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【聖書に学ぶ】「タレント」の正しい使い方 話したくなる〈目からウロコのキリスト教〉

  • 2026.10.29
cocreco写真:RRice/イメージマート

「キリスト教」と聞くと、何を思い浮かべますか? 実はクリスマスやカレンダーなど、私たちの日常はキリスト教由来の文化であふれています。そんな教えが記された世界最大のベストセラー『聖書』は、「いつ、どこから読んでもいい」多彩なジャンルを網羅した本。

関西学院中学部で聖書科を担当する「ポン先生」こと福島旭先生によれば、キリスト教を知ると、見慣れた世界がガラリと変わって見えると言います。この記事では、福島先生の著書『Wonder! 目からウロコのキリスト教』の一部を抜粋し、日常や文化を形づくったキリスト教の驚きのエピソードや歴史を紐解いていきます。

今回は、「タレント(才能)の使い方」についてお伝えします。

タレント(才能)は出し惜しみするな

「タラントンのたとえ」

タレントの語源である通貨単位のタラントン。神から与えられた才能や財産を大事にしまいこまず、愛し合うために活かせばより輝く。

ある人が旅行をすることになり、能力に応じて3人の僕に5タラントン、2タラントン、1タラントンという大金を預けました。

5タラントンと2タラントンを預かった僕は、それぞれ商売をして預かった金額と同じ金額をもうけました。つまり、主人から預かったお金を倍にしたのです。

1タラントンを預かった僕は地面に穴を掘り、隠しておきました。当時は銀行の倒産が多く、お金を土の中に埋めて隠す方法のほうが安全だったのです。

かなりの年月がたち、主人が帰って来ました。預けたお金を倍にした僕ふたりは「良い忠実な僕だ」とほめられ、そのまま、お金の管理を任されました。

1タラントンを預かった僕は「最も安全な方法で預かった金を守りました」と自慢げに報告しましたが、主人は「悪い臆病な僕だ」と怒って1タラントンを没収し、5タラントンを預かった僕に追加の褒美として1タラントンを贈りました。

(『マタイによる福音書』25章)

弟子たちが世の終わりについて問うたとき、イエスはさまざまな教えを伝えましたが、その中にこのたとえ話があります。

投資に対するポジティブな考え方のルーツがわかるようなたとえ話のように読めますが、単なる金もうけの話ではありません。

cocrecoイラスト:一ノ瀬 かおる

日本でテレビなどの出演者を示すこともあるタレントは、英語では「才能」「賜物」と訳され、ギリシア語の「タラントン」から来た言葉です。

タラントンは古代ギリシアでは重量の単位で、1タラントンは銀25.8kgの重さに相当します。古代ローマ時代にはタラントンは通貨の単位となりました。

1タラントンは「6000日分の賃金」ですから、1日の賃金を8000円とするなら1タラントンは4800万円に相当し、かなりの大金です。

このたとえは「自分の努力で才能を伸ばしましょう」と解釈されることがありますが、私はそれに加えて、「他者のいのちを輝かせるために、与えられた才能を用いましょう」という解釈も加えたいと思います。

旅から帰った主人が5タラントンと2タラントンを預けた僕をほめるとき、「お前は僅かなものに忠実だったから」と書かれています。

とんでもない大金を「僅かなもの」と言う豪快な主人とは神のこと。つまり、タラントンとは「神からの賜物」だったのです。

私たちは神から、いのちや家族、友人、暮らし、出会いといったすべてのものを与えられています。

1タラントンを預かった僕は、神から与えられたものを失くすのが怖いからと隠し、誰かのために愛を用いることも、誰かのために何かを生み出すこともありませんでした。

大事なものを失うことを恐れる気持ちは誰しも持っています。

しかし、人生を「神から与えられたもの」と受け止め、持っている才能や賜物を愛し合うために用いることこそが、私たちの人生を輝かせるのではないでしょうか。

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