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義父の葬儀で「他人は帰って」と義妹に追い返された私→遺産を独占するつもりの義妹が、数日後に泣きついてきたワケ

  • 2026.10.15

夫を亡くしてからも、義父の介護を続けてきた私。ようやく見送った葬儀の場で待っていたのは、義妹からの「嫁なんてもう他人でしょ」という冷たい言葉でした。勝ち誇ったように私を追い返した義妹は、まだ知らなかったのです。数日後、自分が電話口で取り乱すことになるとは……。

「他人のあなたが、なんでここにいるの?」

義父の葬儀の日、受付に立っていた私のもとへ、義妹がつかつかと歩いてきました。

「なんで他人のあなたが受付に立ってるの? お兄ちゃんが死んだ時点で、嫁なんてもう他人でしょ」

周りに聞こえるほどの声でした。葬儀の準備をすべて私に任せてきたのは、ほかでもない義妹です。それなのに、義妹は鼻で笑いました。

「当日は娘の私が仕切るに決まってるでしょ。あなたがウロウロしてたら、親戚が『あのお嫁さんにも取り分があるの?』って勘違いするじゃない。遺産の取り分が減るから、今すぐ帰って」

不思議と、怒りは湧いてきませんでした。

「わかった。じゃあ、帰るね」

「あ、香典は置いていってよね。介護ではお世話になったけど、もう用済みだから」

私は香典を置き、祭壇の義父に最後のお別れをしました。

「今まで、お世話になりました。後のことはよろしくね」

そう言って、斎場を後にしました。

夫が遺したものは、義実家に持っていかれた

夫が病気で亡くなったのは10年前。あっという間のことで、遺言書を用意する時間はありませんでした。入院中、夫は親友の手を握り、「俺がいなくなったら妻を頼む。残せるものは全部、妻に残す」と話していたそうです。

ところが葬儀が終わるとすぐ、義妹が相続の話を持ち出しました。

「お父さんにだって相続する権利があるの。お兄ちゃんを育ててくれた父親なんだから、財産のほとんどを渡すのが筋でしょ。あなたも家族なら、それくらい分かるわよね」

専業主婦で夫を亡くしたばかりの私は、悲しみに暮れ、義妹に言い返す気力もありませんでした。義父自身も財産の大半を受け取ることを望んでいたため、結局、私はわずかな預金だけを受け取り、残りを義父が相続するという遺産分割協議書に判を押しました。

後になって、私には遺産の3分の2を相続する権利があったと知りました。それでも、あのとき自分で同意した以上、今さら蒸し返すつもりはありませんでした。

数年後、義父に介護が必要になると、義妹は「嫁なんだから親の面倒は見るものでしょ」と言ってきました。複雑な思いはありましたが、夫にとってはたった一人の父親です。夫が生きていたら、きっと見捨てなかったはず。そう思い、私は義実家に移り住んで介護を引き受けました。

義妹は「私も手伝う」と言いながら、一度も実家に来ませんでした。そのくせ、たまの電話では「遺産が入ったら仕事を辞めたい」「大きい車に買い替えたい」と話していました。

夫の親友が代わりに怒ってくれた夜

その夜、夫の親友から電話がありました。追い返されたことを話すと、彼は声を荒らげました。

「散々『嫁なんだから』って頼っておいて、最後は他人扱いかよ。あいつが生きてたら黙ってないぞ」

介護の間、義妹が旅行やランチ会の写真をSNSに投稿していたことも、彼は知っていました。

「今は『特別寄与料』っていう制度もあるらしい。旦那さんが亡くなっても、義理の親族関係は法律上続くんだって。せめて請求しなよ」

けれど、私は首を横に振りました。

「ありがとう。でも、お金は要らない。あの家とは、きれいに縁を切りたいの」

義父を最後まで見送り、妻としての義理は果たしました。受付で「帰って」と言われたとき、長いあいだ背負ってきた荷物を、ようやく下ろしていいと言われた気がしたのです。新しい住まいも、最近契約を済ませたところでした。

「さすがだな。あいつ、本当にいい奥さんをもらったよ」

電話の向こうで、彼が少しだけ笑いました。

「数千万円の通帳はどこ?」

数日後、義妹から電話がありました。

「実家をひっくり返したけど、お金がどこにもないの! 数千万円入ってるはずでしょ!」

義父は以前、親戚の前で「老後の金なら数千万はある」と自慢していました。昔から羽振りはよかったものの、持ち家にはこだわらず、家は長年の借家。義妹にとって、頼みの綱は預金だけでした。ところが通帳の残高は数万円。銀行に問い合わせても、結果は変わらなかったそうです。

「あんたが隠したんでしょ! 返さないなら警察に通報するから!」

「隠してなんかいないよ。お義父さんは、生きているうちにご自分で使い切ったの」

義父のお金はどこへ?

