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“キンブレ”を生んだ会社に潜入! 現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線

  • 2026.10.9

ライブやコンサートはもちろん、アミューズメントパークのイベントや、最近は韓国や日本のデモでも見かけるペンライト。日本だけでなく今や世界を輝かせているのは、いったいどんな会社?

訪問した会社

Information

ルイファン・ジャパン

2011年の設立からペンライト製造をしている、市場のリーディングカンパニー。手掛けるペンラ「KING BLADE」は“キンブレ”の呼び名で知られており、アーティストからの指名コラボも多数。現在は中国の関連工場で年間200万本を製造。コラボ案件は、1年で500件を超えるのだとか。

https://ruifan.co.jp/

お話を伺った方々

Profile

朝倉尚子(デザイナー)、仲村麻緒(営業担当)

朝倉さんはファンシー雑貨のデザイナーを経て現職。創業から参加し、これまで数多くのペンラを手掛けてきた。仲村さんは高校時代学園祭で照明係をしたことがきっかけで照明に興味を持ち、照明会社に就職。その後こちらに入社し、以来6年間「RAVE」のプログラム開発と現場での運用も担当。

今や世界で輝く! 通称“キンブレ”の輝かしい歴史

ペンラを作り始め、15年。パッケージを含めデザインは時代に合わせて変化を重ね、発光技術も大きく進化しています。

“キンブレ”を生んだ会社に潜入! 現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線
“キンブレ”を生んだ会社に潜入! 現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線
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“キンブレ”を生んだ会社に潜入! 現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線

ペン型だけでなく、リングやうちわまで?! 色も形もますます進化中

“キンブレ”を生んだ会社に潜入!現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線

これはほんの一部。他にもペンダントタイプや、デザインを壁に投影できるプロジェクターライトといったものもあるそう。「こういったもともとあるデザインにプリントする、といった形のカスタムだと、短い納期で作れます」(朝倉さん)

ペンライトというと、その名の通り“ペン型”がまだまだ主流ではありますが、ルイファン・ジャパンのショールームの棚には、驚きのデザインのペンラがたくさん! これらは一般販売用ではなく、カスタマイズやオリジナルを作りたいといったオーダーが来たときに見せる用のサンプルだそう。球体だったりハート形だったり、手首で光らせるバングルに、宝石のようなリングライトまで。なんとうちわの形もある!

「デザインを担当するスタッフはアイデア豊富なので、“こんな形のペンラを作りたい!”という提案をしょっちゅうしています。社長は以前、かわいい系のデザインに対しては“それ本当にかわいいの?”とか“人気出るの?”と懐疑的だったんですが、『MINI』がヒットしたことで、以降はかわいいものも作らせてもらえるようになりました。ちなみにうちわ型は、社長からのリクエストで作りました(笑)」(朝倉さん)

発注を受けるオリジナルペンラは、数か月かけてじっくり製作

“キンブレ”を生んだ会社に潜入!現場に欠かせない、ペンライト開発の最前線

上の写真は、実際にあったオリジナルのオーダーの過程で作られた、残念ながら商品にはならなかったモックたち。このような試作を繰り返しながら、ゴールを目指していくのだそう。大変だけど、楽しそう~。

今や年間500件以上ものオリジナルペンラ製作の相談が。ベースのペンラにオリジナルのプリントをしたり、色を変えたり…といったセミカスタマイズのパターンもありますが、形から完全にオリジナルを作りたい、というオーダーも多いそう。新しい形をゼロから作るのは、いったいどうやって?

「デザイン画を持ってこられる場合もありますが、そうでないときは、クライアントが作りたいイメージをこちらでデザインに落とし込み、そこからモック(立体模型)を作り、中国の工場で金型を製作。そこから量産して、船で日本に送ります。例えば12月1日の納品であれば、8月頭に最初の打ち合わせをさせてもらえると、スムーズに進行できるかと。昔に比べてユニークな形や光の種類をリクエストされることが増えているので、難しいと思うことは多いですが、そこはデザイナーとしてのやり甲斐でもありますね」(朝倉さん)

喜んでもらうためには、デザインも色も、ツボを外してはいけない

都内中心部にあるショールームには、オリジナルに加え、アニメ、ミュージシャン、アイドル、VTuber、そして野球チームなどとコラボで作ったユニークなペンライトがズラリ。それを眺めているだけでなんだか心がワクワクしてくる! 今回は、実際にデザインを担当している朝倉尚子さん、無線でペンラを制御し客席を演出するシステムを担当している仲村麻緒さん、そして会社の社長である都茂樹さんの3人に、ペンラにまつわるあれこれについて、語っていただきました。

── 今やコンサートでは欠かせないペンラですが、改めて拝見すると、いろんな形があるんですね。

都 昔は男性ニーズが高かったのでかっこいいものを作っていたんですが、〝推し活〞という言葉が出てきて、気がついたら女性ユーザーがぐっと増えまして。

朝倉 大きなきっかけは、右で紹介している「MINI」の大ヒットです。私はもともと魔法ステッキのようなキラキラ系が作りたかったので(笑)、“かわいいペンラを作らせてください!”と直談判し、製品化したら、ありがたいことに売れまして。そこからペンラのデザインがぐっと自由になった気がします。ペンラは、全てのパーツを一から作ることができるので、オリジナルを作るのもそんなに難しいことではないんです。

── 依頼を受けオリジナルを作る場合、どんなことが大変ですか?

