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【インタビュー】手術シーンは本物さながら、皮膚を切り開く特殊造形と血が流れる仕掛け AMAZING JIROが明かす『ダウンタイム』特殊メイクの裏側(2)

  • 2026.10.29

美容整形を題材にした作品『ダウンタイム』で、手術シーンの特殊メイク・造形を手がけたAMAZING JIRO。

皮膚をメスで切り開き、縫合し、血が流れる。映像に登場する手術の描写は、実際の手術資料を参考に制作されたものだという。

本人が今回初めて取り組んだという手術シーン。その舞台裏には、シリコン製のダミーヘッドや、メスに仕込んだ血液など、リアリティーを追求するためのさまざまな工夫があった。

手術シーンに取り組むのは初めてだった

今回は手術シーンを作るのも初めてだったんですよ。

作品自体が美容整形をテーマにしたリアルな話だったので、何か特殊な表現を加えるというより、とにかく実際の手術に近づけることを目指しました。

例えば、モンスターが出てくるようなファンタジー作品だったら、もっと自由な表現が入ってもいいと思うんです。

でも、今回はそういう作品ではないので、資料になるべく忠実に作ることが大前提でした。

実際にダウンタイムを経験した方や、美容クリニックで働いている方が見ても、リアルだと感じてもらえるものを目標にしていましたね。

手術の資料については、監修の高須クリニックさんからいろいろ提供していただきました。

どういう手術をすることで顔がその形になるのか、実際の術例を見せていただきながら、それをなるべく忠実に再現できるように考えて制作しました。

皮膚を切り開くシーンにはダミーヘッドを使用

手術シーンで使っていたのは、リアルなダミーヘッドです。

人形の頭部を作って、それを実際に手術するような形で撮影しました。

皮膚を切るときも、シリコンで作った造形物にメスを入れていますし、縫合するシーンでは、そのシリコンを直接縫ってもらっています。

実際に切ったり縫ったりする必要があったので、当然、俳優さん本人の顔ではできませんよね。

だから、そういったシーンは造形を使って再現しました。

血が流れる表現にも仕掛けを作っています。

例えば、メスに血を仕込んでおいて、皮膚を切り裂いたときに血が少し出てくるようにしているんです。

あとは目の上の手術ですね。

最初に麻酔液が出てきて、その後から血がじゅわっと出てくるんですけど、そこもギミックを作って再現しました。

ただ、特殊造形だけでは完全に表現できなかった部分もあるので、そういったところはVFXチームに仕上げていただきました。

最も難しかったのは研ナオコのリフトアップ

手術シーンはどれもリアルに作ったんですけど、特に印象に残っているのは研ナオコさんのリフトアップですね。

実際の手術資料をいただいて、動画も見せていただいたんです。

それを参考に作ったんですけど、かなり再現度は高かったんじゃないかなと思います。

ただ、制作するうえでは難しい部分もありました。

リフトアップの手術では、皮膚を切って、ベロンとめくるような表現があるんです。

そうすると、皮膚の内側にある組織がいろいろ見えてくるんですよね。

あの部分をどうやって作るかというのは、結構悩みました。

僕らとしては、とにかく実際の手術と同じことがなるべく再現できるように準備しました。

どこまで映像として見せるかというのは、最終的には監督の判断だったと思います。

撮影映像ではグロテスクさが軽減された

今回、実際に造形を生で見たときと、カメラを通して見たときでは、印象が少し違いました。

カメラを通した方がよく見えたり、鮮明に見えたりする部分もあったので、そこは良かったですね。

細かい粗が目立たなくなったように感じる部分もありました。

逆に、生々しい部分が映像としてきれいに映ることで、グロテスクさが軽減されることもあったんです。

もちろん、作品の中には結構グロテスクな表現もありました。

ただ、生で見たときよりは映像になった方が軽減されていたように思います。

撮り方もありますし、撮影した映像のどこを使うのか、さらに色の編集も入ってくるので、そういうところで多少グロテスクな部分を抑えていったんじゃないかなと思います。

僕らはリアルを追求して、実際の手術に近いものを用意する。

それをどう映像として見せるのかは、監督や映像制作のチームが考えていくということですね。

撮影現場では美容整形が怖くなったという反応も

現場では、実際に特殊造形を見た方から「痛そう」という反応は普通にありましたね。

もちろん、作品の中でやっていることは実際には痛くないんですよ。

本当に手術を体験しているわけではないですから。

ただ、腫れた目の特殊メイクだったり、実際に皮膚を切ってめくるリフトアップの手術シーンだったり、そういうものを目の前で見ると、印象は変わると思います。

「実際にそんなふうになるんだったら、ちょっと美容整形は怖いね」という反応もあったと思います。

いずれ美容整形をやるかもしれないけど、実際の手術がこういうものだったら「ちょっと考えるね」というような空気は、撮影現場でもあったように思います。

今回は、それくらいリアルに見えるものを目指していました。

美容整形を実際に経験している人にも、クリニックで働いている人にも、きちんと伝わる映像になっていたらうれしいですね。

取材・文:中京太一

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