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大人でも難しい?自閉症児の母が語る、障害児育児で伸ばしたい「助けを求める力」

  • 2026.11.1
障害児育児で伸ばしたい「助けを求める力」とは?(画像はイメージ)
障害児育児で伸ばしたい「助けを求める力」とは?(画像はイメージ)

私には、知的障害がある26歳の自閉症の息子がいます。現在は、障害児育児の経験に関する執筆活動や講演活動を行っています。

障害児の子育てで一番大切なのは、まず「愛着形成」だと思っています。

幼い頃に「自分は大切にされている」「困ったときには助けてもらえる」という安心感をしっかり育てること。その温かい土台があるからこそ、子どもは安心して成長していけます。その愛着の提供者は必ずしも親だけでなくても問題ありません。

大人でも難しい「SOSを出す力」

そして、もう一つ大切なのが、「自分でSOSを出せる力」を育てることです。自分の苦手なことを知り、「自分はこれが苦手です」「手伝ってください」と言えること。これは、障害のあるなしにかかわらず、生きていく上でとても大切な力だと感じています。

例えば、「僕は、このチェックシートがあれば忘れ物をしません」と言える生徒がいます。この生徒は、自分の苦手なことを正しく理解し、そのための対処法を身に付けていると言えます。特別支援教育では、こうした「自己理解」が非常に重要視されます。

ところが、通常級から支援学級に移った生徒の場合、この自己理解ができるようになるまでに時間がかかるケースがあるそうです。

子ども、大人を問わず、よく見られるのが「知ったかぶり」です。分からないのに、分かったふりをしてしまったり、仕事などでミスをしたとき謝罪よりも先に言い訳をしてしまったり、保身に走ったりしてしまう人がいます。これも、自分を守るために身に付けてしまったすべなのかもしれません。

目先の進学先より「安心して学べる環境」を

でも、支援学級では、まず「何が分からないのか」を確認するところから始めます。親が子どもの能力以上の学校に無理に入れてしまうと、勉強についていけず、自信をなくしてしまうことがあります。

その結果、プライドだけが高くなり、自分の苦手なことを素直に認められなくなってしまいます。そうなると、大人になって社会に出てからも、人間関係でつまずきやすくなります。

だからこそ、子どもの障害や苦手なことを否定せず、そのまま受け止め、しっかり愛情を注いで育てることが重要です。その上で、自分の苦手なことを知り、必要なときに「助けてください」とSOSを出せる力を育てることこそが、障害児の子育てで本当に大切なことだと考えています。

学校選びも同じです。「この学校に入れたほうが将来のためになる」という親の思いだけで決めるのではなく、その子に合った環境を選ぶことが欠かせません。

子どもが無理をして自信を失ってしまうよりも、「ここなら安心して学べる」という場所を選ぶことの方が大切です。子どもの将来を考えるなら、目先の進学先だけではなく、「自分のことを理解し、自分から助けを求められる大人になれるか」という視点をぜひ持ってほしいと思います。

子育て本著者・講演家 立石美津子

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