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観光ガイド中「バスの中に財布を忘れました」しかし、バスはすでに移動していて…→バスガイドがとった対応

  • 2026.10.21
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出典:photoAC ※画像はイメージです

元バスガイドのくろちびです。

観光地に到着して、これから観光を楽しもうというタイミングで、「財布をバスに置いてきました」と言われたら、どう対応するでしょうか。

すぐに取りに戻れば、そのお客様は安心できます。
しかし、団体旅行では一人のお客様のために動くことで、ほかのお客様の観光時間や、その後の行程にも影響が出ることがあります。

今回は、観光地に到着してから発覚した忘れ物に、バスガイドとしてどう対応したかという出来事です。

バスは、もう同じ駐車場にはいない

観光地に到着し、バスを降りてお客様をご案内していたときのことです。

「すみません、お財布をバスに置いてきました」

お客様からそう言われました。

バスはすでに駐車場を離れています。

実は、大きな観光地では観光バスの駐車場が回転式になっていることがあります。

お客様が観光している間、次に来るバスのために駐車場所を空ける必要があるためです。

そのため、出発時間の30分ほど前に戻ってくる予定でも、最初に降車した場所とは違う駐車場に移動していることがあります。

場合によっては、駐車場そのものが10分ほど離れた場所へ変わることもあります。

「ちょっとバスまで戻ればいい」という状況ではありませんでした。

お財布を取りに戻りながら、団体の時間も守る

お客様にとっては、大切な貴重品であり、観光地を楽しむために必要なお財布。

できることなら、すぐに取りに戻って差し上げたい。

一方で、団体旅行なので、そのお客様だけを待っているわけにもいきません。
戻る時間が長くなれば、ほかのお客様の観光時間が短くなり、その後の行程にも影響します。

そこで、まずドライバーに連絡し、バスが現在どこにいるのか、これからどこへ移動する予定なのかを確認しました。

「どこまでなら戻れるか」「どうすれば全体への影響を最小限にできるか」を相談した結果、まずは他のお客様を入口から観光地の中へご案内することにしました。

そのうえで、忘れ物をされたお客様と一緒に一度駐車場へ戻りバスの中でご本人に座席を確認して、お財布を探していただきました。

お客様の大切なものを回収しながら、ほかのお客様の観光時間は守る。

一人のお客様への対応だけに引っ張られないよう、全体の行程を見ながら動くことを意識しました。

一人の忘れ物でも、団体旅行全体が動く

この経験から、忘れ物は「本人の問題」だけでは終わらないことを改めて感じました。

特に団体旅行では、バスの移動時間や駐車場の場所、次の行程など、さまざまな条件を考えながら対応する必要があります。

だからこそ、困っているお客様を置き去りにせず、それと同時に団体全体の時間も守る。

一人のお客様にも旅行を楽しんでいただきながら、全体の行程を崩さない判断が、バスガイドには求められるのだと思います。

忘れ物ひとつで、団体旅行全体の時間が動く

「財布を忘れた」という一つの出来事でも、バスの位置や駐車場の状況によっては、簡単には取りに戻れません。

お客様を助けることと、団体全体の時間を守ること。

その両方を考えて、その場で最善の方法を判断することもや短時間での全てへの配慮と思いやり。

なかなか大変なことも多くありますが、人として成長できる仕事だなと感じました。


ライター:くろちび

プロフィール
 バスガイドとして4年間、奈良・京都・大阪を中心に観光案内を担当。修学旅行や団体旅行、高齢者ツアーなど、さまざまなお客様をご案内してきました。現場で実際に経験した出来事や、旅行の裏側、接客を通して学んだことを、実体験をもとにお伝えしています。

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