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不妊治療もしたけれど…最終的に下した「産まない」選択

  • 2014.11.7
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不妊治療もしたけれど…最終的に下した「産まない」選択

不妊治療でもっとも難しいのは、なかなか授からない場合に“やめどき”を決めることかもしれません。この記事を読んでいる人の中にも、今まさに悩んでいる人もいることでしょう。今回は、不妊治療をやめ、「産まない選択」をした女性の体験談を聞きました。

●仕事がおもしろくなり、執着がなくなったAさんのケース

Aさんは38歳で離婚。前夫は家庭を築くというより自由に生きたいタイプで、子どもを持つことにも乗り気ではなく、その意識の違いが離婚の原因の1つにもなったそう。

「40歳で再婚し、すぐにタイミング療法(*1)で子づくりを始めたものの授からず、1年経った時点で人工授精(*2)に変更。それでも授からず、体外受精(*3)も試しました。でもやっぱりダメで、不妊治療をストップしたのは44歳の時でした。

治療をやめてもいいと思えたのは、仕事がうまくいくようになったからです。子どもが欲しくてたまらなかった時期って、今思えば仕事に行き詰まっていた時期だったんです。そんなつもりはなかったけど、心のどこかで、妊娠を、人生を変えるきっかけにしたかったのかもしれない。

年齢的に出産がいよいよ厳しくなる時期と、仕事が充実しだした時期が重なったのは、私にとってラッキーだったかもしれません。『子どもがいなくても人生を楽しめる、無理しなくていい』って、自然に思えるようになりました」

また、Aさんは治療をやめて精神的に楽になった、と言います。

「治療中は、期待と失望の繰り返しがつらかったし、不妊治療のことしか考えられなくなっていました。検査薬をたくさん買い込んで、生理予定日が近づくとトイレのたびにチェックしたりして。でも不思議なもので、治療から離れた今は、もう執着していません。急な出張があっても思い切り仕事ができるので、これはこれでいいかなと思っています」

●夫婦で旅行を楽しむことが生きがいのBさんのケース

Bさん夫婦は、旅行が趣味。結婚前から2人で毎年旅行に出かけていたそうです。

「でも、37歳から不妊治療を始めて、そんな経済的余裕はなくなりました。有名なクリニックに通って何度も体外受精をしたので、治療代がかなり負担になっていましたから。精神的にも旅行を楽しめなくなっていましたね。

このお金で体外受精ができるとか考えていましたし、妊娠しているかもしれないと思うと、温泉は良くないかもとか、この食べ物は大丈夫なのかとか、気になってしまって…」

Aさん同様、不妊治療中は、そのことしか考えられなくなってしまったという人は多いようです。

「治療をやめたのは43歳の時です。たまには旅行にでも、と誘ってくれた夫に『もし妊娠してたらどうするの!』と怒鳴ったところ、『そんな怖い顔をしているお母さんのところに、赤ちゃんも来たくないよ』って言われたんです。その時はひどい夫だと思って大泣きしましたが、その後、夫婦で何度か話し合って、治療をやめました。

今はまた、夫婦で旅行を楽しんでいて、老後は海外移住もいいかなって話してるんです。子どもや孫の心配がないぶん、身軽にどこへでも行けますからね」

●ペットと生活しながら“ゆる妊活”を続けるCさんのケース

完全に不妊治療をやめる人がいる一方で、「治療はやめても完全に諦めたわけではない」というCさんのような人もいます。

「タイミング療法、人工授精、体外受精、冷えとり、漢方薬、サプリメントなど、さまざまな不妊治療を行ってきたのですが、残念ながら授かりませんでした。私は、ズルズル続けるのはつらいと思っていたし、『治療をやめたとたんに授かった』という話もありますから、最初から42歳までって決めていたんです。

ただ、まだ可能性があるかもとは思っていて、卵子に良いというサプリメント療法だけ続けています。あとは、体を冷やさないように気をつけているくらい。赤ちゃんが授からなかったとしても、美容や健康のためにいいので、気は楽ですね」

子どもへの思いもありながら本格的な治療をやめるのは、勇気がいる決断だったのでは?

「治療をやめたのと同時に犬を2頭飼い始めたので、この子たちが癒やしになってくれている部分は大きいです。もちろん子どもとは違うけれど、夫婦2人だけよりはだいぶ違いますね。子どもは、できたらうれしいけど、できなくても大丈夫だと思えます」

今回、3人の女性にお話をうかがって、「子どもがいる、いないが女性の幸せを左右するのではない」と改めて気づかされました。

不妊治療をしていると「子どもを授かる」ことだけに意識がいきがちですが、授かってから子育ての大変さ、子を持つことの責任という壁にぶつかって悩む女性も多いでしょう。子ども以外の生きがいや楽しみを持つのは、子どもを授かっても授からなくても、大事なことなのかもしれません。

(*1)タイミング療法:エコーで排卵時期を測定し、タイミングを合わせて性交する方法。軽微な排卵誘発剤を処方されることもある

(*2)人工授精:精子を排卵時期に合わせて女性の膣内に戻す方法

(*3)体外受精:卵子を体内から取り出し、シャーレで精子と受精させて体内に戻す方法

<取材・文/島田彩子>