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「不健康をしてこそ役者」の美学は捨てた? 俳優・坂東龍汰さん(29)がライフスタイルを見直した理由【映画『我々は宇宙人』】

  • 2026.9.29
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俳優として卓越したセンスを持ち、ドラマはもちろん、映画、舞台とさまざまな形でお芝居と向き合う坂東龍汰さん。9月25日に公開される映画『我々は宇宙人』では、主人公・翼の声を担当しています。俳優デビュー10年目に突入し、ドラマや映画はもちろん、舞台や声の仕事など、常に新しい挑戦を求め続ける坂東さんの仕事観とは? 30代を目前に控えて変化が生まれたライフスタイルについても教えてもらいました。

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Profile

1997年5月24日生まれ。北海道出身。2017年、ドラマ『セトウツミ』で俳優デビュー。翌年の2018年には、NHKスペシャルドラマ『花へんろ 特別編 春子の人形』に初主演。2024年に出演したドラマ『ライオンの隠れ家』で、自閉スペクトラム症の青年を好演し注目を集める。2026年、前年に出演した映画『爆弾』で、第49回日本アカデミー賞新人賞を受賞。近年の主な出演作は、ドラマ『366日』(2024年)、『シナントロープ』(2025年)、映画『ヒックとドラゴン』(日本語吹き替え、2025年)、『君の忘れ方』(2025年)『黒牢城』(2026年)など。2026年10月に映画『わたしの知らない子どもたち』、2027年1月に映画『かすかな彼を抱きしめて』が公開予定。

親に「器用貧乏」と言われた過去…俳優を志した意外な原動力

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―さまざまな作品で存在感を発揮している坂東さんですが、改めて、俳優という仕事を志した原動力について伺いたいです。

とにかく目立ちかったし、ランボルギーニに乗って高級マンションに住みたかったから……っていうのは冗談で(笑)。実際はそれとは真逆の気持ちです。ちょっといつもと違うことを言ってみたくなっちゃいました(笑)。

―一瞬、びっくりして固まってしまいました(笑)。本当はどんな理由があったんですか?

僕には昔から好きなことがありすぎたんですよ。興味を持ったらあれこれ挑戦して、ある程度はできるようになるんだけど、結局どれも続かなくて。父には「お前は“器用貧乏”だ」と言われていました(笑)。でも、それが自分なんだから、このままいろいろなことをやっていく人生でもいいやって思ったんです。高校を卒業したら、カメラを片手に海外を回って、写真に自分の言葉を載せた本を作ろうかなと考えていました。それか、ワーキングホリデーで働きながらバックパッカーをするのもいいかな、とか。でも「卒業演劇」をきっかけに、芝居が急に楽しくなっちゃったんです。

社会への憤りがきっかけに? 演劇の楽しさに目覚めた瞬間

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―「卒業演劇」は坂東さんの母校で伝統的に行われている行事ですよね。もともと、カリキュラムにも演劇は組み込まれていたそうですが、なぜそのタイミングで楽しさに目覚めたのでしょうか?

当時の僕は、原発問題について日本のメディアが正しく報道しないことに憤りを感じていたんです。クラスメイトも同じような思いを抱えている人が多かったので、卒業演劇の題材に『民衆の敵』という作品を選びました。僕が演じたのは、町の温泉施設の汚染問題を追求していく科学者。自分たちの利益のために事実を隠蔽しようとする町の人々に疎まれながらも、決して主張を曲げずに信念を貫くという役どころでした。

―それは、かなりやりがいのある題材ですね。

観客は保護者や学校関係者だけでしたけど、社会に対して何かアクションを起こせたような気がしたんです。自分たちの意思を持って世の中に発信したんだという感覚が、僕のなかですごく大きくて。お芝居って、抱えている思いや考えをダイレクトにぶつけられる表現方法なんだと実感しました。そのとき、自分が本当にやりたいことは、これ以外にはないなと思ったんです。

20代後半で変化した人間関係「エネルギーを浪費したくない」

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―そんな強い思いで飛び込んだ俳優というお仕事ですが、CLASSY.読者と同じアラサー世代に突入してから、俳優という仕事への意識や向き合い方に何か変化はありましたか?

仕事に関しては、正直あまり変わってないですね。どんどん新しいことに挑戦して、一つひとつの作品に全力で取り組むだけなので。『我々は宇宙人』でカンヌ(国際映画祭)の空気感に直に触れさせていただいて、いつか自分が関わった作品でまた戻りたいという気持ちは芽生えましたけどね。強いていうなら、人付き合いに関しては少し感覚が変わってきているかもしれないです。

―それは一体、どんなふうに?

一緒にいて自分が心から楽しめる人たちと過ごすことが増えました。以前は、何かおもしろいことが起きるかもしれないという期待もあって、人が集まる会とか場所に、よく顔を出すようにしていたんです。でも20代後半になってから、なんだか不毛な時間だなって思うようになって。自分の思想だったり、価値観や美学に共感してくれる人ともたくさん出会ってきたので、プライベートはそういう人たちと一緒に過ごしたいんですよ。そのほうが建設的な会話ができる気がするので。もちろん、自分とは全然違う人たちと過ごすのは新鮮だし、新しい自分に出会えることもあるんですけど、やっぱり少し疲れてしまうんですよね。

―たしかに、体力やエネルギーは、年齢を重ねるごとに、どんどん貴重なものになっていきますよね。

コロナ禍が終わって久しぶりに人と会ったとき、こんなにエネルギー使うんだって驚いたんです。徐々に体力がなくなってきているのを実感したというか。去年くらいからは、徹夜も全然できなくなってきましたからね。たまに友人と朝まで飲もうなんて意気込んでも、深夜2時くらいには目が開かなくなります(笑)。

―数年前のインタビューで「年齢はとくに気にしていない」というお話をされているのを見たのですが、改めて今はどう思っていますか?

30歳に向けて、健康によくないことはなるべくやめたいです(笑)。20代前半のころは、役者は朝まで飲み歩いて不健康なことしてこそでしょ、みたいな気持ちがあって、自分の健康なんてまったく気にしてなかったんですけどね(笑)。仕事を続けていくためにも、自分の体をいたわって、健康的な生活を目指したいです。

Information

『我々は宇宙人』(9月25日公開)
YOASOBIの『優しい彗星』をはじめ、数々のミュージックビデオやアニメーション映像を手掛けてきた門脇康平さんの初監督作品。カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品。
<STORY>
平成のある田舎町に住む少年・翼は、自分が内気で“普通”であることに悩んでいたが、小学3年生の春、クラスの人気者で“特別”な存在である暁太郎と仲良くなる。放課後はいつも一緒に過ごし、たくさんの思い出を作っていくふたりだったが、ある日を境に暁太郎がクラスで浮いた存在となってしまう。

撮影/HAL 取材/近藤世菜 編集/宮島彰子

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