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生後すぐ手術を受け、保育器から出られない娘「がんばって…」赤ちゃんを抱く他のママに抱いた本音は<先天性食道閉鎖症>

  • 2026.9.30

精神的な持病がある佐藤茜さんは、そのことを理解してくれた大和さんと結婚し、数年後に妊娠。ハイリスク妊婦であるため、総合病院で出産することに。母のサポートを受けるため実家近くに引っ越し、夫は単身赴任となりました。
その後、羊水が人より多いことが判明し、「生まれてみないと何とも言えない」と医師に告げられ不安でしたが、何とか無事女の子を出産。
しかし、すぐに娘の体に異常が見つかり、大学病院で手術を受けることに。長い時間かかりましたが、手術は無事成功しました。

「食道と胃、無事繋がりました」

食道が切れた状態で生まれてきたわが子。手術の影響で食道が細くなったようですが、母乳や育児用ミルクを与えるには問題がないとのことでした。

手術後、NICUに向かった茜さんの胸はドキドキしっぱなし。案内された保育器には、たくさんの管に繋がれた娘がいました。抱くことはおろか、触れることもできない状況です。

「また、来るね」

顔だけ見て、すぐ病室に戻ることになった茜さん。その目には、たくさんの涙があふれていました。小さな娘の痛々しい姿を見て、胸が締めつけられて仕方がなかったのです。

まだ触れることのできない娘

娘は「先天性食道閉鎖症」と診断されました。

保育器で眠るわが子を心配そうに見つめ、「がんばって」と心の中で告げる茜さん。触れることもできない状況の中、赤ちゃんを抱いている他のママを見て、羨ましいと感じるのでした。

◇ ◇ ◇

「先天性食道閉鎖症」とは、生まれつき食道が胃とつながっていない状態の病気です。食道が途切れているため、生まれてきた赤ちゃんは母乳や育児用ミルクを飲むことができず、出生後すぐに手術が必要となります。発生頻度はおよそ5,000人に1人とされており、赤ちゃんの体がつくられている最中、気管と食道が分離するときに何らかの異常が起きて発生するといわれていますが、原因はまだ完全には解明されていません。

実は、羊水過多症と先天性食道閉鎖症には関係があることがあります。食道が途切れていると赤ちゃんが羊水をうまく飲み込んで吸収することができないため、羊水過多症につながることがあるのです。ただし羊水過多症は他の多くの疾患でも起こるため、必ずしも先天性食道閉鎖症を示すものではなく、茜さんのケースのように「生まれてみないとわからない」ということも少なくありません。

NICUでの治療中は、たくさんの管につながれたわが子にすぐに触れることも抱くこともできない、とても苦しい時間が続くこともあります。それでも、搾乳を届けること、そっと声をかけること、ただそばにいてあげること——

そうした小さなひとつひとつが、赤ちゃんへの大切なサポートになるのではないでしょうか。

監修者:松井潔(小児科 | 医療法人産育会 堀病院)

著者:いもやまようみん


監修者:医師 医療法人産育会 堀病院 松井 潔 先生

愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等、同総合診療科部長を経て現在、医療法人産育会 堀病院にて新生児診療に従事。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


著者:マンガ家・イラストレーター いもやまようみん

ベビーカレンダー編集部

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