朝倉 ゼロから形を作る場合は、クライアントの希望を念入りにヒアリングすることから始めます。デザイン画を持ってきてくれる方もいれば、イメージを言葉で伝えてくれる方もいて、例えば、“花をモチーフに、なんかかっこいい感じでお願いします!”みたいな(笑)。アーティストの場合は曲を聴いたり、PVを見たり、あと過去のコンサートグッズの情報も相当掘り下げて調べますね。

仲村 私は、ペンラを使った光のシンクロ演出のプログラムを考える仕事をしているんですが、依頼をいただいたら、同じように曲を聴きPVを見て、“この曲はどんな色なのか”を考えて、クライアントに提案しますね。

朝倉 コンサートに来られたり、ペンラを買ってくださる方々は、アーティストを本当に愛している人たち。その方々に“欲しい”と思ってもらったり、喜んでもらうためには、デザインも色も、ツボを外してはいけないですからね。

── この仕事で、一番大事なことはなんですか?

都 当たり前ですが、絶対に納期に遅れないこと。その場に届けられなかったらコンサートが台無しになりますし、また、不良品が当たってしまったらその人だけ全く楽しめなくなってしまうので、不良品も絶対に出してはいけない。そこは常に念頭に置いています。

朝倉 あと、ペンラを振る界隈には“推しの色”やチームカラーがあり、きちんとその色を再現するということも大事です。みなさん色に思い入れがあるので、がっかりさせないようそこは注力します。

── ペンラは、何かを応援する場所の必需品です。なぜペンラがあると、応援が盛り上がるのだと思いますか?

仲村 振ることで参加意識が高まるというのもあるとは思いますが、実はペンラの演出って、アリーナなどの前方の席だとそんなに見えなくて、スタンドとか、後ろの席ほどきれいに見えるんです。

朝倉 後ろだからこそ、光の文字を楽しめたりしますし。

仲村 どんな席でも、その席ならではの美しさがあるって、なんだか素敵なことですよね。

都 もう15年ほどペンライトを作っていますが、やっぱり現場で光っているのを見ると、僕らも何度見ても鳥肌が立ちます。

仲村 私は暗い中で、自分がボタンを押して客席のペンラが一気につく、あの瞬間が好きです。

朝倉 私はなかなか現場に行けないので、SNSでお褒めのコメントを見ると幸せな気持ちになります。魔法ステッキみたいなキラッキラのペンラを作り、それで会場を照らすのが目下の夢です。

仲村 私は、アジアのイベントやライブでの演出はやったことがあるので、次はヨーロッパでシステムを使ってみたいですね。

客席を巻き込み光で演出! 世界から評価が高い無線制御システム

奥のペンラと、タブレット&コントローラーが無線で繋がっており、ボタン1つで光る&変色! 一部を点灯させて、文字などを描き出すことも可能。

いま注目されているのが、無線でペンライトなどの発光を操作し、音楽とシンクロさせながら客席を光の海にする演出方法。ルイファン・ジャパンでは「RAVE」というオリジナルシステムを持っており、ライブはもちろん、テレビの音楽番組や海外の音楽イベントなどでも会場を光で演出しています。

「この演出が最初に使われたのは2011年のColdplayのライブで、LEDリストバンドを観客に配り、曲に合わせて会場全体を照らしました。当時いろんな会社が無線シンクロ演出の開発を始めてはいたのですが、Coldplayのライブがきっかけで“次はこれだ!”と一気に盛り上がり、広がっていきました」

と言うのは、ルイファン・ジャパンの創業者でもある社長の都茂樹さん。アーティストのライブでこの演出を使う場合は、コンサート全体の演出を決める段階から打ち合わせに参加し、光のパターンを考えていくのだそう。

「ライブの規模に合わせて、客席のどこをどう光らせていくかを考えていきます。ドームクラスのライブの場合は、ステージ上の照明を担当するプロの方にも入っていただき、一緒にパターンを考えていきます」(仲村さん)

写真・伊藤夏月 取材、文・河野友紀

anan 2513号(2026年9月30日発売)より

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