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『チュノ』歴史解説②テギルたちが追いかける奴婢は最下層。朝鮮王朝の身分制度とは

  • 2026.10.9

ドラマ『チュノ~推奴~』をより深く楽しむために知っておきたいのが、物語の背景にある朝鮮王朝時代の身分制度だ。

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当時の朝鮮社会では、身分によって人々の暮らしや社会的な立場が大きく異なっていた。一般的には、両班(ヤンバン)、中人(チュンイン)、常民(サンミン)、賤民(チョンミン)といった身分区分が知られている。

なかでも、テギルが追いかける奴婢(ノビ)は、賤民に属する人々だった。

奴婢は主人に仕える立場にあり、労働を担うだけでなく、売買や相続の対象になることもあった。また、官庁に所属する公奴婢と、個人に所有される私奴婢に分けられていた。

自由を制限された生活から逃れようとする奴婢も存在し、そうした逃亡奴婢を追跡して捕らえる者が、ドラマのタイトルにもなっている「推奴(チュノ)」だ。

(写真=2010 KBS All rights reserved)

主人公のテギルは、かつて両班の家に生まれながら、ある事件をきっかけにすべてを失い、推奴として生きることになった。一方、テギルが追いかけるソン・テハも、もともとは朝鮮最強と称された武将だったが、陰謀によって奴婢の身分へと転落してしまう。

さらに、テギルの初恋相手であるオンニョンも奴婢の出身であり、後に両班の身分を手に入れてヘウォンとして生きることになる。
このように『チュノ』では、登場人物たちの運命が身分制度と密接に結びついている。

かつて両班だった男が奴婢を追い、武将だった男が奴婢として追われる。そして、奴婢だった女性が身分を変えて新たな人生を歩む。
それぞれの立場が逆転することで、単なる追跡劇にとどまらない複雑な人間ドラマが生まれているのだ。

テギルが追うのは、単に逃げ出した奴婢だけではない。そこには、自由を求める人々の思いや、身分制度に翻弄された者たちの人生が重なっている。こうした時代背景を知っておくことで、テギルとテハ、オンニョンの行動や葛藤がより理解しやすくなるだろう。

文=森下 薫

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