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バレンシアガ、ピエールパオロ・ピッチョーリが約16カ月で退任

  • 2026.11.6

Balenciaga(バレンシアガ)のクリエイティブ・ディレクター、ピエールパオロ・ピッチョーリが退任する。親会社ケリングがフランス時間11月5日に発表し、新たなクリエイティブ体制を近く明らかにするとした。ヴァレンティノで25年を過ごした名クチュリエのバレンシアガ時代は、就任から約16カ月で幕を閉じることになった。(フロントロウ編集部)

ケリングは敬意を表明、ピエールパオロはチームに感謝

ケリングは声明で、バレンシアガのクリエイティブ・ディレクターを務めるピエールパオロ・ピッチョーリの退任を発表。ケリングのルカ・デ・メオCEOは、ピエールパオロを「卓越したクチュリエであり、私たちが最大限の敬意を抱くクリエイターです」と評した。

そのうえで、バレンシアガの前衛的な精神と豊かな歴史を大切にしながら、創造性の限界を押し広げ、ブランドの存在感をさらに高めていく考えを示している。

バレンシアガのジャンフランコ・ジャナンジェリCEOも、ピエールパオロがメゾンの原点であるクチュールをあらためて示したと評価。「その献身と寛大さ、協力に心から感謝します」とコメントを寄せた。

ケリングの発表には、ピエールパオロ本人のコメントは含まれていなかった。米Vogueによると、その少しあと、ピエールパオロは自身のInstagramに、パリのジョルジュサンク通りにあるクチュールサロンでの写真と、2026年秋冬クチュールの舞台裏を投稿した。

投稿には、クチュールへの思いや、ともに歩んだチームへの感謝をつづった長文も。「それでも、輝き続けて。いつまでも」という言葉を添えている。

デムナの後を継いだ約1年4カ月

ピエールパオロの就任が発表されたのは2025年5月で、実際に役職に就いたのは同年7月10日。約10年にわたってバレンシアガを率い、グッチへ移ったデザイナーのデムナの後任だった。

2025年10月にパリで披露したデビューコレクションでは、創業者クリストバル・バレンシアガのアーカイブを再解釈。英王室のメーガン妃がアイボリーの特注ルックでサプライズ出席したことでも話題を集めた。一方、2026年3月に発表した2度目のショーについては、評価が分かれた。

同年7月には、バレンシアガで初めて手がけたクチュールコレクションを発表。会場にはパリ14区の国際大学都市の庭園を選び、昼間に屋外でショーを行なった。ピエールパオロは米WWDに「いまの時代とつながったクチュールにしたかったのです」と説明し、庭園で見せることで、クチュールをより現実の生活に近づけようとしたことを明かしている。

レッドカーペットでも、そのクチュールの技が存在感を放った。シンガーで俳優のアリアナ・グランデが着たピンクの特注ドレスや、俳優のデミ・ムーアが審査員を務めた2026年のカンヌ国際映画祭の閉幕式で披露した装いなど、セレブの華やかな場面を彩ってきた。

業績が厳しい局面での退任、ブランドの方向性にも注目

今回の退任発表は、バレンシアガの業績が厳しい局面を迎えるなかで行なわれた。米Vogueが紹介したモルガン・スタンレーの推計によると、2025年の売上は約14億7,000万ユーロで、前年の約16億5,000万ユーロから減少した。これらはケリングが公表したブランド別の売上ではなく、金融機関による推計値だ。

同誌によると、ケリングはバレンシアガについて、2026年の第2四半期、第3四半期ともに厳しい状況だったと説明。バッグでは好調な商品がある一方、服と靴は苦戦しているという。ただし、公式声明では退任の理由は明らかにされていない。

米WWDは、ケリングがバレンシアガを、デムナ時代のような、より尖りのある、ロマンチックさを抑えた方向へ戻したい考えだと伝えている。これは同誌の報道であり、ケリングが公式に発表した方針とは区別する必要がある。

ケリング傘下では、サンローランとアレキサンダー・マックイーンでもデザイナーの退任が続いており、米Vogueの報道時点で、それぞれの後任は発表されていない。

ピエールパオロのバレンシアガでの最後のショーとなったのは、2026年10月にパリで披露した2027年春夏コレクション。クチュールを軸に新たな解釈を示してきたメゾンは、約1年4カ月で再びクリエイティブ体制の転換を迎える。

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