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新ドラマがヒットして女優として復活したウィノナ・ライダーの映画ベスト10!(Mihoko Iida)

  • 2016.8.21
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Photo: Everett Collection / AFLO

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VOGUE JAPAN9月号で「イットガールの華麗なるその後」を担当。最近、新ドラマのヒットで復活した1990年代のアイコン、ウィノナ・ライダーのオススメ映画10作をセレクト。

ダークな青春コメディの先駆けとなった『ヘザーズ / ベロニカの熱い日』(1989年)。

アメリカの高校を舞台に、人気グループとそうではない子たちの人間関係を、シニカルに描いたブラックな青春コメディ映画。主役のベロニカ(ウィノナ)は、謎の転校生(クリスチャン・スレーター)と組んで、主導権を握る人気グループに復讐。同作品はカルト的な人気作品となり、ウィノナはこの映画を通じて「反体制」のアイドル的存在にもなった。当時の人気俳優クリスチャン・スレーターもチェック!

映画『悲しみよさようなら』(1990年)では現実と向き合えない繊細な少女を演じた。

自分はもしかしたらハリウッド女優の隠し子かもしれない。そんな妄想をいだきながら田舎町の高校に通うディンキー(ウィノナ・ライダー)はある日、その女優が母校である自分の高校を訪れる、というニュースをキャッチ。これでやっと自分を田舎町から救い出して、ハリウッドに一緒に連れて行ってくれるかもしれない。ますます妄想が膨らむディンキーはやがて本当のことを知る。現実と妄想の間を行き来する少女の成長物語だが、ウィノナが演じるディンキーはどこまでもピュアで不器用で憎めない。1990年代の若者たちが感じた「取り残され感」や「現実と向き合えない感」を見事に演じ、ウィノナのファンはますます増えた。

ティム・バートン監督の映画『シザーハンズ』(1990年)では、当時の恋人ジョニー・デップと共演。

最近はあまりいいニュースがないジョニー・デップですが、ケイト・モスと付き合う前はウィノナ・ライダーの「彼氏」としても知られ、そんな時代の「イットカップル」がこの作品で共演。しかも、奇才ティム・バートンにとってのウィノナは、映画『ビートルジュース』(1988年)で彼女を主演に抜擢して以来のミューズ。ビジュアル的に美しいけれど、どこかダークな要素があるキャラ設定にはピッタリの彼女。ちなみに、『シザーハンズ』では、手がハサミの形をしているため危険だとみなされた人造人間(ジョニー・デップ)を愛してしまう人間の少女をピュアに演じている。

番外編:当時の「イットカップル」だったウィノナ・ライダーとジョニー・デップ。

いつの時代もその世代を代表する「イットカップル」があるけれど、1990年代初頭におけるウィノナとジョニーは特別な存在でした。ジョニーはまだアイドル的な人気を誇るテレビ俳優(「21ジャンプストリート」)から映画にブレイクしたばかり。ウィノナはカルト的な人気映画『ヘザーズ / ベロニカの熱い日』(1989年)など、次々とヒット作に出演する売れっ子女優。ジョニーがウィノナの名前をタトゥーにしたこともニュースになり、別れた後にそれを消したこともまた話題になり、どこまでも注目された二人でした。この写真は1990年のもので、ジョニーは27歳で、でウィノナはまだ19歳!

シェールと共演した『恋する人魚たち』(1990年)

自由人である母親(シェール)に反抗して真面目に振る舞う娘(ウィノナ・ライダー)を中心に描かれた人間模様をコミカルにハートフルに描いた作品。クリスティーナ・リッチのデビュー作でもあり、3人が一緒にシェールが歌う「The Shoop Shoop Song」のミュージックビデオにも出演しているのも話題になった。物語の設定は1960年代のアメリカだが、親世代のほうが開放的で子どもたちのほうが畏縮している当時の社会をやや風刺した内容。ウィノナはこの作品でゴールデングローブ助演女優賞にノミネートされた。

映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』(1991年)などインディーズ作品でシュールな魅力を発揮。

1990年代といえば、今のように「シネコン」など大型映画館が少なかった時代。なので、ちょっとユニークな「アート系」「インディーズ」作品を小さなミニシアター(いわゆる「単館系」)で観るのも映画好きにはたまらない経験でした。そんな中でもジム・ジャームッシュ監督は特にインディーズ界で大人気。彼の摩訶不思議な『ナイト・オン・ザ・プラネット』というオムニバス映画にウィノナが深夜タクシーの運転手役で登場し、そのシュールな魅力に私たちは心を奪われました。

