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乃木坂46・矢田萌華「初恋の人と再会する気持ちだった」 小3で“溺れた”『NO.6』の衝撃とあさのあつこが明かす執筆秘話

  • 2026.10.30

不朽のディストピア小説『NO.6』。約20年の時を経て新たに紡がれる『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズは、いまなお多くの読者を魅了し続けています。

この物語を「人生の心の拠り所」と熱く語るのは、乃木坂46の矢田萌華さん。2026年9月30日の新刊『NO.6[ナンバーシックス]再会#4』発売を記念して、矢田さんとあさのあつこさんによるスペシャル対談が実現しました。

前編では、矢田さんの『NO.6』に対する熱烈な想いや、ここでしか聞けないあさのさんの執筆秘話、矢田さんと『NO.6』の鮮烈な出会いまで、濃密なトークをお届けします。

あさの「紫苑とネズミがふたりでいるときは『素』に近い状態。だから惹かれ合う」

矢田 あさの先生と『NO.6』についてお話しできるなんて、嬉しさと緊張で、心が昂っています。今日はよろしくお願いします。

あさの こちらこそよろしくお願いします。矢田さんはいま、18歳なんですよね。奇遇にも、『NO.6再会』で書いている紫苑とネズミと同い年です。

矢田 子どものころに彼らに出会っているからか、同い年という実感はまったくしないです。再建委員会の委員長として立ちまわる紫苑も、過去に想像を絶する体験をしてきたネズミも、私には精神が成熟しているように見えます。

あさの 社会と対峙したときの紫苑とネズミを、あえて大人っぽく描こうという意識はしてはいないんです。きっと紫苑ならこう答えるだろうな、ネズミならこう振る舞うだろうなと手探りして書いているので。紫苑とネズミがふたりでいるときも、外で見せる姿とは自然に違っているなと思います。

矢田 ふたりでいるときは、逆に子どもっぽくなりますよね! いつもは冷静なのに、ふたりだとお互いの発言や自分の感情に振り回されてしまう。そのギャップにいつもドキッとさせられます。

あさの 紫苑とネズミがふたりでいるときは、お互いが楽なのだと思います。いちばん素に近い、ありのままの姿でいられる。だから惹かれ合うのかなと。

矢田 たしかに。いま、すごい嬉しいです。いつもなら、ひたすら考察するしかない物語の内容を、作者の先生とこんなふうに語り合えるなんて。『NO.6』は登場人物が本当に生きているみたいにリアルなところに、ずっと魅力を感じてきました。前にあさの先生がインタビューで「紫苑とネズミの冒険を描いているのではなく、彼らの冒険に物語を通して触れているんだ」とおっしゃっていて、まさに読者もその感覚を味わっているのだと思いました。

あさの ありがとうございます。文章で表された彼らを、肉体のあるもののように受け取ってくださるのは、書き手にとってこの上ない幸せです。

矢田「『NO.6』との出会いは小3。難しい言葉があるから、逆に興味をそそられた」

矢田 正直な話をすると『NO.6再会』が刊行されるというニュースを見たときは嬉しい反面、不安もありました。たとえるなら、初恋の人と再会するような気持ちでしょうか。会いたいような気もするけれど、綺麗な思い出のまましまっておきたい気持ちもあって……。でも『NO.6再会』を読みはじめたら、私の大好きだった『NO.6』が変わらずにそこにあって、私の語彙力では足りないくらいの喜びを感じました。

あさの ありがたいことに以前『NO.6』を読んでいたたくさんの方が「久しぶりに『NO.6』に会えて嬉しかった」と声をかけてくださいます。読者の方からいただくメッセージには、いつも力をもらっています。矢田さんはいくつのとき、『NO.6』に出逢ったのですか。

矢田 小学3年生のときです。小学校の図書館で、たまたま手にとりました。じつはそれまであまり本を読んでいなくて、『NO.6』が初めて読書の楽しさを教えてくれました。

あさの 小学3年生ってことは10歳くらいかしら。『NO.6』は読者の年齢を意識せずに、とにかく自分の能力をフルに注ぎ込んで書こうと思った作品なんです。意味のわからない言葉が出てきませんでしたか?

矢田 たくさん出てきました! でもその難しい表現が、私にとっては魅力的だったんです。紫苑とネズミのいる世界に興味をそそられて、もっと読み進めたくなりました。難解な言葉が「彼らが生きる場所は、私とは違う場所なんだ」と感じさせてくれたんです。

あさの それは安心しました。年齢を気遣わず書いた作品であってもYA(ヤングアダルト)として出した作品なので、小学生の子どもが読んだときどう感じるか心配していたんです。でも矢田さんが難しい言い回しに楽しさを見出してくださったと知って、20年越しに答えをいただけた気持ちです。

矢田 あのときは本当に『NO.6』という作品に溺れました。学校だけじゃ時間が足りなくて、借りた本を家でもずっと読んでいて。母から「ご飯だよ」と声をかけられたことにも気づかなかったくらい(笑)。何かにそれほど集中できるのは、『NO.6』が初めてのことでした。じつは『NO.6再会』が発売されるニュースも、母が教えてくれたんですよ。当時のことを覚えていたみたいで。

あさの 情熱的に読んでくださって、嬉しいです。お母様にも強い印象が残っていたのですね。

矢田 そうそう、私が『NO.6』に没頭したように、あさの先生が心を奪われた作品はありますか。あさの先生の好きな作品は、きっと私も好きなんじゃないかなって、お伺いしようと思っていたんです!

あさの 私も最初は全然、本を読まない子だったんですよ。中学生になってから海外ミステリーにハマって、コナン・ドイル、エラリー・クイーン、アガサ・クリスティなどの作品を読み漁りました。特に「シャーロック・ホームズ」に出会ったときは、リアリティ溢れる描写に衝撃を受けまして。19世紀から20世紀のイギリスにホームズがいたに違いないって、本気で思えたんです。「読む人」から「書く人」になりたいと考えたのは、あのころの読書体験があったからですね。

矢田 ミステリーは好きなのですが、海外ミステリーは読んだことがありませんでした。とっても興味が湧いたので、今度読んでみようと思います!

作品の世界を再現! 「NO.6の世界展」が銀座で開催

2026年10月2日(金)から10月26日(月)までのあいだ、松屋銀座 並木通り館のギンザミライミュージアムで「NO.6の世界展─紫苑とネズミの軌跡をたどる旅─」を開催します。会場では作品の世界を再現した空間演出や、展覧会限定のオリジナルグッズを販売予定。詳細は下記サイトをチェック!

少年たちの絆が胸を打つ、いま読みたいディストピア小説

描きおろしのキャラクター帯が好評! 「NO.6」シリーズを振り返りたいあなたへ

「NO.6」シリーズを読みたいなら、toi8さんの描きおろしイラストのフル帯(キャラクターのカバー絵)を巻いた文庫本が好評発売中です。さらに、「NO.6」シリーズのコミックスも1〜9巻が発売中! 小説でも漫画でも、「NO.6」の世界をご堪能ください。

撮影/安田光優(講談社写真映像部)

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