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はじめてのハーブ蒸留は鍋でOK!ローズマリーの芳香蒸留水を作る6ステップ

  • 2026.10.3

はじめてのハーブ蒸留は鍋でOK!ローズマリーの芳香蒸留水を作る6ステップ

ハーブを蒸留すると、植物の香りをぎゅっと閉じ込めた「芳香蒸留水」ができるのをご存じですか? 香りを楽しむだけでなく、毎日の暮らしにもいろいろ使えるのが魅力! 南阿蘇を拠点に活動する芳香療法家・菊池友来(ゆき)さんの新刊『蒸留ではじめるハーブのある暮らし』(世界文化社)からご紹介します。第2回は、ハーブ蒸留の実践編です!

はじめての蒸留——庭のローズマリーから始めてみよう

「蒸留を始めてみたいけれど、何から始めればいいの?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

家庭用の蒸留器を使う方法もありますが、まずはご家庭にある鍋を使った「キッチン蒸留」がおすすめです。植物を刻み、お湯を沸かし、蒸留してみる。その時間を過ごすだけでも、蒸留の魅力を十分に感じることができます。

植物の様子や水の減り方、蒸留水が少しずつたまっていく様子を観察しやすいよう、透明なガラス鍋を使ってみるといいかもしれません。

例えば、庭やベランダでも育てている方の多いローズマリー。香りも豊かなので、はじめての蒸留にもぴったりの植物です。もちろん、ミントやゼラニウムなど、お庭にある身近なハーブをミックスしても楽しめます。

【手順】

・ローズマリーは収穫したばかりのフレッシュなものを使います。
・鍋の中央に耐熱ビーカーやコップ(できれば透明なもの)を置きます。
・ビーカーのまわりに細かく刻んだローズマリーを敷き詰めます。
・コップが浮かない程度まで水を注ぎます。
・丸みのある部分が下向きになるように、鍋蓋を逆さまにしてかぶせます。
・かぶせた蓋の上に氷をのせます。
・火にかけます。冷えた蓋で冷却された蒸気が水滴となり、蒸留水が少しずつコップの中にたまっていきます。

【注意点】

・鍋の大きさによって必要な水の量は異なります。空焚きにならないよう注意してください。
・氷はすぐに溶けてしまうため、様子を見ながら素早く交換してください。蒸気が逃げてしまうので、氷の交換は素早く行いましょう。蓋は高温になるので、必ずミトンを着用し、やけどには十分注意しましょう。
・蒸留水はたくさん採ろうとせず、まずは50~100mlほど採れたら十分です。
・採れた蒸留水は遮光瓶に入れ、冷蔵庫で保管し、1週間を目安に使い切りましょう。

化粧水としてはもちろん、さまざまなレシピにも活用できます。最初から上手に作ろうとしなくても大丈夫です。まずは「蒸留ってこんな時間なんだ」と、香りや空気の変化を楽しむことから始めてみてください。きっと植物との距離が、今より少し近く感じられるはずです。

私が開発した蒸留器「SOMA(ソーマ)」のこと

蒸留に興味を持つ方が増え、「家庭で気軽に使える蒸留器はありませんか?」という質問を、生徒さんやレストランのレシピ開発者の方からいただくようになりました。そのうち、私の中に「こんな蒸留器があったらいいな」という思いが少しずつ育っていきました。家庭で扱いやすく、少ない手間と時間で質の高い芳香蒸留水が採れること。使わない時もインテリアとして美しく、セッティングが楽だから何度でも使いたくなる。そんな一台を目指して開発が始まりました。

特に時間をかけたのが、冷却器の設計です。氷や冷却水の交換をできるだけ少なくしながら、また、採れた蒸留水が熱にさらされないよう、蒸留器内部ではなく、外側へ落ちる設計としました。そして蒸留器に入れた植物の様子や、蒸留中に香りが雫となって落ちる過程が目で楽しめるガラス製にこだわりました。

着想のもとになったのは、江戸時代に日本へ伝わり、「らんびき」と呼ばれた陶器製のアランビック蒸留器です。最上段に冷却水を入れ、中段で蒸留水を受け、口を通して外へ抽出する特徴的な三段構造を、耐熱理化学ガラスを用いてアレンジ。蒸留器「SOMA」が生まれました。

SOMAの名は、古代インドの聖典「リグ・ヴェーダ」に登場する植物の名で、そこから搾り出された「神々の飲み物」に由来します。古くから人々が大切にしてきた植物の恵みを、もっと身近に楽しんでほしい。そんな願いを名前に込めています。

植物蒸留の基本手順

庭や身近な場所で採れたフレッシュハーブを使って、植物蒸留を始めてみましょう。「SOMA」(前述)を例に、蒸留器の基本的な使い方をご紹介します。

【ポイント・注意点】

・採れる蒸留水の目安は、150~250ml程度となります。これ以上採りたい場合は、中の植物を入れ替えてください。
・蒸留中はやけどに十分気をつけてください。
・蒸留器は粗熱が取れてから洗浄しましょう。洗浄の際、破損には十分気をつけてください。
・ガラスの折り返し部分の細かな洗浄、ガラス管の洗浄には、無水エタノールが効果的です。ゴム手袋をしてご使用ください。
・耐熱ガラスを使用していますが、直火での利用は破損の恐れがあるのでおやめください。

①金属製の台座の上まで、水を入れます。あらかじめ温めておいたお湯を入れると蒸留時間が短縮されます。水はミネラルウォーター、湧水、浄水のものを使用しましょう。

②台座の上に蒸留するハーブや植物を入れます。蒸留器の8割~9割の量を目安にしてください。蒸気を通すためにふんわりと入れるのがコツです。

③蒸留水が出てくる、L字型のガラス管を取り付け、蒸留水を受けるビーカーを下に置きます。冷却水を排出させる部分に透明ホースを取り付け、水受けを置きます。シンク等に直接流してもかまいません。上部の冷却装置をセットします。

④冷却装置に水と氷を入れ、IHヒーターの電源を入れて加熱を開始。沸騰したら、中~弱火にします。沸騰後、蒸留水が落ち始めるのでビーカーでしっかり受け止めます。氷が溶け切る前に、水を排出させながら追加の氷を加えてください(2~3回程度)。

⑤蒸留器の中の水が1/5程度になったら加熱をストップし、蒸留を終えます。空焚きには注意してください。ここまでで約45分程度が目安です。

※この記事は『蒸留ではじめるハーブのある暮らし』菊池友来著(世界文化社刊)の内容を、ウェブ記事用に再構成したものです。

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