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堤真一&濱田崇裕、映画化もされた話題作で初共演 2人が語る海外の演出家とタッグを組む面白さ

  • 2026.11.5
(左から)濱田崇裕、堤真一 クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P. FLAG inc) width=
(左から)濱田崇裕、堤真一 クランクイン! 写真:米玉利朋子(G.P. FLAG inc)

堤真一と濱田崇裕がダブル主演を務める舞台『グレンギャリー・グレンロス』が11月に幕を開ける。アル・パチーノ、ジャック・レモン、ケビン・スペイシーという名優により映画化(邦題『摩天楼を夢みて』)もされた本作で初共演を果たす2人に話を聞くと、関西人同士テンポあふれるインタビューが繰り広げられた。※濱田崇裕の「濱」は異体字が正式表記

【写真】カッコよすぎ!堤真一&濱田崇裕、インタビュー撮りおろしショット

◆業界用語も多い作品をどう観客に届けるか

『グレンギャリー・グレンロス』は、1983年にアメリカの演劇界を代表する劇作家デヴィッド・マメットによって発表された戯曲。シカゴを舞台に、アメリカンドリームを夢見て不動産業界でしのぎを削る男たちの壮絶な顧客争奪戦とリアルな人間ドラマを描く。

日本と海外のクリエイターとの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画、DISCOVER WORLD THEATREシリーズの第17弾として、ロンドン・ウェストエンドをはじめとする名だたる劇場でキャリアを積む、新進気鋭の演出家ジョン・ハイダーを迎え、鈴木浩介、前川泰之、岩瀬亮、小松和重、池内博之ら個性豊かな実力派キャストが顔をそろえる。

――本作のオファーをお聞きになった時のお気持ちはいかがでしたか?

堤:また呼んでいただいてありがたいなと思いました(編集部注:堤はDISCOVER WORLD THEATREシリーズには7作目の出演)。脚本を読んで、ちょっと「ん?」と思いましたけど。難しいなぁって(笑)。

濱田:難しいですよね(笑)。僕はお話をいただいてびっくりしました。こんなそうそうたる皆さんの中に入れることがうれしいです。緊張するよな…と思いながらも、こんなチャンスはないので、一緒にお芝居ができる喜びを感じました。

――映画化もされた本作ですが、台本を読んでの感想はいかがでしたか?

堤:不動産会社の営業マンの競争を描くので業界用語も多い中、映画は役者の芝居や魅力だったり、場面ごとに場所を変えて作ったりと、分かりやすくなっているんですけど、舞台ではそれができないので、これをどうお客さんが受け止めてくれるのかなと感じました。登場人物の関係性や組織の仕組みなどすぐには理解しづらいと思うので、物語の入口にどう上がらせていくのかなと。映画のようにリアルなテンポで会話していくよりは、セリフを置いていくところはちゃんと置いていかないと理解しにくいのではとも感じたので、そのあたりを演出家がどうやっていくのかなと思いました。英語ではすぐ分かることが、日本語になると分からない部分もあると思うので、これを日本でやるのは大変だなという気がしています。

濱田:こういう作品に出演させていただくのが初めてなので、本当に難しかったです。『プロデューサーズ』という舞台に出演させていただいた時も海外の演出家さんだったのですが、英語でしか表現できないことを日本語で表現していくのに稽古でも苦戦しました。「日本だとどういうふうに笑いになるのか教えてほしい」と言われて、みんなで「こういうことですかね?」と作っていったんですけど、これが正解なのかどうなのかみたいなのを繰り返していったんですよね。今回は業界用語も入ってくるので、どういう風に表現していくのか楽しみです。

今、長ゼリフを覚えている最中なんですけど、「僕は一体何を言ってるんだ?」って思いながらやっていて(笑)。

堤:分からなくなるよな。

濱田:そうなんです。なんとか理解しつつセリフを体に落とし込んでいるんですけど、目の前に人がいてお芝居していくと随分変わると思うんです。その時に自分の表現がどう変わるのかも楽しみですね。

◆営業マン適性のないふたり 役への共感に難しさ

――演じられるレヴィーン、ローマというキャラクターはどんな人物だと捉えられていますか?