「亡くなる前の4年ほど、お義父さんは毎日のように特上のお寿司を取っていたの」

「毎日? そんなわけ……」

「飽きたら今度は松阪牛のすき焼きを週に何度も。2万円のメロンを箱で買ったりして、食費だけで月100万円近くになることもあったかな」

「ひゃ、100万円!?」

義妹の声が裏返りました。けれど、義父の買い物は食べ物だけではありません。

「通販にもはまってね。マッサージチェアを3台買ったときは、さすがに驚いた」

「3台!? 1台で十分でしょ!」

「肩用と腰用と足用なんだって。ほかにも1本10万円のお水の定期便に、300万円の特注のお布団」

「10万円の水って……そんなの騙されてるだけじゃない!」

「それから、好きな演歌歌手のディナーショー。毎回特等席で、1回50万円くらい」

「やめてよ……もう、やめて……」

最初の勢いが嘘のように、義妹の声は小さくなっていきました。

「なんで止めなかったのよ! 嫁でしょ!」

「何度も止めたし、お医者さんやケアマネジャーさんにも相談した。でもお義父さんは最後まで頭がはっきりしていて、ご自分のカードで、ご自分の意思で買っていたの。それに、あなたにも相談しようと電話したよね。『忙しいんだから、いちいち電話してこないで』って切ったのは、あなたのほうだよ」

義妹が息をのむのが分かりました。

「『嫁は黙って言うことを聞いていればいい』。そう言ったのも、あなただったよね」

長い沈黙のあと、義妹がつぶやきました。

「……お父さん、私のことなんて、これっぽっちも考えてなかったってこと?」

「そうかもしれないね。でもあなたは、お義父さんのことを一度でも考えたことがあった?」

新車とハワイ旅行の行方

「どうしてくれるのよ! 車はもう契約したの! ハワイも予約したのに! 旦那になんて言えばいいのよ!」

遺産を当てにして、オプション付きの新車を契約し、家族旅行まで予約していたのです。

「子どもたちも楽しみにしてるのに!」

「見切り発車したのはあなたでしょう。お子さんには、ちゃんと謝ってあげてね」

「弁護士に相談するから! あんたが使い込んだに決まってる!」

「どうぞ。むしろ、そのほうがはっきりして助かるよ」

使い込みを疑われることは想像がついていました。だから私は、介護を始めた日から毎日、日誌をつけていたのです。義父が希望して買ったものも、通帳やカードの明細とすべて照らし合わせられます。

「それに、無償で長年介護をしてきた親族は、条件を満たせば相続人に特別寄与料を請求できるんだって」

「えっ……私があんたに払うってこと!?」

さっきまでの剣幕はどこへやら、義妹はひどく慌てていました。

「安心して。お金はほとんど残っていないし、請求もしない。でもあなた、介護をしていた私にも権利があるなんて、考えたこともなかったでしょう?」

義妹は、何も答えませんでした。

「その代わり、もう二度と連絡してこないで」

「家族なんだから助けてよ」

「待ってよ……お兄ちゃんの嫁なんだから助けてよ! 困ったときは助け合うのが筋でしょ!」

「夫を亡くして途方に暮れていた私に、お義父さんのために遺産のほとんどを譲れと言ったのは誰だった? あのとき、『お父さんにも相続する権利があるんだから』って言ったよね」

「……」

「今回も遺言書はない。お義父さんが、ご自分のお金をご自分の意思で使っただけ。……これ、どこかで聞いた理屈だと思わない?」

電話の向こうから、すすり泣く声が聞こえてきました。

「あのとき私がどんな気持ちだったか、少しは分かってくれた? 借金が残らなかっただけ、よかったと思って。それじゃ、お元気で」

数週間後、私は姻族関係終了届を出し、法律の上でもあの家との関係に区切りをつけました。

義妹は親戚に「兄嫁に復讐された」と泣きついたそうです。ところが、夫の法事で顔なじみになった夫の親友から、昔の遺産のいきさつを聞いていた親戚がいました。

「介護を全部任せておいて、最後は葬儀から追い出したの?」

「お兄さんの遺産まで、お父さんにほとんど渡させたんでしょ? それで介護も全部任せて、まだお金が欲しいの?」

味方になってくれる人は、誰もいなかったそうです。新車は特別仕様ですでに生産が始まっていて販売店ともめ、旅行のキャンセル料と合わせて200万円近い負担になったとか。旦那さんにもひどく叱られていると聞きました。

私はいま、新しい部屋で穏やかに暮らしています。あの日の「他人は帰って」は、私をあの家から解放してくれた言葉だったのだと思っています。

◇ ◇ ◇

家族だからと助けを求めながら、自分に都合が悪くなると他人扱いする。そんな身勝手な態度では、信頼関係を保つことは難しいのでしょう。長年尽くしてきた相手であっても、理不尽な要求であれば受け入れ続ける必要はないのではないでしょうか。これまでの関係に区切りをつけ、自分の穏やかな暮らしを守ることも、大切な選択なのだと感じさせられますね。

【取材時期:2026年10月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

ベビーカレンダー編集部

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