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世界一うるさい鳥は「削岩機」並――その2種の鳥とは?

  • 2026.10.2
世界一うるさい鳥は「削岩機」並――その2種の鳥とは?
世界一うるさい鳥は「削岩機」並――その2種の鳥とは? / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

朝、窓の外から聞こえる小鳥のさえずりで目を覚ますと、なんだか少しだけ優しい気持ちで一日を始められる気がします。

ところが世界には、そんな「かわいい鳴き声」のイメージを吹き飛ばすほどの大声で鳴く鳥がいます。

米マサチューセッツ大学アマースト校の研究チームはこのほど、123種の鳥の声の大きさを野外で測り、鳥がどれほど大きな声を出せるのかを調べました。

その調査の中から、「世界一声の大きい鳥」の座をうかがう新たな候補が名乗りを上げています。

いったいどんな鳥が、どれほどの大声で鳴いていたのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年9月29日に『Evolution』にて発表されました。

目次

  • ゴルフの道具を手に、123種の鳥の声を測る
  • 「世界一の大声」に名乗りを上げた2種の鳥とは?

ゴルフの道具を手に、123種の鳥の声を測る

ゴルフの道具を手に、123種の鳥の声を測る
ゴルフの道具を手に、123種の鳥の声を測る / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究を行ったのは、同大学の生物学者ジェフ・ポドス氏と、その元大学院生のジョアン・メネゼス氏です。

ポドス氏は2019年、アマゾンにすむシロスズドリの鳴き声が約125デシベル(デシベルは音の大きさを表す単位)で、世界一大きな鳥の声だと突き止めた人物でもあります。

声の大きさは、鳥どうしのやりとりにとってとても大切です。

音がどこまで届くかを左右し、鳴いている鳥についての情報を聞き手に伝える役目もあるからです。

それなのに、鳥の声の大きさはこれまであまり調べられてきませんでした。

野外で正確に測るのが、とてもむずかしかったからです。

音の大きさは距離によって変わるため、すぐそばでは耳をつんざくような声でも、遠く離れればほとんど聞こえなくなります。

鳥をつかまえて実験室で測る方法もありますが、国をまたいでたくさんの鳥を比べるには現実的ではありません。

そこでチームが取り入れたのが、ゴルフの世界で生まれた「レンジファインダー(レーザーで目標までの距離を測る道具)」です。

これを持ち運べる騒音計(音の大きさを測る機械)と組み合わせ、声の大きさと鳥までの距離を同時に測れるようにしました。

ポドス氏は「現地に足を運ばなければなりません」と語り、アマースト周辺やブラジル各地でメネゼス氏の測定を手伝いました。

こうして集まったのは123種ぶんのデータで、そのうち113種は、これまで声の大きさが一度も記録されたことのない鳥でした。

では、測ってみた鳥たちの声には、どれほどの差があったのでしょうか。

「世界一の大声」に名乗りを上げた2種の鳥とは?

「世界一の大声」に名乗りを上げた2種の鳥とは?
「世界一の大声」に名乗りを上げた2種の鳥とは? / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

測定の結果、鳥が出せる最大の声の大きさは、種によって大きく違うことが分かりました。

いちばん小さかったのはハチドリの一種で、1メートルの距離で64デシベルでした。

米科学メディア「Popular Science」によると、これはふつうの人の会話くらいの大きさです。

一方、いちばん大きかったのはカザリドリの仲間の一種で、122デシベルに達しました。

同メディアは、鳥の声の大きさには58デシベルもの開きがあったと伝えています。

そしてこの調査から、「世界一声の大きい鳥」の新たな候補として、2種の鳥が浮かび上がりました。

その2種とは、ハダカノドスズドリ(Procnias nudicollis)とアカノガンモドキ(Cariama cristata)です。

同メディアによれば、この2種の声は120デシベルを超え、チェーンソーや削岩機のそばに立つよりも大きいといいます。

記事で紹介されていた画像はこちら(画像1、画像2)

ハダカノドスズドリの鳴き声はこちら

アカノガンモドキの鳴き声はこちら

次にチームは、なぜ一部の鳥がこれほど大きな声を出せるのかを、体の特徴から探りました。

すると、体が大きい種ほど、そしてくちばしを大きく開けられる種ほど、最大の声が大きくなる傾向がありました。

同メディアによると、声の大きい鳥はたくましい筋肉をもっており、それが空気を強く押し出して爆発的な声を生んでいる可能性があります。

くちばしの開きが広いことは、トランペットのように口の広い楽器が音を大きくするのと似ています。

一方でチームは、鳥の暮らし方と声の大きさの関係も調べていました。

飛ぶのが苦手で、木々の茂った森にすみ、複数の相手とつがう鳥ほど、声が大きいのではないかと予想していたのです。

飛ぶ力の弱い鳥は動けない分を声でおぎない、大きな声でより多くの相手を引きつけられるはずだ、という考えです。

しかし、飛ぶ力、すむ場所の茂り具合、つがいの形のどれも、声の大きさにはっきりした影響を示しませんでした。

メネゼス氏は「大きな体と広いくちばしという“どうやって”の一部は分かりましたが、“なぜ”はまだ見つかっていません」と語っています。

そして、その答えに迫るには、もっと多くの種からずっと多くのデータが必要だろうとも述べています。

研究チームは今回の成果を、鳥が陸の動物の中で最も大きな音を出せる理由を解き明かすための一歩だとしています。

ふだん何気なく聞いている鳥の声も、その大きさの裏には、体とくちばしという「楽器」の作りが関わっているのかもしれません。

なかなか起きられない人は、いっそ目覚まし代わりに鳥を1羽……と考えたくなりますが、ご近所のためにも思いとどまったほうがよさそうです。

参考文献

The world’s loudest birds squawk as loud as a jackhammer (Popular Science)
https://www.popsci.com/environment/worlds-loudest-birds/

元論文

Evolutionary drivers of vocal amplitude in birds
https://doi.org/10.1093/evolut/qpag153

ライター

山下 浩介: むずかしい研究を、なるべく分かりやすく伝えたい。専門の言葉はふだんの言葉に置きかえて、身近な例で例える。それで「わかった」「楽しかった」と言ってもらえたら嬉しいです。 好きなのは、通学路や台所や日常の中にある科学。眠っているあいだに記憶が整理される話や、虫の鳴き方に意味がある話のように、読み終わったあとに誰かへ話したくなる研究を探しています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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