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犯人探しはNG!? 娘が同級生から“セクハラ”を受けているときの対処法

  • 2016.8.29
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先日『同級生から性的な発言をされ非常に困っている。どうしたらいいか』という中学生からの相談が新聞に掲載され、タレントの壇蜜さんが回答をつけて話題になりました。

壇蜜さんの回答は『悪ふざけは上手にあしらい、大人の余裕を見せつけましょう』という彼女らしいもの。 ネット上では賛否両論あり、ちょっとした議論にも発展しました。

この相談内容、年ごろの子どもを持つ親にとっては他人事ではありませんよね。もし自分の子どもが同級生からのセクハラにあっていたとしたら、あなたは迷わず対応できますか?

今回は、都内複数の学校でスクールカウンセラーとして勤務し、多くの事例にあたってきた臨床心理士のS先生に“同級生セクハラの対応策”についてインタビューしてきました。

●同級生によるセクハラは“イジメ”! 無視せず迅速な対応を

S先生によると、まず大前提として全員がおさえておかなければならないことがあるといいます。それはこの行為がれっきとした“イジメ”であるということです。

『同級生からの性的な発言やちょっかい。これは相手の嫌がる言動をし続けるという意味ではイジメの範疇です。校内で行われている場合は当然、生活指導の対象となります』

年齢的にこれくらいは誰でもすること、大げさに騒ぎ立てる必要はないのでは? という意見もあるようですが、それは間違い。お子さんから被害報告を受けたなら、迅速に対応すべき なのですね。

●まず伝えるべき言葉は「あなたが悪いわけじゃない」

被害を受けていることを子どもから打ち明けられたら、親はどう対処したらよいのでしょうか。S先生は次のように述べています。

『「自分が悪いから、そういった言動をされている」と感じる必要はない 。これを最初にお子さんに伝えてあげてください。性格や発育には個人差があるものですが、どのようなものであれセクハラをしていいという理由にはなりません』

被害にあうと、なにか自分に否があるのでは? と思い悩んでしまう子が非常に多いそうです。まずそこを正してあげましょう。

●可能な限り学校側へは報告しておくこと

さて、次に考えるべきことは“先生に伝えるかどうか”ですね。伝えることで、被害がより一層大きくなってしまうかもしれないと悩む親も多いようですが……。

『私は可能な限り伝えたほうがいいと思います。この問題の場合、悩みの深刻さを学校側に伝えておくのは非常に大切です 。また学校としても、相談してもらえれば加害側の子を教育指導することができます』

とはいえ、担任の先生が必ずしも頼りになるタイプとは限りません。その場合はどうしたらいいのでしょうか。

『担任にこだわる必要はないですよ。保健の先生やスクールカウンセラーも役に立ちます。伝える相手を決める際には、自分たちの感覚を信じること。その人は自分たちのことを本気で考えてくれるかどうか 、じっくり考え見極めましょう』

また、自分の子どもには次のようにアドバイスするといいそうです。

『「その行為をされて本当に困っている」ということを自分の力で誰かに伝えられればベストです。そのように後押ししてみてください。

もしも難しいなら、休み時間は友だちと過ごすように勧めてみましょう 。一人でいる子が狙われやすいのは事実です。女子同士が固まっておくだけで、男子からのセクハラはかなり減るんですよ』

●「何かあったの?」異変を感じたら必ず声をかけること

しかし、10代は何といっても難しいお年頃。恥ずかしさもあいまって、親にはなかなか打ち明けたがらない子も多いでしょう。

悩みをはっきりと伝えてもらえない場合には、どうしたらいいでしょうか。

『異変を感じてもスルーしないことですね。普段と違う様子に気づいたら必ず本人に「何かあったの?」と聞いてください 。親には詳しく話したくないし、助けて欲しいとは思わないけれど、知っていて欲しいという年齢です』

ちゃんと気づいているよ! という意味で、きちんと言葉に出して言ってあげることが重要なのですね。

●“うちの子応援団”を作ってみんなでバックアップ!

S先生によると、大人が対応に取り組むときにもチーム体勢を組むことが大切だそうです。

『子どもと同じように、親もひとりで抱え込んではいけません。普段子どもに関わる大人たちに、「うちの子、最近変だから注意して見ていて欲しい」とお願いしたり、学校での様子を聞いたりしましょう。そこから分かることはいろいろあります。

大人同士が連携して“うちの子応援団”を作るような意識 でいてください。周囲が協力する姿を子どもはちゃんと見ています。“うちの子応援団”が後方支援してくれている気配を感じれば、子ども側も大人に相談しやすくなるというものです』

●絶対ダメ! 子どもそっちのけでの“犯人探し”行為

最後に、親のNG対応について聞いてみました。

『親御さんが絶対にしてはいけないのは、“誰が悪いのか探し、犯人決めをすること” ですね』

子どもが被害にあっていると知ったら、そんなヒドイことをしているのはどこの誰だ! という気にもなってしまいそうなものですが……。

『中学校はコミュニケーションのあり方を学ぶ場でもあるんです。そして、中学生間で起きるセクハラは、主にその未熟さから来ている。これは悪い意味ではなく、男子も女子もこれから良い方法を知る段階であるということ。

子どもそっちのけで大人同士がケンカをしてしまうと、彼らが本来この問題を乗り越えて身に付けるべきだったコミュニケーション能力や問題解決能力を奪ってしまうことになりかねません』

セクハラ事案も、よりよいコミュニケーションのあり方を学ぶためのきっかけとして生かすことができるもの。大人はその学びを支える立場であるべきだ、とS先生はおっしゃいました。

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いかがでしたか?

全体を通して大切なのは、親が子どもの変化にどれだけ気付くことができるかなのかもしれません。

小さな違和感でもなにか引っかかるようであれば、無視せずに声をかけること。それが、親ができる一番最初のアクションなのでしょう。

●文/パピマミ編集部

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