堤:映画ではジャック・レモンが演じた役ですが、自分が演じるとなったらだいぶ違う感じになると思います。それは意図的に変えるということではなく、ジャック・レモンのレヴィーンは年を取ったかわいそうな男が一生懸命やっているイメージでしたけど、僕が演じたらたぶん最初はかわいそうには見えないと思うんですよ。「俺はこれだけのことをやったんだ!」と過去を持ち出してくる嫌なやつに見えると思うんです。どんな芝居でもそうですけど真似をする必要もないし、あの雰囲気を出せと言われても無理な話なので、自分なりのやり方になるだろうなと思います。

濱田:ローマはアル・パチーノさんが演じた役で、僕とは年齢も違えば、雰囲気や貫禄も違うんですけど、言葉を巧みに操って頭の回転が速い人物だと思いました。「この役、僕にできるかな?」と不安もありますが、楽しみでもあります。

台本を読んでいて、「口、悪いな~」と思いました。ちょっとした本性が見えた時に、「口、悪っ!」って(笑)。これが本来のローマでもあるけど、その中に隠している何かがあって、どれが本当のローマなんだろう?と思いましたね。共感っていうのは難しいです。今まで僕が会ったことのない人間なので、この人の過去を掘っていくのは難しそうだなと感じました。

――堤さんは、レヴィーンに共感する部分はありますか?

堤:まったくないですね(キッパリ)。サラリーマンの世界を一切経験したことがないんですけど、レヴィーンのような立場だったら、僕はたぶんすぐ辞めてると思うんです。生活もあるだろうけど、辞めて何か別のことをするだろうなって思う。

若い頃からこれしかやっていなくて潰しが利かないっていう意味では、僕も役者しかやってきていないので「これを辞めてどうやって食っていくの?」という点では似ているかもしれないですけど、僕、いつでも辞めていいかも、役者(笑)。

濱田:ええ! ダメですよ!!

堤:そう思ってるから、余計にこの人のことが理解できないんですよね。東京に出てきて本当に食えなかったけどそこまで苦痛じゃなかったし、逆に上を見るしかないっていうことが楽しい部分も多かった。この年になってクビになりそうで焦りがあるというのは分かるけど、なかなか理解することが難しいんですよね。

――ご自身の中に、営業マンの適性はないと思われますか?

堤:全くないですね、だから困るんですよ。

特にこの話の場合、要はろくでもない土地をなんとか売ろうと努力するわけじゃないですか。いい商品を作ったから、いい場所だからぜひ!と売り込みに行くんじゃなくて、お金もないような人にろくでもない土地をどうやって騙して買わせるかっていうことでしょう。それって僕には絶対にできないと思うんですが、きっとそうやって生きてる人は世の中にいるんですよね。

濱田:僕も営業の適性はないですね。経験してきたことがない人生ですし、台本を読んで、なんでそういう思考になるんだろうと思いながらも、こういう人もいるんだと落とし込んでいかないといけないなと思ってます。

◆海外の演出家とのタッグは「一緒に作っている楽しさがある」

――今回、ジョン・ハイダーさんが演出を務められますが、海外の演出家とタッグを組む面白さはどんなところにありますか?

堤:最近は違うだろうけど、僕が若いころは、演出家は先生で僕たちは生徒みたいな感じで、演出家の目指す答えに応えようとしがちだったんです。でも海外の演出家の多くは、一緒に作っていって、「君がこう作っていくんだったら、こうリードしていこう」という感じなんですね。一緒に見つけて行って、一緒に作っている楽しさがありますね。

デヴィッド・ルヴォーの場合は最初はもうすごかったんですよ(笑)。怖いし、今は丸くなったからいいけど、もう僕なんかビビりまくってましたからね。でもそれは僕の姿勢だったんですよね。デヴィッドが答えで、その答えに応えようとすることが違うということに気づいていなかった。それが分かり出してから、すっといろいろできるようになったかな。

濱田:『プロデューサーズ』でご一緒させていただいたジェームズ・グレイさんも同じ感じでした。「(役のイメージと)ビジュアルも年齢も全然違ってごめんなさい。近づけるのは難しいです」と顔合わせで言った僕に、「違うよ。これはこのメンバーで作る作品なんだからまったく気にすることはないし、あなたが思う、あなたの役を一緒に作っていこう」と言われて。今回ジョン・ハイダーさんがどういうふうに演出されるのか、楽しみですね。

――お二人は初共演ですが、印象はいかがですか?

堤:同じ関西出身なので、入りがすごく楽な部分がありますね。

濱田:小さい頃からいろんな作品で観て育って、一度共演させていただきたかった俳優さんなので、こんなに早く共演が叶ってびっくりしましたけど、本当にうれしいです。

――今回大阪公演もあります。

堤:大阪は食べ物がおいしいですからね。お客さんも作品を楽しみに来てくださっている感じで、すごく反応がいいですし。

濱田:関西の人たちとしゃべると落ち着くんですよね。大阪に着いてタクシーで移動すると運転手さんが速攻話しかけてくる。

堤:ある、ある(笑)。

(取材・文:渡那拳 写真:米玉利朋子[G.P.FLAG inc])

舞台『グレンギャリー・グレンロス』は、11月6日~30日東京・IMM THEATER、12月5日~11日大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

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