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出発直前、通路で“荷物の整理”を始めた50代男性客…CA「お座りください」伝えると?→不満げに“つぶやいた一言”にヒヤリ

  • 2026.11.1
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さま、こんにちは。大手航空会社で10年間、CAとして勤務しておりましたSAKURAです。

皆さんは「飛行機」に、どんなイメージをお持ちでしょうか。

「旅行が楽しみ」「実家に帰りたい」など、さまざまな感情を抱かれるかと思います。

CAとして乗務していた頃は、飛行機ならではのワクワク感に表情を輝かせながら搭乗されるお客様がとても多くいらっしゃいました。

今回はその一方で、「飛行機」に嫌悪感を抱いていたある男性のエピソードをご紹介します。

不機嫌な態度を取り続けた男性が明かした、ある切実な“本音”とは。

「電車や新幹線は今すぐ座れなんて言わないのに……」通路で始まった“マイペースな振る舞い”

それは秋の行楽シーズン、九州から東京に向かう満席便での出来事でした。

保安検査場の混雑で出発時刻を過ぎ、機内には静かな焦りが漂い始めていたときです。

最後に、50代くらいの男性が搭乗されました。

「ようやく出発できる」と、機内が小さな安堵感に包まれるなか、その男性が通路に立ったまま荷物整理を始めました。

そのままでは、出発することができません。

私は「出発いたしますのでお座りいただけますか?」と、お声がけしました。

すると男性は、こう言い放ちます。

「え?荷物から出したいものがあるんだけど!」

「飛行機が動き出すと怪我をする恐れがございます。安全のためお座りください」

私は、先ほどより毅然とした態度でお伝えしました。

「電車や新幹線は、今すぐ座れなんて言わないのに……」

周囲の視線が集まるなか、男性は不満げにこう呟き、渋々席に着かれました。

上空でまたもヒヤリ。真意が見えない男性を注意深く見守るCA

ようやく出発できたのも束の間、離陸後、またもヒヤリとする出来事が起こります。

まだシートベルト着用サインが点灯しているなか、男性が突然立ち上がり、通路を歩き始めたのです。

私たちが慌てて制止すると、眉間にシワを寄せ「トイレ!」と一言。

今は使用できないことをお伝えすると、不服そうにドスンと席に戻られました。

その後もどこか落ち着かない男性の様子を、私たちは注意深く見守っていました。

「悪気があるのか、それとも飛行機のルールを知らないだけなのか……」

男性の真意が見えないなか、着陸前の安全確認にはスムーズにご協力いただけるよう、私は早めに声をかけることにしました。

「あと10分ほどで着陸態勢に入ります。お荷物のご準備やお手洗いはお早めにご利用ください」

威圧感や不快感を与えないよう声のトーンに気を配ってお伝えすると、男性は「あぁ、わかった」と静かに頷かれました。

そして思いがけず、こう口を開いたのです。

「飛行機が嫌いなんだよ」不機嫌な態度の裏にあった、ある切実な“本音”

「俺、飛行機が嫌いなんだよ」

突然の言葉に私が困惑していると、こう続けられました。

「今家族が東京に行ってて、急遽俺も行かなきゃならなくなって、仕方なく何十年ぶりかに乗っただけなんだ。だからルールとかわかってなくて……すまないね」

思いがけず明かされたその言葉には、それまでの不機嫌な態度とは裏腹な、慣れない空間に対する戸惑いと素朴な本音が滲み出ていました。

それは、「飛行機」という空間にネガティブな感情を抱き、慣れない環境に困惑しながらも、その場に向き合おうとしていた男性の切実な姿だったのです。

決して期待感だけではない「飛行機」への複雑な感情

どこかワクワクとした期待感に包まれがちな「飛行機」という空間。

けれど、そこに複雑な感情を抱いて搭乗されている方もいるのだと、私はハッとさせられました。

男性の思いに触れ、表面的な振る舞いだけでは測れない感情の深さに、CAとして心が揺さぶられた出来事でした。


ライター:SAKURA * 心を読む元国際線CA

日系大手航空会社にて10年間、客室乗務員(CA)として勤務。国内線・国際線を経験し、多種多様なお客様と接する中で「感情を読み解く力」を磨く。客室責任者としてVIP対応や後輩育成に携わる傍ら、社内の人材教育やグループ会社での業務にも携わり、多角的な視点から接客のあり方を見つめてきた。

現在は、その鋭い洞察力を活かし、言葉だけではない、「心理的・物理的アプローチによるクレーム回避術」を発信するライターとして活動中。国内線での細やかな気配りから国際線での難しい状況判断まで、現場での実体験に基づいた「心に届く接客のヒント」を言語化し、接客業にとどまらず、人と人とがよりよい関係を築けるサポートをしている。


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