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母の中で、楽しかった時間がなかったことに…悲しいけれど割り切るしかない<母の認知症介護日記>

  • 2026.10.29

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
数年前の正月、おせちの中に入っていた人数分のお菓子を、1人で全部食べてしまった母・あーちゃん。この年のおせちにも同じお菓子が入っていたため、ワフウフさんは事前に取り分けておくことにしたのですが、今回はそれに加えて小さな大福も入っていて、あーちゃんは食べ始めてすぐに「私、あれ食べたい」とロックオン。とっさにワフウフさんが「あーちゃん、さっき取っていたよ。人数分だから!」とウソをついたところ、あーちゃんはワフウフさんの言葉を信じて諦めてくれたように見えたのですが……。夕方になって、あーちゃんを施設へ送ってきた後におせちが入っていたお重を見たところ、なんと大福はすっかりなくなっていたのです……。皆に確認しても食べた人はいなかったため、あーちゃんがワフウフさん姉妹の目を盗んで食べた可能性が高そうです。そんな中、ひとつうれしい出来事がありました。あーちゃんが、正月に孫たちへお年玉をあげることを覚えていたのです。認知症が進行する中でも、孫たちのことを気にかけている姿に、ワフウフさんは愛情を感じてうれしくなったのでした。

1月2日。ワフウフさん姉妹は新年のセールへと足を運んでいました。爆買いを楽しんでいたところ、姉・なーにゃんのスマホにあーちゃんが暮らす施設から不在着信が入っていたことに気付きます。「具合でも悪くなっちゃった……?」と不安になり、急いで折り返したところ、電話をかけてきたのはケアマネさんで、用件は「あーちゃんが『明日、娘のところでお風呂に入るから、今日は入浴しない』と言っているけれど、大丈夫か」というものでした。たしかに、翌日はあーちゃんがなーにゃんの家に行く予定ではありましたが、お風呂の話は一切していません。それを伝え、予定通り施設でお風呂に入れてほしいとお願いして電話を切りました。しかし数分後……。またケアマネさんから電話です。あーちゃんが入浴を拒否し続けているらしく、なーにゃんが直接説得することに。その結果、あーちゃんは渋々了承してお風呂に入ってくれましたが、今後も体調や気分で入浴拒否が頻繁に起きなければいいな……と、ワフウフさん姉妹は心配していました。

大事なのは、楽しそうにしていた瞬間

1月3日。なーにゃんは、あーちゃんを家に招いていましたが、私は翌日から仕事ということもあり、ゆっくり家で過ごしていたのですが、あーちゃんから「何時ごろに来てくれるの?」と電話がかかってきました。

この日、私は行かないと言うと、あーちゃんはとても驚いています。そこで、おととい皆で集まったばかりだと伝えたところ……。

「……そう?」とあいまいな返事が返ってきました。もしかして、皆で集まったことを覚えていない……?

それからも、あーちゃんの口からは「私は自分でなーにゃんちゃんの家まで行けばいいのね!」と、ひとりでは外出できない今の環境を理解していない言葉が飛び出します。

なーにゃんが迎えに行くから、部屋で待っていればいいと言い聞かせ、ようやく電話は終了。

実は、3年前の正月に集まったときにも、あーちゃんは数日後にそのことを忘れていました。思い返すと、このときすでに認知症の症状が出ていたのです……。

それから2日後。面会に行くと、あーちゃんは「正月に孫たちへお年玉をあげられていないことが気になっている」と言いだしました。

お年玉はすでにもらっていると伝えると、驚いています。

そのときの状況を説明しても、ピンとこないようでした。

その日は、私が忘れ物をしたので、それを届けに夫が施設までやってきました。

夫を見ると、あーちゃんは新年のあいさつをしながら、深々とお辞儀をしていたのです。……やはり、元日に会った記憶はもうないようです。

1月3日。なーにゃんは、三が日にあーちゃんが寂しい思いをしないよう、家に招くことにしていました。私は翌日から仕事だったので、家のことをやりながらゆっくり過ごしていたのですが、あーちゃんから「ワフウフちゃん? 何時ごろに来てくれるの?」と電話がかかってきました。今日は行かないと言うと、あーちゃんは「ええっ!? 誰も来ないの? 私だけ?」と驚いています。おととい、皆で集まったばかりだと言うと「……そう?」と言っていましたが、その口ぶりから、皆で集まったことを忘れてしまっているのではないかと感じました。

それから、あーちゃんは「私は自分でなーにゃんちゃんの家まで行けばいいね!」と言っていましたが、今のあーちゃんはひとりでは外出できません。なーにゃんが迎えに行くから、部屋で待っているように伝えると「わかったわ!」と納得してくれて、電話を切りました。元日に集まったとき、皆と会えてあんなに楽しそうにしていたのに、それがあーちゃんの中ではまるっきりなかったことになっていると思うと、仕方ないとはわかっていても、つらいです……。いいかげん、あーちゃんが直近の出来事を覚えていられないことに慣れるべきなのかもしれませんが、どうしても慣れなくて毎回気持ちが沈んでしまいます。

それから2日後。面会に行くと、あーちゃんは孫たちにお年玉をあげていないことが気になっていると言っていました。やはり、元日に皆で集まったことは忘れてしまっているようです……。元日、なーにゃんの家から帰るときに、玄関でお年玉を渡してくれたことを伝えても、あいまいな顔をしています。そしてこの日は、私が忘れ物をしたので、夫があーちゃんが暮らす施設まで届けてくれたのですが、夫を見たあーちゃんは「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね!」と深々とお辞儀をしていました。数日前の元日に会っているのですが……。皆で集まって楽しい時間を過ごしたことが記憶に残らないのはちょっと悲しいけれど、その瞬間を楽しそうにしてくれていたことが大事だと思うことにします。

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たとえ出来事そのものを忘れてしまっても、あーちゃんが感じていた温かい雰囲気や安心感が残ることもあるでしょう。認知症は原因や状態によって経過や治療法が異なるため、症状の進行については一概には言えません。だからこそ、記憶がなくなったことを悲しむよりも、穏やかで安心できる時間を一緒に過ごすためには、どんなことができるかを前向きに考えられるといいですね。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!


著者:マンガ家・イラストレーター ワフウフ

ベビーカレンダー/シニアカレンダー編集室

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