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早乙女太一&友貴、憧れの舞台最後の上演で担う大役に感謝と喜び 互いに感じる表現者としての進化とは

  • 2026.11.7
(左から)早乙女友貴、早乙女太一 クランクイン! 写真:高野広美 width=
(左から)早乙女友貴、早乙女太一 クランクイン! 写真:高野広美

1990年の初演以来、7年ごとに進化を遂げ、演劇界にその名を刻んできた『髑髏城の七人』。壮大なチャンバラアクションで観客を熱狂させてきた伝説の舞台が、ついに劇団☆新感線での最後の上演を迎える。主人公・捨之介として、個性あふれるキャラクターたちの中心に立つのは、過去に3度シリーズに参加し、“ミスター髑髏城”とも呼ばれる早乙女太一。捨之介と深い因縁を持ち、カリスマ性と狂気をたたえた天魔王には、弟の早乙女友貴が抜てきされた。兄弟として、そして表現者として、ともに歩んできた2人。劇団☆新感線への憧れや、磨き上げてきた殺陣、互いに感じる変化まで、最後の“髑髏城”に挑む思いを語った。

【写真】無敵感あふれる!早乙女太一&早乙女友貴の2ショット!

◆憧れの舞台、その最後の上演へ

――本作は、織田信長亡き後の戦国時代を舞台に、それぞれの思惑が交錯し、複雑に絡み合う因縁を描く、壮大なチャンバラ・アクション時代劇。劇団☆新感線として最後の上演となる『髑髏城の七人』で、捨之介と天魔王を任された感想から教えてください。

太一:まず、とてもうれしかったです。2004年の『髑髏城の七人〈アオドクロ〉』で初めて新感線を観て、その時から『髑髏城の七人』という作品もそうだし、(当時、捨之介/天魔王を演じた松本)幸四郎(当時・市川染五郎)さんも、僕にとってヒーローのような存在です。そこから新感線の舞台をもっと観たいと思い、古田新太さんをはじめ、新感線に僕の中のヒーローがたくさんできました。そうした方たちが担ってきた役割を、自分が担えることへの喜びと感謝があります。そして自分たちがもらった夢や感動を、次の人たちにも届けられるようにできたらいいなと思っています。

友貴:僕も純粋に、とてもうれしかったです。僕も『髑髏城の七人〈アオドクロ〉』を観て、新感線に出会って。自分が観てきた作品の最後となる舞台に携わらせてもらえることに、感謝と喜びがあります。新感線の舞台に出演することが自分たちの目指していたものであり、実際にそこに携わらせていただけるようになって。年月を経て、2人で『髑髏城の七人』に出られるというのはとてもうれしいことです。そして捨之介という主役として真ん中に兄貴がいることも、とても感慨深いです。

――今回が劇団☆新感線として最後の『髑髏城の七人』となります。太一さんは、その舞台に主演として立つことに特別な覚悟はありますか?

太一:新感線として最後の『髑髏城の七人』になると聞いて、ついに終わりを迎えるんだなと感じています。自分が舞台の真ん中に立つとなると、「お客さんが入るかな?」という心配も出てくるものですが、『髑髏城の七人』は作品自体がすでに多くの人に愛されているので、そこはあまり心配しなくても大丈夫かなと思ったりもして。自分が主演を務める舞台で、お客さんにたくさん来ていただくことは、目標として掲げていることでもあります。そんな『髑髏城の七人』の真ん中を任せていただけたことは、本当にありがたいなと思っています。

友貴:最後の『髑髏城の七人』になると聞いて、最初は「そんなはずはないだろう」と思いました。改めて正式にお話をいただいた時に、タイトルに『LAST STAND』と付いていたので、本当に終わるんだ、最後なんだなと。寂しい気持ちもありましたが、それと同時に最後の機会に滑り込めて、『髑髏城の七人』をやることができて本当によかったなと思っています。感謝の気持ちでいっぱいです。

