1. トップ
  2. エンタメ
  3. 『ハリー・ポッターと呪いの子』の本は小説?脚本全種類の違いを解説

『ハリー・ポッターと呪いの子』の本は小説?脚本全種類の違いを解説

  • 2026.10.22

『ハリー・ポッターと呪いの子』は、ハリーたちの19年後を描いた「8番目の物語」だ。ただし、これまでの7巻とは違い、本として出ているのは小説ではなく舞台の脚本。日本では単行本、文庫、児童向けの文庫、東京公演に合わせた東京版と、いくつもの種類が出版されている。この記事では、『呪いの子』の本がなぜ脚本なのか、日本語版の種類とそれぞれの違い、どれを選べばいいか、そして物語のあらすじまでを解説する。

『呪いの子』の本は小説なの?

小説ではなく、舞台のための脚本として出版されている

項目内容
原題Harry Potter and the Cursed Child
本の形式舞台脚本(小説版は出ていない)
原作J.K.ローリング、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーン
脚本ジャック・ソーン
舞台の初演2016年、ロンドンのパレス・シアター
物語の時代『死の秘宝』の19年後
主人公ハリーの次男アルバス・セブルス・ポッター

『呪いの子』は、もともと舞台作品として作られた物語だ。J.K.ローリングが、演出家のジョン・ティファニー、劇作家のジャック・ソーンとともに原案を作り、脚本はソーンが手がけた。そのため、出版されている本はすべて舞台の脚本で、登場人物のセリフとト書きで物語が進む。地の文で心情が描かれる小説とは読み心地が大きく異なるので、購入するときは注意したい。

日本語版の本は何種類ある?

松岡佑子訳の単行本・文庫・児童向け文庫と、小田島夫妻訳の東京版

日本語版は静山社から出版されている。大きく分けると、シリーズ7巻と同じ松岡佑子さんの翻訳によるものと、東京公演の上演台本をもとにした小田島恒志さん・小田島則子さんの翻訳による「東京版」の2系統がある。

種類翻訳特徴
特別リハーサル版(単行本)松岡佑子2016年に最初に出版された版。現在は愛蔵版が主流
舞台脚本 愛蔵版(単行本・文庫)松岡佑子上演後の修正を反映した決定版。文庫は第一部・第二部の2冊組
静山社ペガサス文庫(第一部・第二部)松岡佑子小学校高学年から読める児童向け。ふりがな付き(2020年9月発売・各935円)
第一部・第二部 舞台脚本(新装版)松岡佑子2023年11月発売。2017年刊行の愛蔵版を1冊にまとめた版(432ページ・2,310円)
舞台脚本 東京版(単行本・文庫)小田島恒志・小田島則子東京公演の上演台本にもとづく。単行本は2023年6月発売(288ページ・2,090円)、文庫は2024年11月発売

価格やページ数は、書店の情報サイト「絵本ナビ」の掲載情報によると上の表のとおり。最初に出た特別リハーサル版は、ロンドン初演のリハーサル段階の脚本をもとにしたもので、上演後に修正を加えた「愛蔵版」が現在の決定版になっている。

各版の表紙とAmazonの販売ページ(2026年10月21日時点)

表で紹介した版は、2026年10月21日時点でいずれもAmazonで購入できる。表紙は、松岡佑子訳の各版がロンドン初演と同じ金色の鳥の巣のデザイン、東京版が時計と翼のデザインなので、ひと目で見分けがつく。文庫の愛蔵版は第一部・第二部の2冊に分かれているので、続けて読むなら2冊そろえたい。東京版には、ふりがな付きの静山社ペガサス文庫版も出ている。

『ハリー・ポッターと呪いの子』特別リハーサル版(単行本)の表紙

特別リハーサル版(単行本)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 愛蔵版(単行本)の表紙

舞台脚本 愛蔵版(単行本)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 愛蔵版 第一部(静山社文庫)の表紙

舞台脚本 愛蔵版 第一部(静山社文庫)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 愛蔵版 第一部(静山社ペガサス文庫)の表紙

舞台脚本 愛蔵版 第一部(静山社ペガサス文庫)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』第一部・第二部 舞台脚本(2023年版)の表紙

第一部・第二部 舞台脚本(2023年版)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 東京版(単行本)の表紙

舞台脚本 東京版(単行本)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 東京版(静山社文庫)の表紙

舞台脚本 東京版(静山社文庫)(Amazonで見る)

『ハリー・ポッターと呪いの子』舞台脚本 東京版(静山社ペガサス文庫)の表紙

舞台脚本 東京版(静山社ペガサス文庫)(Amazonで見る)

東京版と愛蔵版の違いは?

