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次世代スターがご案内! 歌舞伎のとびら【vol.10 尾上眞秀さん】

  • 2026.10.1
🄫松竹

踊りやお囃子など、小さい頃から多岐にわたる稽古を重ね、芸を身につけていく歌舞伎俳優。2017年に4歳で初お目見得をし、現在14歳の尾上眞秀さんは今、どんな修業をされているのでしょうか――。

5つのお稽古事と部活の野球!

物心つく前から歌舞伎が日常にあり「気づいたときは好きでした」と笑顔の眞秀さん。最初にお稽古を始めたのは日本舞踊だそうです。

「2、3歳だったので、その頃の記憶はありません(笑)。それからずっと尾上菊之丞先生のもとに通っていて、今は藤間のご宗家(藤間勘十郎)にも教えていただいています」

続いて小学1年生の頃に始めたのが常磐津。「最初は声を出すのも恥ずかしかったのですが、今は兼太夫先生と一緒に歌えるのが楽しいです。同じ頃、お能の謡(うたい)と仕舞のお稽古も始めましたが、これは難しくて、ついていけていない感じが……。ただ、頭がぶれないようなすり足や姿勢が基本で、歌舞伎に役立っています」

お稽古事で「一番好き」というお囃子を始めたのは小学3年生の頃。「特に太鼓が好きで、速い曲にも意外とついていけます! 2年前からはお三味線も習っています。最初はバチが糸(弦)に当たらず、空振りしていたのですが、だんだん当たるようになり、舞台ではお囃子やお三味線の音を集中して聴けるようになりました」

5つの習い事に加えて、中学では野球部に所属し、週数回の練習に励む日々。「部活の後にお稽古があると全然頭に入らなくて(笑)。でも、全部のお稽古が歌舞伎につながっているので、大変だけど楽しいです。基礎をしっかりとつけることが、将来たくさんの役を演じる力になると思うので、頑張ります!」

〝おもしろすごい〟役者を目指して

これまで勤めた役から印象深い役を伺うと、立役と女方、両方を兼ねる音羽屋らしく、『連獅子』の仔獅子の精と『鏡獅子』の胡蝶の精が挙がりました。

2026年4月歌舞伎座での『連獅子』仔獅子の精。「ダイナミックに自由だ!という心で踊ったので、開放感があり気持ちよかったです」 🄫松竹

『連獅子』は一昨年、尾上右近さんの自主公演で勤めた際、「初めてやめたいと思うくらい大変でした」と話します。その壁を乗り越えられたのは、「お母さんがいっぱい支えてくれたから」。

「頑張って踊り終えたときは本当に気持ちよかったです。今年4月に右近さんと再び『連獅子』を踊れたことも、すっごく嬉しかったです!」。胡蝶の精を勤めたのは昨年。「お母さんから『蛾っぽくならないように』と言われ、のびのびと可愛らしく踊ることを意識しました」。

そして10月の歌舞伎座で挑むのが、曽祖父七代目梅幸さんが得意としていた舞踊『屋敷娘』。「梅幸さんの映像を見ると、舞台にただ立っているだけで美しい」とキラキラ目を輝かせ、「テンポが速い踊りですが、きれいで華やかで、お客さまがずっと見ていたくなるような舞台を目指します」と力強く語ります。

眞秀さんの一番の目標は「ひーま」こと、祖父の七代目菊五郎さん。

「ひーまは舞台でも家でもパーッとなるオーラがあり、〝おもしろすごい〟。僕もユーモアがあって、お客さまを楽しませることができる役者になりたいです」

「緊張すると力が発揮できないので、楽しんで舞台に出ています」という眞秀さん。2025年4月歌舞伎座で勤めた『春興鏡獅子』胡蝶の精。「一緒に踊った(坂東)亀三郎君とは仲がよく、自然と息が合いました」。 🄫松竹

案内人こぼれ話

MAHORO ONOE

今年の夏はスペインへ

刺激的な稽古と家族団らん

夏はお父さまの故郷フランスでのバカンスが恒例ですが、今年は家族揃って、「マルコス浄瑠璃『金閣寺』」の稽古があったスペインへ。「ダンサーさんたちの異次元の動きが刺激的でした。写真は大好きな姉クレオとです!」

公演情報

@松竹

第一部はケレン味溢れる『鯉つかみ』と子狐の一途さが胸打つ『川連法眼館』。第二部は戦乱の世の悲劇を描く『盛綱陣屋』と軽妙な舞踊『山帰強桔梗』。第三部は知盛の壮絶な最期『渡海屋・大物浦』の後、『屋敷娘』『近江のお兼』で打ち出しとなります。

【歌舞伎座】錦秋十月大歌舞伎
2026年10月2~20日 *9日は休演
第一部 11時開演、第二部 14時半開演、第三部 18時開演
第一部/『湧昇水鯉滝 鯉つかみ』『義経千本桜 川連法眼館』
第二部/『近江源氏先陣館 盛綱陣屋』『山帰強桔梗』
第三部/『義経千本桜 渡海屋・大物浦』『屋敷娘』『近江のお兼』
出演:七代目尾上菊五郎、片岡仁左衛門、尾上松緑、八代目尾上菊五郎、片岡愛之助、中村壱太郎、坂東巳之助、尾上眞秀 ほか
●チケットホン松竹 tel. 0570-000-489


尾上眞秀さん

PROFILE
2012年9月11日生まれ。祖父は七代目尾上菊五郎。母は俳優の寺島しのぶ。17年5月歌舞伎座『魚屋宗五郎』の丁稚与吉で初お目見得。23年5月歌舞伎座『音菊眞秀若武者』の岩見重太郎で初代尾上眞秀を名乗り初舞台。日仏英の3カ国語を操る、歌舞伎界の若き新星。

Realization : NATSUKO OHKI
25ans(ヴァンサンカン)11月号掲載(2026年9月28日発売)

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