1. トップ
  2. スポーツ
  3. プレミアリーグ、データが指摘する「判断ミス」が多い選手TOP10…1位はユナイテッドのあの選手

プレミアリーグ、データが指摘する「判断ミス」が多い選手TOP10…1位はユナイテッドのあの選手

  • 2026.10.10

サッカーで最も難しい能力の一つが「判断」である。同じ状況にいくつもの選択肢があり、その一瞬がゴールにもボールロストにもつながる。

『Football365』は、データ分析会社Gradient Sportsの「possessions with a better option」という指標を使い、2026-27シーズンのプレミアリーグで「実際に選んだプレーより良い選択肢があった」と判定された回数の多い選手を紹介した。

なお、同じ回数で並んだ場合は「90分あたりの割合が多い選手」が上位になっているとのこと。

10位:ペドロ・ポロ

所属:トッテナム・ホットスパー

より良い選択肢があったポゼッション:7回

TOP10で唯一7回でのランクインだが、出場時間を踏まえると数字の重みは大きい。今季90分以上プレーした選手のなかで、90分あたり2.96回はリーグ最多だという。

しかも、その大半がシュート選択に関わる。今季放った7本のうち6本について、ほかに良い選択肢があったと判定されている。

ただ、高い位置まで上がってエリア外から右足を振るのは、以前からポロの持ち味だ。実際にロングシュートを沈める力もあるため、本人の中では十分に狙う価値がある場面も多いのだろう。

ロベルト・デ・ゼルビ監督も積極性そのものを消す必要はないはずだ。課題は「撃てる」と「撃つべき」の区別だけであり、今後さらに厄介な攻撃型SBになる可能性は高い。

9位:イゴール・チアゴ

所属:ブレントフォード

より良い選択肢があったポゼッション:8回

センターフォワードだから、無理に撃った場面が多いのかと思えば、実はそうではない。Gradient Sportsによると、チアゴの場合は「別のプレーを選ぶべきところでシュートを打った」より、「自ら運ぶことを選んだが、ドリブル以外のほうが良かった」ケースのほうが多いという。

これはスタイルをよく表す数字だ。チアゴはゴール前で待つだけのフィニッシャーではなく、前線で受けてフィジカルを生かして自ら前進できる選手である。

ただ、カウンターで受けた際に1対1を選ぶより、追い越してくる味方へ落としたほうが攻撃が続く場面もあるともいえる。

8位:リアム・デラップ

所属:ノッティンガム・フォレスト

より良い選択肢があったポゼッション:8回

同じ8回ながら、内訳はチアゴと対照的だ。Gradient Sportsによれば、8回のうち6回がシュートを選んだ場面であり、「撃たずに別のプレーを選ぶべきだった」と判定されたようだ。

しかも出場時間を考えると頻度は高い。TOP10のうち8人は、デラップより100分以上多くプレーしている。

とはいえ、これはストライカーとしての積極性の裏返しでもある。コースが少しでも見えれば迷わず振る姿勢は、決して悪いことではない。持ち前のパワーと直線的なプレーを保ちながら、一つ余分に味方を見られれば、チームの決定機も増える。

7位:アレックス・スコット

所属:ボーンマス

より良い選択肢があったポゼッション:9回

『Football365』は「疲れて判断を誤っているのかもしれない」と書いていた。スコットは今季、総走行距離でリーグTOP5、高速ランニングではTOP3に入るほど動いているからだ。

もちろん走行距離と9回に直接の因果関係はない。ただ終盤に疲労が溜まれば、普段なら見える味方の動きを見落とすことも、早めに出すべき場面で持ちすぎることもある。

スコットの魅力は、自ら運べるMFであることだ。プレッシャーを受けてもターンし、ドリブルで中盤を割れる。現代の中盤では突破力と同じくらい「どこで預けるか」が重要になるということでもある。