◆捨之介と天魔王、2人が挑む新たな戦い

――太一さんは、今回で『髑髏城の七人』への参加は4回目となります。憧れだった『髑髏城の七人』に実際に飛び込んだことで、ご苦労されたことはありますか。

太一:今はどこか自分の中で吹っ切れていて、すごく新鮮に挑めていますが、特にステアラ(IHIステージアラウンド東京)では、以前作ったものを超えられるだろうかと考えたり、この期間にさまざまな方が同じ役を演じるとなると、どう変化をつけたらいいんだろう、どうやって自分としての表現を入れていこうかなど、いろいろと悩んでいました。たくさん考えて、作り上げていった舞台だったように感じています。

――『髑髏城の七人』で蘭兵衛と天魔王を演じられてきた太一さんは、これまでいろいろな捨之介を目にしてきたと思います。ご自身では、どのような捨之介を演じたいと感じていますか。

太一:まずは、いのうえさんの演出から多くのことを吸収したいと思っています。そして、蘭兵衛や天魔王と違って、捨之介は自分から思いを発信するというよりも、みんなの思いを受け止め、それを背負って最後の髑髏城へと向かっていく役どころです。だからこそ捨之介同様に、僕も「こうやってやるぞ!」と気負わずに、周りの方々と向き合うことを大事にしていきたいです。また『髑髏城の七人』はこれまでいろいろな変化を遂げてきましたが、今回はベーシックと言いますか、原点回帰を目指すような気もしています。そこを念頭に置きながら、自分なりのニュアンスを掴んでいきたいです。

――友貴さんは、どのように天魔王を演じたいですか。

友貴:僕もいのうえさんから「なるべく、ベーシックで王道の『髑髏城の七人』をやりたい」というお話を聞きました。だからこそ、人間味のある、まっすぐな天魔王を演じても面白いのかなと思ったりもしています。いのうえさんからは「まずは好きにやってみていいよ」というお話もあり、それを試しながら、壊し、また再生させていくという作業になると思います。稽古をしながら生まれてくることを大切に、試行錯誤していきたいです。

――お互いから見て、太一さんの捨之介にはこんな姿を期待したい。友貴さんの天魔王にはこんな姿を期待したい、ということはありますか?

太一:僕は一度、天魔王を演じさせていただいたことがあるんですが、その時はまず福士蒼汰くん演じる捨之介がいて、それに対してどういう天魔王を演じるかということが大事になりました。でも今回はそういった縛りはなく、いのうえさんもまず自由に演じることを望んでいるような気もしています。自由に演じながら、どのような天魔王が登場するのか楽しみにしています。

友貴:おそらく、これまでの捨之介の中では一番体が動くと思うので。百人斬りのシーンを10分くらいやってもらいたいです。

太一:それをやったら、天魔王と戦えないよ(苦笑)。

友貴:百人斬りというのは、『髑髏城の七人』の大きな見せ場の一つでもあります。いのうえさんは、兄貴だからこそ思い切りやらせたいと思っているんじゃないかなと。僕も同じ気持ちで、10分くらいやってもらって、ヘトヘトになったところに天魔王として出ていきたいなと思います(笑)。

太一:絶対に勝てない!(笑)

◆兄弟で磨いてきた殺陣、互いに感じる表現者としての進化

――お二人の殺陣はドラマ性と迫力にあふれ、熱気と美しさを兼ね備えています。これまでどのように技術を磨いてこられたのでしょうか?

