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【60代ファッション】シニア世代のバッグ選びは難しい?軽くてカジュアルなバッグが今の気分【石川三千花さん・エッセイ】

  • 2026.10.11

はるか昔に購入したバッグを、いいものだからと、ずーっと使い続けていませんか?
バッグはおしゃれの大切なポイント。いまの自分にぴったりのものをぜひ手に入れてください。 


サッカーW杯のイケメン選手たちが移動する際に持っていた高級ブランドのバッグ。誰ひとりとしてかぶることなく、それぞれがいかにもコダワリを持って選んでいる感じで、当然、それらのバッグの情報(ブランド名やネーミングなど)は瞬く間にSNSで拡散された。売れたでしょうね〜、彼らと同じブランドバッグ。人気選手たちは動く広告塔ですもの。
 
それで、はたと気がついた。高齢となった自分の夫のバッグはどうであったかと。もともと自由業の夫は根っからのカジュアル派なので、いわゆるビジネスマンが持つようなブリーフケースとは無縁だが、だからといってブランド品にこだわるタイプではない。
 
夏場になると布製のフラットなトートバッグを使っていたが、ある日、もういいトシなのに綿のペラいそれは、いくらなんでもショボ過ぎじゃない? ということになった。それでカジュアルなデザインで、60代の彼にマッチしたバッグを探して伊勢丹のメンズ館に行ったり、もちろんネット検索などもしてみたなかなかピッタリと気に入ったバッグが見つからなかったのだ。

思えば夫だけではなく、私だってバッグはカジュアル一辺倒になった。若いころに喜んで購入したシャネルやプラダのバッグはとんと使わなくなり、夏場はかごバッグが定番。あとはナイロンのリュックタイプを片方の肩にぶら下げるスタイルだ。
 
以前にも書いたが、年を重ねると重いものを身につけるのが嫌になるし、そもそも高級ブランドバッグが似合いそうな洋服のコーディネートをしなくなった。いまの自分のかっこうにちょうどいいアイテムしかほしくないのだ。
 
それでも女性用のバッグは高齢者になっても選択肢が多いから、まだいい。男性用のバッグを探して気がついたが、おしゃれなバッグはほとんどが黒かブラウンで、夏場はそこに白が加わるだけ。カラフルな色のバッグは、いかにも若者仕様。
 
勿論、高齢者が持ってもいいのだが、そういうのはデザインが流行ものっぽい。カラフルなバッグを短めで斜め掛けするおじさんは、見た目ちょっと頑張り過ぎ。案外むずかしい高齢男性のバッグなのだ。
 
ところでバッグを持たない男性も多いと思うが、いまどきの酷暑続きの夏は、飲み物や汗拭きタオル、クーリング用品やスマホも持ち歩くのでバッグは必須アイテム。若い男性なら、日焼け止めクリームや日傘を持つのも普通のこと。メーカーさんには男性用のバッグのバリエーションを増やしていただきたいところです。

イラスト&文/石川三千花
 
※素敵なあの人2026年10月号「石川三千花の素敵とそれなりの間にはvol.75」より
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人 石川三千花さん

映画、ファッションについて独自の観点からイラスト+エッセイを展開。著書に『石川三千花の勝手にオスカー』(集英社)、『勝手にシネマ・フィーバー』(文藝春秋)など多数。

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