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桑木志帆の「PLAY OF THE MONTH」に学ぶ“ラインの出し方” TOTOジャパンクラシックでも見られるか

  • 2026.11.3
桑木志帆(C)Getty Images
SPREAD : 桑木志帆(C)Getty Images

11月5日から茨城県の太平洋クラブ美野里コースで、米女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」が開催される。注目したいのは、同大会で年間女王が確定する可能性がある桑木志帆。
「TOTOジャパンクラシック」は2016年以降、滋賀県の瀬田ゴルフコース・北コースと太平洋クラブ美野里コースのどちらかで開催されている。
桑木は瀬田GCで開催された24年大会、25年大会では、それぞれ57位タイ、58位タイと成績が振るわなかった。
一方、太平洋クラブ美野里コースで開催された2023年大会では優勝争いを演じ、2位タイに入っている。首位タイで迎えた最終日にスコアを伸ばせず、稲見萌寧に逆転を許してツアー初優勝を逃したものの、コースとの相性の良さを感じさせる内容だった。
10月22日から開催された「マスターズGCレディース」で優勝した桑木は、翌週の「三菱電機レディス」を欠場。今回の「TOTOジャパンクラシック」で優勝すれば、自身初の連勝となる。

■ショット好調 9月度の「PLAY OF THE MONTH」受賞

2023年の「TOTOジャパンクラシック」での桑木のスタッツを見ると、フェアウェイキープ率が2位、パーオン率が35位、パット数が3位となっている。
グリーンを狙うショットの精度には課題を残したものの、ティーショットやグリーン上では高いパフォーマンスを発揮していたことがわかる。
そして、今回期待できる理由はコースとの相性だけではない。現在のショットの状態も非常に良い。
優勝した「マスターズGCレディース」では、フェアウェイキープ率で1位、パーオン率で2位を記録している。
桑木といえば、飛距離と方向性を高いレベルで両立させたドライバーショットが強みだが、グリーンを狙うショットの精度も高い。
その技術の高さが表れていたのが、優勝した「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」の最終日17番ホールで放った第2打だ。
本人が得意と語る9番アイアンでピンそばにつけたこのショットは、9月度の「PLAY OF THE MONTH」に選ばれた。
スイングを見ると、フィニッシュで手元が肩の高さに収まる、いわゆる「ライン出し」のショットだった。
最後まで大きく振り抜かず、スイングをコンパクトに抑えるライン出しは、一般ゴルファーにとっても参考になる技術である。ただし、取り入れる際には押さえておきたいポイントがある。
それは、「捕まえてから逃がす」 という動きだ。
桑木のスイングでも確認できるように、ライン出しのフィニッシュでは、左手の甲が飛球線後方を向くような形になる。
しかし、この形ばかりを意識すると、左肘が引ける、いわゆる「チキンウィング」になりやすい。
重要なのは、フィニッシュの形を無理に作ることではなく、インパクト後のクラブと腕の動きである。
桑木のように、インパクト後に左右の手が入れ替わるように左手を下にしてボールを「捕まえ」、その後、フェースが返り過ぎないように「逃がす」。
このように、ボールを捕まえる動きとフェースの返りを抑える動きを両立させることが、ライン出しの精度を高めるポイントとなる。

■初の連勝なるか

今季の桑木は、シーズン序盤に2度の予選落ちを喫するなど、必ずしも順調なスタートではなかった。しかし、「AIG女子オープン(全英女子)」制覇後は、高いレベルで安定した成績を残している。
帰国後初戦となった「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」こそ42位タイに終わったものの、その後の9試合では、優勝2回を含む6回のトップ10入りを果たしている。
さらに注目したいのは、トップ10を逃した残りの3試合も、すべて13位タイだったことだ。
この結果からは、ショットやパットの調子が万全ではないときにも、スコアをまとめられる状態であることを示している。
コースとの相性、現在のショットの状態、そして安定した成績を総合的に考えると、世界ランキング2位のジーノ・ティティクルや同6位のキム・ヒョージュら、米ツアーのトップ選手が集う「TOTOジャパンクラシック」でも、桑木は有力な優勝候補の一人といえるだろう。
3年前、最終日に逆転を許して初優勝を逃した太平洋クラブ美野里コース。その悔しさを、自身初の連勝、年間女王確定という形で晴らすことができるか。2週ぶりとなる桑木のプレー、なかでも精度の高いライン出しショットに注目したい。

■著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家
各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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