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女性は男性より資産運用が上手? ~運用実績からわかる男女の違いと、女性の資産運用のコツ~

  • 2016.8.18
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© kantver - Fotolia.com

一般的に資産運用に関しては、女性は男性に比べて始めるのが遅く、運用する資金も少なく、運用の仕方はとても保守的である、と特段の根拠もなく思われてきた面があります。

しかし、最近の調査結果では、「女性はよく調べて、自分のゴールに合った運用のやり方を実践し、売買の回数は少なく、市場が急変した時にも比較的冷静である」という傾向が見えています。これは何を意味するのでしょう?

■相場の変動に関わらず、女性の投資成果は男性に勝るとも劣らない

米国で資産運用のオンラインツールを投資家に提供しているオッペンフォリオ社が、自社のユーザー60,000人を分析したところ、株式市場が上昇した2014年は女性の平均リターンが男性の平均リターンを0.4%上回りました。2015年は相場環境が厳しい1年でしたが、女性が平均でマイナス2.5%だったのに対して、男性はマイナス3.8%という結果でした。

もちろん、男性であっても女性であっても素晴らしい投資成果をあげる方はいらっしゃいます。興味深いのは、女性が男性とは違った考え方やアプローチで投資に向き合っているということです。今回はその中の3つ、男女を問わず参考にできる点を紹介します。

■1.普段の生活からヒントを得る

女性は実に一家の消費の7割を担っています。つまり女性は、男性より何倍も、日々さまざまなサービスや商品を判断して購入する「機会」があるのです。

もし、買った商品がとてもユニークで便利だったら、その商品を作った会社を調べてみてください。その企業が若く、急成長を遂げるポテンシャルがある場合、とても良い投資機会になります。個別の企業の株式に投資するのは勇気がいるかもしれませんが、日常の生活の中に、投資のヒントが隠されています。

投資家にとって投資先を調べる最良の方法は、自分の目と耳で実際に見聞きすることだとも言われています。ある会社のプロの女性運用担当者も、ワーキングマザーの自分の生活に欠かせない「もの」や「サービス」を提供してくれているという理由で、草創期のAmazon やAppleやディズニーに投資した、という経験があります。近年、何れの企業の株価も高水準をマークしています。

■2.気質の違い

個人差はもちろんありますが、一般的に男性は投資の分野でも「一発ホームラン」を狙いがちなのに対して、女性はシングルヒットの積み重ねを意識する傾向にあります。

2013年の米国フィデリティの調べでは、男性は女性に比べ自己の資産を100%株式に投資している人が多く、また先述のオッペンフォリオ社によると、男性の運用は、資産の増減が激しい傾向が出ているとのことです。

例を挙げましょう。

男性と女性が同じ10万円をもっていたとして、男性が大きく値上がりする可能性のある株を2銘柄買い、女性は配当の高い優良企業の株を2銘柄買ったとします。優良企業は1年間で各1割、値上がりしたとすると1年後、女性の資産は11万円になります。

一方、男性の購入した銘柄は、1銘柄は倍に値上がりしましたが、1銘柄は9割値下がりしたとすると、1年後の資産は10万5000円です。

一見すると2倍に高騰した銘柄をもっていたほうが、リターンが大きかったように思うかもしれませんが、結果は逆になります。リスクを管理し、大きな損失を防ぐことが投資にとって、とても重要なのです。

■3. ゴールを見据えて長期投資

米国で30年以上、個人投資家に投資アドバイスを行ってきたSallie Krawcheck(女性)は、「男性は競争が目的になりがちだけど、女性はゴールに対しての達成度を重視する」と言います。市場の動きや周りがどうしているかに関係なく、女性のほうが一旦決めたゴールへの意識が強いようです。

そのことは、売買頻度にも表れます。米国で、90年代にわたって38,000世帯の投資行動を調査した分析があります。それによると、男性は女性に比べ45%売買の頻度が高く、その成果は、年率0.94%ほど女性投資家を下回ったというものです。オッペンフォリオの分析でも、60,000人のうち、2015年1年間で男性が平均7.4回売買取引を行ったのに対し、女性は5.1回でした。

売買をしていないと「投資していない」と思う人もいるかもしれませんが、かの世界的に有名な投資家のウォーレン・バフェットも、「最上の投資は怠け者と紙一重」と言っています。行動を起こすばかりが投資ではありません。

日常の消費行動でのご自身の目利きをベースに、ゴールを見据えてじっくり長期投資を行う女性は、男性とは違った観点で、むしろ投資に向いている点が多々あります。

とは言え、誰にも相談せずに1人で考えるのは、ときにリスクになります。女性は投資に向いている、と自信を持って、必要に応じプロのアドバイスも活用しながら、自分に合った資産運用を模索していかれることをお勧めします。

(高橋智恵)

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