スコセッシ監督の映画『エイジ・オブ・イノセンス / 汚れなき情事』(1993年)では純粋無垢な婚約者を演じた。

19世紀のニューヨークの上流社会を舞台に繰り広げられるヒューマンドラマを描いた名作小説の映画化。監督はマーティン・スコセッシ。結婚をひかえた男性(ダニエル・デイ・ルイス)が婚約者(ウィノナ・ライダー)とは別の女性(ミシェル・ファイファー)に惹かれていくという物語。しかし、その結末は極めて複雑な展開に。スコセッシ監督は「暴力的な作品だ」と説明したと言われ、その背景には肉体的な暴力ではなく精神的な苦痛をともなうことを指していたと。ウィノナが演じる婚約者メイは、イノセントだからこそ強い。そんな新しい女性像を見事に演じきった。

映画『リアリティ・バイツ』(1994年)では1990年代の若者たちの苦悩を美しくも繊細に演じたウィノナ。

好景気だったアメリカの1980年代に育った若者たちが、「バブル崩壊後」の1990年代に、社会人となり厳しい現実をつきつけられるという物語。大学を卒業したのに就職先がない。夢があるのに将来が見えない。当時の閉塞感を主演女優のウィノナ・ライダー(当時23歳)が美しく繊細に、時にはコミカルに演じ、90年代を代表する若手女優の仲間入りに。相手役は現実となかなか向き合えない若者役が(当時)似合ったイーサン・ホーク。

名作小説の映画化『若草物語』(1994年)でアカデミー主演女優賞にノミネートされたウィノナ。

19世紀にアメリカの作家ルイーザ・メイ・オルコットが書いた自伝的小説『若草物語』の映画化。主演はウィノナだが、キャストには当時ほとんど無名だったクリスチャン・ベイルや、キルスティン・ダンスト、クレア・デインズの姿も。特にウィノナとクリスチャンのキスシーンは当時話題にもなったほど二人はアイドル並みの人気。映画としては何度もリメイクされてきたアメリカの南北戦争中の物語ですが、ジリアン・アームストロング監督バージョンへの評価は高く、アカデミー賞ではウィノナの主演女優賞以外に、作曲賞と衣装デザイン賞にもノミネートされた。

アンジェリーナ・ジョリーがアカデミー賞を受賞した映画『17歳のカルテ』(1999年)で実は主演を務めたのがウィノナ・ライダー。

アンジェリーナ・ジョリーが映画『17歳のカルテ』でアカデミー賞助演女優賞を受賞したとき、受賞スピーチでは主演のウィノナがいなければ自分はこの賞を受賞できなかったと語ったほど、同作品での二人のシーンは迫力ありました。原作はスザンナ・ケイセンによる自伝『思春期病棟の少女たち』の映画化。この後、ウィノナ自身が不幸な事件を起こしてしまい、しばらく映画界から消えてしまいました。

映画『ブラック・スワン』(2010年)では過去の栄光にすがるプリマバレリーナ役を演じた。

ナタリー・ポートマンとミラ・クニスがプリマバレリーナの座をめぐって闘うサイコスリラー映画の中に、思い出すだけでも「怖い」シーンが、ウィノナ・ライダーが登場する場面。ウィノナが演じていたのは第一線から消え、過去の栄光しかないプリマバレリーナ、ベス役だ。私生活でもいろいろとあったウィノナ。2001年には、謎の万引き事件を境に第一線から消え、しばらく大型作品には出なくなった。そんな彼女をキャスティングした監督のダーレン・アロノフスキーは、見事な演出でベスの闇の深さを表現。しかし、長年のウィノナ・ファンとしては、私生活とオーバーラップする役柄も演じられるほど元気になったウィノナを観て、ちょっぴり安心した瞬間でもありました。

Netflixのヒットドラマ「ストレンジャー・シングス未知の世界」で見事に復活したウィノナ・ライダーは今も美しい。

今年はついに主演の新ドラマ「ストレジャー・シングス 未知の世界」が大ヒット。ドラマはSFホラー作品で、ウィノナが演じているのは子どもが突然姿を消し、必死に探し続ける母親役。アメリカの『TIME』誌など主要メディアは既に彼女の「カンバック」を称賛。日本でも映像配信サービスのNetflix (ネットフリックス)を通じてドラマを視聴することはできます。現在44歳のウィノナは相変わらず美しく、繊細で、ちょっぴりダークな面もあり、90年代を懐かしく思う世代にとってはこれからも目が離せられない存在です!

参照元:VOGUE JAPAN

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