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「これは僕にとっての運命」――ビッケブランカが『ドラゴンボール超 ビルス』エンディングテーマ「完璧のペキ」に注いだ、10年目の覚悟と人生哲学

  • 2026.10.31
アニメ『ドラゴンボール超 ビルス』のエンディングテーマを担当するビッケブランカ width=
アニメ『ドラゴンボール超 ビルス』のエンディングテーマを担当するビッケブランカ

シンガーソングライター・ビッケブランカが、アニメ『ドラゴンボール超 ビルス』(フジテレビ系/毎週日曜23時15分)のエンディングテーマ「完璧のペキ」を書き下ろした。幼少期から敬愛し、カルチャーの真ん中に君臨し続ける大作への熱情から実現した今回のタッグ。10周年の節目を前に訪れた奇跡を必然のめぐり合わせと捉え、自らの軌跡と哲学のすべてを注ぎ込んだクリエイティブの裏側をビッケブランカが語った。

【動画】ビッケブランカ「完璧のペキ」が流れる! 『ドラゴンボール超 ビルス』予告

■10周年の節目に手繰り寄せた宿命の糸


鳥山明が原作を務めるアニメ『ドラゴンボール超』。魔人ブウとの激闘を終え、平穏を取り戻した地球に、全宇宙の均衡を司る破壊神ビルスが数十年におよぶ眠りから目覚め突如として現れる。桁外れの神のパワーに対し、孫悟空たちは更なる高みを目指して限界を超えた闘いへと身を投じていく。世界中で世代を超えて愛され続ける王道バトルアクションの決定版だ。

ビッケブランカ自身の歩みが10年という大きな節目を迎えるにあたり、後悔のない足跡を残したいと自問した刹那、胸中を満たしたのは子供の頃から憧れ続けてきた世界への渇望だった。海外の現場に赴くたび、国境を越えて熱狂を生み出し続ける『ドラゴンボール』という作品の偉大さを痛感していたからこそ、すぐさまスタッフへと思いを打ち明けた。

「悔いなく活動を続けるために何がしたいかと考えたとき、どうしても『ドラゴンボール』というレジェンド的な作品に関わりたいという思いが湧いてきました。周囲からは実現は難しいと言われつつも、ちょうど『ドラゴンボール』が、新たな展開に向けた募集を行うということを知ったんです。直接お会いできる状況ではなかったので、この作品に対する熱意をしたためた手紙を託しました。それが関係者の方々に届き、実際にオファーへと結実したときは心底嬉しかったですね」

吉報を受け取った瞬間、居ても立ってもいられなくなったビッケブランカは、すぐさま鍵盤の前へと向かった。従兄弟から借りた単行本に夢中になり、無邪気な冒険から命懸けの死闘へと移り変わるドラマを浴びるように吸収してきた少年時代の原体験が、一気に蘇ってきたという。大人になり、数々の大舞台を経験した今だからこそ理解できる尊さがある。この劇的な巡り合わせは、自ら呼び寄せた必然だったと確信している。

「僕自身はこれを運命だと感じています。さまざまな経験を重ね、多様な景色を見てきた今の自分だからこそ、この作品が持つ影響力の大きさをより深く実感できていますから。今の自分が抱く純粋な感情をぶつければ、必ず素晴らしい楽曲が生まれるという確信がありました」

■全ての感情を束ねる――母の記憶がもたらした決定打


楽曲の構築には約1ヶ月もの時間を費やした。勇ましいバトルの一幕だけでなく、理不尽な死や別れの痛みまで、作中から授かった万象の機微を余すところなく注ぎ込むため、思考を巡らせた。

「単に強さを求める姿だけではなく、仲間を失った悲哀や不条理さも含めて、すべてをひとつの音に込めるべきだと考えました。しかし、1曲の中で複数の感情を表現するには、核となる強いフレーズが必要になります。そのバランスを見極めながら、作品の本質を体現できる言葉をひたすら模索していました」

苦心の末に紡ぎ出されたのが、逆境を糧にして前進するタフな意志を示したBメロと、楽曲の結びを飾る象徴的なフレーズだった。スタイリッシュな響きを試行錯誤していたサビの終着点に、決定的な光をもたらしたのは、幼い頃から親しんできた家庭内の温かな記憶だった。

「最後のフレーズがなかなか決まらず、さまざまな言葉を試していました。そんな中、ふと思い出したのが我が家で昔から使われていた口癖だったんです。母が僕を褒めるときによく『完璧のペキだよ!』と言ってくれていた記憶が蘇り、メロディーに乗せてみたらこれ以上ないほどしっくりきました。タイトルに関しても、周囲の助言を受けて迷うことなくこの言葉に決めました」

■悲哀を糧に挑み続ける――未完成な人生を肯定する美学


限界を突破してもなお、さらなる強敵が現れて新たな頂を目指す戦士たちの姿は、歩みを止めない表現者自身の道程、ひいては人生の真理とも完全に重なり合っている。

「登場人物たちは際限なく強さを追い求めていきます。最強に到達したと思っても、さらにその先へと向かっていく。それは人間の生き方そのものだと受け止めています。人は常に未完成であり、歩みを止めることはない。そうした時間の経過を描きたかったんです。同時に、ただ勢いがあるだけではなく、悔しさや痛みを力に変えて進んでいくタフさを感じ取ってもらえたら嬉しいですね」

自らの半生を見つめ直す作業を経て誕生した「完璧のペキ」は、ビッケブランカが行っていた「VK Blanka Joyride to 10th Tour」の現場でもすさまじい熱気をもって迎えられている。作品の魂を深く理解する彼だからこそ生み出せた一曲は、未来へと向かう道を力強く照らし出している。

「この経験が持つ本当の価値は、10年後に改めて実感できるものだと思っています。全力を尽くしたからこそ後悔はありません。節目の時期にこの楽曲と巡り合えたことは非常に恵まれていますし、客席とともに高く手を掲げられる瞬間がある以上、ここから先の未来はとても明るいと感じています」(取材・文:磯部正和)

アニメ『ドラゴンボール超 ビルス』は、フジテレビ系にて毎週日曜23時15分より放送中。

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