6位:ジェームズ・マカティー

所属:ノッティンガム・フォレスト

より良い選択肢があったポゼッション:9回

数字だけを見れば判断面の課題に映る。だが今季のマカティーは、それ以上に「チャンスを作る選手」として際立っている。

『Football365』によると、彼より多くチャンスを創出しているのはリーグでわずか5人。キーパス数ではリーグ最多を記録しているという。

攻撃の最後に関わる回数が多ければ、難しい判断を迫られる回数も増える。ラストパス、ドリブル、シュートを頻繁に選ぶ選手は、決定機を生む代わりに失敗も抱えるものだ。

オリヴァー・グラスナー監督のもとで攻撃の中心を任されている彼に必要なのは、判断を安全にすることより、大胆さを保ったまま正解率を上げることかもしれない。

5位:コール・パーマー

所属:チェルシー

より良い選択肢があったポゼッション:9回

チェルシーの攻撃を背負うコール・パーマーもTOP5に入った。9回のうち3分の2にあたる6回が、シュートを打った場面に関係しているという。

ただ、パーマーは普通ならパスを選ぶような位置からでも決められる。左足の精度、シュートレンジ、GKとの駆け引き。データ上は低確率でも、本人には現実的な選択肢になる場面があるものだ。エースには自分で試合を決める責任もある。

『Football365』はこの数字を、「本来の調子を取り戻していることを考えれば小さな代償だ」と表現している。

4位:マテウス・クーニャ

所属:マンチェスター・ユナイテッド

より良い選択肢があったポゼッション:9回

彼のデータで際立つのはシュートの判断だ。今季放った13本のうち、実に7本で「ほかに良い選択肢があった」とされている。

クーニャは自ら持ってゴールへ向かえるアタッカーだ。ただ、前線にタレントが揃うユナイテッドでは、一人で仕上げることが最善とは限らない。自分にDFが寄った瞬間、別の選手が空いている可能性も高い。

中央へドリブルすれば相手は内へ絞る。そこでサイドへ出せば、より広いスペースから攻撃を続けられる。それでも本人にはシュート能力があるため、自ら狙いたくなるのだろう。

3位:フリオ・エンシソ

所属:イプスウィッチ・タウン

より良い選択肢があったポゼッション:9回

昇格組イプスウィッチの攻撃を牽引するパラグアイ代表。Gradient Sportsによれば、「ほかに良い選択肢があったのにシュートを打った回数」はリーグで2番目に多いという。

彼の最大の魅力の一つが強烈なミドルシュートで、多少距離があってもコースが見えれば迷わず狙う。昇格クラブが強豪相手に何度も完璧な決定機を作れるとも限らず、多少確率が低くても個人技に賭ける価値のある試合はある。

ただ、相手がシュートを警戒して距離を詰めれば、その瞬間に別の選手へスペースが生まれるともいえる。そこでの判断まで手にすれば、チームの攻撃全体を操れる存在になる。

2位:モハメド・ベルミ

所属:ハル・シティ

より良い選択肢があったポゼッション:9回

3位から7位までと同じ9回だが、全ポゼッションに占める割合によって2位となった。

もっとも、この数字でベルミを問題視するハルのサポーターはほとんどいないだろう。今季序盤ですでに2ゴール2アシスト。昇格クラブの攻撃を支える存在になっている。

サイドから積極的に仕掛け、自らフィニッシュまで持ち込み、最後のパスも出せる。ただドリブルを続けるか、中央へ渡すか、自分で狙うか。選択肢が多いほど、結果論として別のほうが良かったと判定される機会も増えるものだ。

すべての場面で最も安全な選択をする選手が、最も危険なアタッカーとは限らない。9回の不正解より、4つのゴールに直接関与した積極性のほうがはるかに大きいともいえる。

1位:ブルーノ・フェルナンデス

画像: (C)Getty Images
(C)Getty Images

所属:マンチェスター・ユナイテッド

より良い選択肢があったポゼッション:13回

唯一の二桁。1位はマンチェスター・ユナイテッドのキャプテンだった。彼には以前から、ボールを簡単に失いすぎる、リスクの高いプレーを選びすぎるという批判がある。今回のデータは、その裏付けにも見える。

ただ、昨季プレミアリーグで作ったチャンスは138回。2位のドミニク・ソボスライは78回で、60回もの差がある。そして今季も、センターバックを除けばエリオット・アンダーソンに次いでリーグで2番目に多くボールを持つ機会を得ている。

安全なパスを選べば、13回は簡単に減るだろう。その代わり、最終ラインを破るスルーパスや一発で局面を変えるクロスも減る。必要なのはリスクをなくすことではなく、取る価値のある機会をより正確に見極めることなのかもしれない。

※選出基準は、各選手の実績に基づきながら筆者またはメディアの主観的判断も含んでおります。

筆者:石井彰(編集部)
画像提供:Getty Images

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