東京版は、赤坂で上演されている舞台の台本にもとづく

いちばん大きな違いは、どの舞台の脚本をもとにしているかだ。愛蔵版はロンドン初演の第一部・第二部、合わせて約5時間の二部作の脚本を翻訳したもの。一方の東京版は、休憩を含めて約3時間40分の一部構成に再構成された東京公演の上演台本をもとに、舞台の翻訳を手がけた小田島恒志さん・小田島則子さん夫妻が訳している。

比較愛蔵版(松岡佑子訳)東京版(小田島恒志・小田島則子訳)
もとにした脚本ロンドン初演の二部作(約5時間)の脚本一部構成に再構成された東京公演の上演台本
訳語シリーズ7巻と同じ松岡訳舞台で使われているセリフ
おすすめの人原作シリーズの続きとして読みたい人東京公演を観た人、これから観る人

シリーズ7巻と同じ訳語で物語の続きを読みたいなら、松岡佑子訳の愛蔵版。赤坂の舞台を観た余韻を味わいたい、あるいは観る前に予習したいなら、舞台のセリフそのままの東京版がおすすめだ。

どの本を選べばいい?

目的別のおすすめはこちら

こんな人におすすめの版
原作シリーズの続きとして読みたい舞台脚本 愛蔵版(単行本または新装版)
持ち運びやすさ重視静山社文庫(第一部・第二部の2冊組)
子どもに読ませたい静山社ペガサス文庫(ふりがな付き)
東京公演を観た・観る予定舞台脚本 東京版
英語で読みたい英語版の脚本(Parts One and Two)

英語版も、特別リハーサル版と、上演後の修正を反映した決定版の脚本が出版されている。セリフ中心の脚本は文章が短く、英語の多読に挑戦したい人にも向いている。

『呪いの子』はどんな物語?

ハリーの息子アルバスとスコーピウスが、逆転時計で過去を変えてしまう

物語の舞台は、『死の秘宝』のエピローグと同じ19年後のキングズ・クロス駅から始まる。主人公は、ハリーの次男アルバス・セブルス・ポッター。「英雄の息子」という重圧に苦しむアルバスは、ホグワーツでスリザリンに組分けされ、ドラコ・マルフォイの息子スコーピウスと親友になる。

父ハリーとの関係がこじれていくなか、アルバスは三大魔法学校対抗試合で命を落としたセドリック・ディゴリーを救おうと、スコーピウスとともに逆転時計で過去へ向かう。しかし、過去へのわずかな介入が現在を大きく書き換え、ついにはヴォルデモートが勝利した世界まで生まれてしまう。親子の確執と和解、そして友情を軸に、シリーズのキャラクターたちのその後が描かれる。

舞台『呪いの子』はどこで観られる?

日本では東京・赤坂のTBS赤坂ACTシアターで上演

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』は、2016年にロンドンで初演されて以来、ニューヨークのブロードウェイなど世界各地で上演されてきた。日本では2022年からTBS赤坂ACTシアターでロングラン上演されてきた(最新の上演情報は公式サイトで確認してほしい)。ハリー役を複数の俳優が交代で演じていることでも話題になった。本で物語を知ってから舞台を観ると、魔法の演出の驚きをいっそう味わえるはずだ。

まとめ:『ハリー・ポッターと呪いの子』の本の要点

  • 『呪いの子』の本は小説ではなく、舞台の脚本として出版されている
  • 日本語版は、松岡佑子訳と、東京公演にもとづく小田島恒志・小田島則子訳の東京版の2系統
  • 松岡訳には単行本、文庫2冊組、ふりがな付きの児童向け文庫、1冊にまとめた新装版がある
  • シリーズの続きとして読むなら愛蔵版、舞台を観た人には東京版がおすすめ
  • 物語は、ハリーの息子アルバスが逆転時計で過去を変えてしまう19年後の物語

小説ではないと知って驚く人も多いが、セリフだけで進む脚本は、むしろ舞台の情景を想像しながら読む楽しさがある。ハリポタの「8番目の物語」を、自分に合った1冊で味わってみてほしい。(フロントロウ編集部)

参照ソース:

  • https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=226340
  • https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=243796
  • https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=151314
元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