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『ハウルの動く城』普通では“ありえない描写”に「千と千尋と一緒だ」「ホント切ない」“名作同士の共通点”とは?

  • 2026.11.4
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© 2004 Diana Wynne Jones/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDMT

2004年に公開され、興行収入196億円の大ヒットを記録したジブリ映画。本作では、主人公が大粒の涙を流す印象的なシーンが描かれている。実はこの涙の描写には、同じくスタジオジブリが手がける名作との共通点が見られるのだ。今回は、両作品に登場する“大粒の涙”に注目し、それぞれのキャラクターに込められた想いを紐解いていく。

※以下本文には作品内容が含まれます。

興収196億円の大ヒットを記録したジブリの名作

2004年に公開されたスタジオジブリ制作のアニメ映画『ハウルの動く城』。本作は興行収入196億円という大ヒットを記録したほか、日本のアニメーション映画として初めて「第61回ベネチア国際映画祭」のコンペティション部門に出品され、オゼッラ賞に輝いた。また、「第78回アカデミー賞」長編アニメーション部門にノミネートされるなど、国内外から高い評価を得ている。

本作の魅力となっているのが、独創的な世界観だ。さまざまな建物が組み合わさったような外観の動く城をはじめ、美しい街並みや広大な自然など、細かいところまで作り込まれた映像は視聴者を物語の世界へと引き込んでいく。久石譲さんが手がけた音楽も印象的で、なかでもメインテーマ『人生のメリーゴーランド』は、優雅でどこか切なさを感じさせる名曲だ。

物語の中心となるソフィー(CV:倍賞千恵子)とハウル(CV:木村拓哉)の関係性も見逃せない。荒地の魔女(CV:美輪明宏)によってお婆さんの姿に変えられてしまったソフィーは、ハウルたちとの共同生活を通して少しずつ自分らしさを取り戻していく。一方で、強い魔力を持ちながら臆病な一面を持つハウルも、ソフィーとの出会いによって変化していくのだ。

さらに本作では、戦争の恐ろしさや人を愛することの尊さといったテーマも描かれている。観るたびに新たな発見があることも、公開から約22年を経ても愛され続ける理由のひとつなのではないだろうか。

『千と千尋の神隠し』と共通する普通ならありえない“大粒の涙”

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© 2001 Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, NDDTM

アニメ映画『ハウルの動く城』では、ソフィーが涙を流すシーンが何度も描かれる。

たとえば、ソフィーが城の浴室を掃除したことで、ハウルの髪色が変わってしまうシーン。髪色が変わったことにショックを受けたハウルは、「美しくなかったら生きていたって仕方がない」と絶望してしまう。そんなハウルに対し、ソフィーは「私なんか美しかったことなんて一度もないわ!」と感情を爆発させて飛び出し、雨の中で涙を流した。

また、物語の終盤でソフィーは不思議な空間へと足を踏み入れ、幼いハウルが流れ星のカルシファー(CV:我修院達也)と契約を交わす瞬間を目の当たりにする。過去のハウルたちに向かって、「未来で待ってて!」と叫ぶソフィー。現実の世界に戻った彼女は、変わり果てた姿のハウルと再会する。ずっと前からハウルが待っていたことに気づき、涙をあふれさせた。

特に後者のシーンは、ソフィーの目から次々に大粒の涙がこぼれ落ちる描写が印象的だ。この普通ならありえないほど大粒の涙は、同じくスタジオジブリ制作のアニメ映画『千と千尋の神隠し』を思い起こさせる。アニメ映画『千と千尋の神隠し』でも、千尋(CV:柊瑠美)がハク(CV:入野自由)からもらったおにぎりを食べ、大粒の涙を流すシーンが描かれていた。

大粒の涙の描写に共通するのは、ソフィーと千尋の想いがあふれ出し、止まらなくなっているということ。ソフィーの涙には、ハウルへの深い愛情だけでなく、彼の孤独を知った切なさもこもっていると考えられる。一方、千尋もおにぎりを食べたことで緊張が和らぎ、両親に対する不安や悲しみが一気にあふれ出したと読み解ける。

2作品に共通する大粒の涙の描写についてSNSでは「千と千尋と一緒だ」「ホント切ない」「ぐちゃぐちゃな感情が伝わる」との声が上がった。涙の描写には、大切な人への抑えきれない想いが粒の大きさによって表現されているのではないだろうか。だからこそ、私たちの感情も揺さぶられ、切なさを感じるのだろう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari

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