し入れをするという気遣いも大切です。

特に小学校では勉強という見えやすいものよりも、人間関係という目に映りにくく形のないものでの問題が発生しやすいのが特徴です。その分、対応は難しくなりがち。

インター校に問題がないわけではありませんが、普段から気軽に学校側と会話ができる環境があるという点では、大きな問題が起こる前に対応してもらいやすいという利点があります。

苦情のあり・なしでの悩みを減らすには、日本の小学校でも学校と子どもと家庭という3本柱の距離をもっと近づける工夫 を互いにしていく必要があるのかもしれません。

【参考リンク】

・小野田正利 保護者クレーム問題を語る 教育インタビュー | 学びの場.com(http://www.manabinoba.com/index.cfm/6,10295,12,html)

●ライター/さとうあきこ(海外在住プロママライター)

の記事をもっとみる