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日韓ドラマで変わる「整形」の描き方。Netflix『ダウンタイム』を韓国の視聴者はどう見た?【コラム】

  • 2026.9.27

9月17日からNetflixで世界独占配信中の、日本のNetflixオリジナル作品『ダウンタイム』。天才的なオペ技術を持つ形成外科医・沼田文(松岡茉優)が、ある事件をきっかけに不本意ながら、カリスマ美容外科医・遠山凜(仲里依紗)のクリニックで働くことになり、美容医療の世界に関わっていく。美容整形業界の光と闇や、そこに渦巻く美と金への欲望をあぶりし出した作品だ。

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主演の二人をはじめ、間宮祥太朗、田中みな実、研ナオコ、安達祐実、Kōki,、渡部篤郎ら、「さすがはNetflixオリジナル!」と唸りたくなるような、豪華で個性豊かなキャストも話題を呼んでいる。配信翌日の9月18日には、日本のNetflix作品ランキング1位を獲得し、9月14日~20日のグローバルTOP10では、非英語シリーズ部門で5位にランクインした。

(画像=Netflix)

タイトルの「ダウンタイム」とは、美容医療の施術後、腫れや内出血などが落ち着き、自然な状態に回復するまでの期間を指す。本作では、その時間を「サナギが蝶になるまでの大事な時間」と位置づけている。では、美容施術がより身近な韓国の視聴者に、この日本の「整形ドラマ」はどう映ったのか。

韓国では、2008年の『ビフォア&アフター整形外科』のように、美容外科を舞台にした作品も早くから作られてきた。同作では、さまざまな悩みやコンプレックスを抱えて病院を訪れる患者の事情と病院経営、医師たちの葛藤を通して、美容整形をめぐる社会問題を取り上げた。

一方、『私のIDはカンナム美人』(2018)では、手術によって容姿を変えても、美しい、美しくないという周囲の評価から逃れられない現実を浮かび上がらせている。整形を直接の主題にしなくても、『マスクガール』(2023)のように、顔を隠すことと見られることの苦しさを掘り下げた作品もある。韓国ドラマでは、整形だけでなく、顔そのものが社会的な評価や自己認識と結びつく問題として取り上げられることは多い。

『ダウンタイム』について、韓国のThreads(SNS)を追い、現地の女性にも感想を聞いてみた。すると、さまざまな反応が見えてくる。ある視聴者は、「医師から見れば手術をしないほうがいい患者でも、本人が切実に望むなら手術すべきなのか?」と、患者の自己決定権と医師の倫理について考えたという。別の視聴者は、「私は自分のためにきれいになろうとしているのか。それとも、他人の目を気にして自分を変えているのか」と自問している。さらに、「外見が競争力になる時代に、私たちは自分の姿をどこまで変えようとするのか」と、美容外科産業の背後にある欲望や倫理、人間関係に目を向けた人もいた。

また、整形とは直接関係のない部分に目を向けた視聴者もいる。登場人物の現在の行動や人生の選択の理由を、幼少期まで遡って描く展開を「日本ドラマ特有」だと言う人や、「日本の病院文化や葬儀文化がわかる」という声もあった。さらに、「整形のビフォー・アフターって、どうやって撮影したの? AIなの?」という疑問や、「特殊メイクなんだって……すごい!」と驚く声も。実際、Netflix公式によれば、「ビフォー→ダウンタイム→アフター」の特殊メイクは、専任チームが、それぞれの俳優に合わせてオーダーメイドで造形したといい、リアルな「変化」そのものも本作の見どころの一つとなっている。

今回取り上げた韓ドラでは、整形後の自分をどう受け入れるのか、外見による評価からどう自由になるのかといった、整形後の人生に踏み込む内容が描かれてきた。一方、『ダウンタイム』では、美容医療を提供する医師側にも焦点を当て、患者の願望と医師の倫理、医療とビジネスの境界に踏み込んでいる。

韓国の視聴者の反応を見る限り、日本の視聴者と大きく異なる印象はないようだ。「面白い」「テンポがいい」と作品を楽しみながら、美容整形をめぐる倫理や、他人の目を気にして自分を変えることについて自分自身に問いかけるような反応も見られた。韓国ドラマでは、美容医療をめぐる患者の事情や医師の葛藤、手術後も続くルッキズムなど、その時代の「美」をめぐる社会の問題が浮き彫りなっている。『ダウンタイム』もまた、患者の「きれいになりたい」という願望だけでなく、医師の倫理や美容医療のビジネス化に目を向けている。切り口は違っても、整形をテーマにしたドラマには、その時代の「美」をめぐる社会の空気が映し出されている。

(文=田名部 知子/Xで気ままなソウルの日常を発信中:@t7joshi)

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