太一:殺陣はすべて、新感線に教えていただきました。17歳の時に初めて新感線に出させていただき、そこで見たものや教えてもらったものを、自分の劇団に持ち帰っては、我が物顔で友貴や劇団員のみんなに「こうやってやるんだぜ」「これカッコいいだろ」とやっていたんですね。どんどん取り入れながら、今度はどうやって自分たちの色を出したらいいのかと劇団で試してみたり。そうやって学んでいったというところが大きいです。新感線の殺陣は、僕がそれまでやってきたものとはまったく違い、見ているだけでは真似しようと思っても真似できない。教わって初めて、「こういうトリックだったんだ」とマジックの種明かしをされているような感覚でした。

友貴:兄貴から聞いたり、教えてもらったりしながら、僕も17歳の時に新感線に初めて出させていただいて。実際に中に入ったことで、いろいろなことを学ぶことができました。僕たちの今の殺陣があるのは、すべて新感線のおかげです。

――これまで兄弟として一緒に過ごしてきたお二人だからこそ、こんな捨之介と天魔王を見せられるのではないかと感じているところがあれば教えてください。

太一:僕が天魔王を演じた時もそうなんですが、捨之介と天魔王の戦いは、クライマックスのドラマ性はもちろん、ギミックや仕掛けもたくさんあって、決してシンプルなものではないんですね。お芝居のドラマ性とアクション、そしてギミック。そのすべてが必要になるからこそ、僕たち2人ならこれまでにないレベルまで到達することができるかもしれない。アクションにおいても、ただカッコいいとか速いということではなく、刀と刀がぶつかる瞬間に、それぞれの思いが見えるようなものを作り上げることになるので、捨之介と天魔王の攻防、殺陣のドラマをもう一段引き上げるようなものができたらと思っています。

友貴:クライマックスでは、捨之介と天魔王ががっつりと戦うことになります。稽古が進んでみないとどのようになるかは分かりませんが、おそらくこれまでとはまた違う展開もあったりするので、僕自身もとても楽しみにしています。僕ら2人だからこそ、変に気を遣わずにやることができる。そのぶつかり合いを見せられたらと思っています。

――自分たちの原点であり目標だというほどに憧れていた『髑髏城の七人』。その“LAST STAND”に、兄弟揃って捨之介と天魔王として出演するところまで辿り着きました。どのように歩んできたからこそ、今の自分があると感じていますか。

太一:周囲を見渡したり、いろいろな人の思いを受け取ったりできるようになってきたのかなと思います。若い頃は、どうしてもまずは「自分がどうするべきか」という、自分自身との戦いがものすごく大きかった。今もその戦いがなくなったわけではありませんが、以前よりも少し余裕が生まれて、作品全体のために何ができるかを考えられるようになってきました。

友貴:自分たちがやることに対して、常に追求する姿勢を忘れずに歩んできたように思います。そのきっかけをくれたのも、新感線です。殺陣やお芝居、舞台の作り方など、ただカッコいいものを見せるだけではなく、一つ一つに理由がある。その奥深さに気づかせてくれた場所です。

――表現者として、お互いの魅力をどのように感じていますか。

友貴:最近は、うちの劇団朱雀で、兄貴が演出も手掛けています。そういった意味では、お芝居をしている中でも、やり方が変わったというか、作品全体を見ながら演じている印象がすごくあります。今年の朱雀では3年ぶりに一緒に舞台に立ちましたが、自分にフォーカスするというよりも、全体像を見ながら挑んでいる。表現者として、視野がすごく広がっているなと感じています。

太一:友貴は、自分がどこに身を置くべきか、何が足りていないのかを考えるバランス感覚が、どんどん磨かれてきていて。朱雀でも、攻めるところは攻め、引くところは引き、支えるところはしっかりと支えてくれる。新感線でも他の人たちのお芝居を見ながら、教えてもらいながら、刺激を受けて高め合ってきたのかなと思います。朱雀ではどこか演出家としての目線で見ているところもありますが、新感線では、一役者として友貴と向き合える。そういった場所で戦えるのは、とてもうれしいことです。役者同士として、ぶつかり合えるような戦いができたらと思っています。

(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

2026年劇団☆新感線46周年興行・冬公演 いのうえ歌舞伎『髑髏城の七人 LAST STAND』は、11月14日~12月25日東京・新橋演舞場、2027年1月21日~24日長野・ホクト文化ホール、同年2月8日~14日石川・金沢歌劇座、同年2月25日~3月11日大阪・フェスティバルホールにて上演。

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