1. トップ
  2. エピソード
  3. 義父「増やして返すから通帳は預かる」→6年後、入学前に記帳した結果

義父「増やして返すから通帳は預かる」→6年後、入学前に記帳した結果

  • 2026.11.2
SHUFUFU

出産直後、義実家の座布団に座りながら、私は義父の「任せておけ」という笑い方が少し強いと感じた。夫は父親デビューしたばかりで、私も余裕がない。家族だし大丈夫、と自分に言い聞かせた。

「通帳は預かる、増やす」

お宮参りのあと、義父が言った。「増やして返すから、学費用の通帳は預かる。カードも暗証番号も、俺が管理する」

勢いに押され、私と夫はうなずいた。出産祝いと児童手当の一部をまとめた学費用口座。増えるなら心強い、とそのときは思った。

「今は見せられない」の壁

その後、子どもの誕生日や帰省のたびに、私は聞いた。「通帳、どうなってますか?」

義父は笑って肩をすくめる。「定期にしてる。今は動かせない」「投資に回しててさ、タイミングがある」

聞くたび同じ調子でかわされ、違和感は少しずつ強くなった。それでも私は何も言わなかった。揉めたくなかったし、夫も「父さんに任せよう」と言ったからだ。

「入学前だし返して」決断

子どもが6歳になり、ランドセルを選んだ帰り道。夫が車のハンドルを握りながら言った。「入学前だし、今通帳を戻してもらおう」

私はうなずいた。嫌な予感が強くなっていた。これ以上、流されない。私たちはその日のうちに動いた。

まず銀行へ。名義は私と夫だけの口座だったので、窓口でキャッシュカードの停止と再発行、暗証番号の変更を依頼した。「カードを預けてしまい、手元にありません」と事情を伝えると、担当の方は必要書類を示し、手続きを進めてくれた。

さらに、過去6年分の取引明細の再発行をお願いした。長い紙がプリンターから出てくる間、夫は腕時計を外して机に置いた。私もボールペンを握り直す。

銀行で判明、引き出しの列

目を追うと、そこには「現金引出」の文字がずらり。月に数回、コンビニATMの記載。定期預金の組成も、投資の痕跡も一度もない。

私は言葉を失った。夫は担当の方に「助かりました」と頭を下げ、封筒に明細を入れた。

店を出ると、夫が短く言った。「もう終わらせる」

「これ、何ですか」提示

その足で義実家へ。テーブルに明細を広げると、義父は腕を組んで笑った。「それはね、運用の途中で——」

夫が被せる。「運用なら、運用先の明細を出してください」

義父の笑みが固まる。「今は手元にない」

私は一枚の紙を指で指した。「この半年だけで十数回の現金引き出し。金額もばらばら。定期や投資の記録は一度もありません」

義母が箸を置き、口をつぐんだ。

義父は目をそらし、「一時的に借りただけだ」と言い出した。最初の約束と真逆の言い分だ。

夫は声を荒げない。「これは子どもの学費です。今日、通帳とカードの権限は切りました。これから父さんが関わることはありません」

「書いてください」夫の一言

義父は顔を赤くし、「返す。返すから」と繰り返した。

夫はボールペンを義父の前に置く。「では、返金計画を今日この場で書いてください。金額、期間、振込日。守れなければ、その時点で手続きを取ります」

私たちは紙を出し、項目を読み上げながら書かせた。義母も同席し、立会いとして署名。

私は確認をする。「最初に預けた時点の残高と、その後の引出合計。利子は要りません。元本だけ、毎月いくらで、いつまで」

義父は小さくうなずき、手を震わせながら書いた。言い訳は、そこで止まった。

「返す…」小さくなる声

翌月、約束の金額が振り込まれた。通帳の入金欄を見て、夫は短くメッセージを送る。「受領しました。計画どおりでお願いします」

それ以降も入金は続いた。地域の集まりで義父と顔を合わせても、あの「俺が面倒見る」という言葉は出てこない。義母は「これからは二人で管理してね」とだけ言い、深く頭を下げた。

自慢だったはずの“運用の腕前”は、家族の前で二度と語られなかった。

その後、距離と安心を選ぶ

私たちは子どもの口座を新しく作り、印鑑や通帳の置き場所、管理ルールをノートに書いた。児童手当やお祝いはその日のうちに入金。入出金は月に一度、二人で並んで確認する。

義父からの金銭の誘いには、夫が先に「お気持ちだけで十分です」と断る。そこで話は終わる。

ランドセルは、子どもが選んだ深めの色。会計を済ませたとき、長く引っかかっていたものが、やっと外れた気がした。

さいごに

家族の「任せて」が重くなること、ありますよね。お金は見える形にして、誰が持つかをはっきりさせるだけで安心が増えます。

通帳やカードを預けた経験、心当たりはありませんか?

少しでも違和感があれば、早めに動く。そんな小さな一歩が暮らしを守るのかもしれませんね。

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